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子育て費用は中学校卒業までで1人約1,900万円。2人目なら倍? 内閣府のデータにツッコんでみました。

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子育て費用は中学校卒業までで1人約1,900万円。2人目なら倍? 内閣府のデータにツッコんでみました。

子どもにかかるお金


「子供一人を育てるのに〇百万円かかる!」っていう金融商品の売り文句。

しかし

「そんなにお金がかかるなら準備しないと!」

「ウチは〇人だから、その〇倍も…」

となるのはちょっと待っていただきたい。大ざっぱなものを鵜呑みにしてはいけません

今回は、きちんとその元資料をたよりに、「そんなにお金、かからないんじゃないの?」とイチャモンを入れてみたいと思います。

データーも鵜吞みにしない


元資料といってもいくつかあるのですが、今回は内閣府の「

インターネットによる子育て費用に関する調査(平成21年度)

」を使います。


少し古い資料ですが、これによると

中学校卒業までで約1,900万円!

かなりのインパクトです。幼児だけで見ても、1年間で100万円前後にもなるとのことです。

2人で毎年200万円、3人で300万円…。

という単純計算をしてはいけない、というのが今回の話です。

平均値は実態を表さない

資料の最初に書いてありますもんね。これ、第1子限定のデータです。それに、あくまでもこれは平均値。

時として平均は実態を表しません

今回は、2人の子どもを育てている最中の私が、そのデータに対して実体験からツッコんでみようと思います。

だってそんなに使っていないもん。

このデータをもとに貯蓄商品を進めてくる金融機関もありますし、何より金額にびっくりしてしまったら出産に二の足を踏んでしまいますものね。

「預貯金・保険」と「保育費」が含まれている


≪画像元:内閣府(pdf)≫

よくデータを読み込んでみましょう。

実は、この金額には将来の教育費に備えた「子どものための預貯金・保険」が20万円前後含まれています

これって支出じゃありませんよね。カットして考えなければなりません。

「保育費」にも注意が必要


「保育費」のほとんどは保育所や幼稚園の保育料なのですが、これは平均を出すには適さない費目ですよね。

だって、所得(住民税の所得割額)によって、保育料はまちまちですもの。

一例に横浜市を挙げると、最低は0円、最高は月額7万7,500円ですって。年間にすると93万円もの差があります。

専業主婦世帯もある


0~2歳児については、専業主婦世帯なら自宅でわが子の面倒を見るので、通常保育料はかかりません

0歳児の「保育費」が低いのは、育児休業を取得していてほぼ0円の人が多いからなんでしょうね。

さらにツッコめば、専業主婦世帯が幼稚園に通わせる3歳児以降は、第1子か第2子か第3子以降かによって、いただける私立幼稚園就園奨励補助金額が全然違います

こちらも所得によって差がありますが、その最大差額は年間25万円にも(横浜市の場合)。

これは月額に直すと、高級幼稚園でないなら第1子なら2万円以上かかるものが、第3子ならほぼゼロになるということです。

今回これは声を大にして言いたい。

第2子以降の子育て費用は、第1子よりも圧倒的に少なくて済むのです。

参照:平成29年度 横浜市子ども・子育て支援新制度 利用料(保育料)(月額)(pdf)/平成29年度 横浜市私立幼稚園就園奨励補助金額一覧(pdf)

「生活用品費」もきょうだい間の差が大きい

そんなふうに、きょうだい間の差が大きい費目は他にもあります。それが「生活用品費」。

内閣府の調査では、0歳児には22万2,491円もかかることになっています。その主な内訳は次の通り。


「生活消耗品」とはおむつやガーゼなどのこと。これが約10万円にものぼるのは、なんとなくわかる気がします。

第2子でも第3子でもそんなに変化はないのではないでしょうか。布おむつにしない限り、おむつ代は家計を圧迫しますよね。

でも「子ども生活用品・用具(5万8,311円)」、これも保育料同様にきょうだい間の差が大きいですよ。

わが家の場合、以下のものは第2子のときには購入していません。

・ ベビーベッド 3万円くらい
・ A型ベビーカー 6万円くらい
・ B型ベビーカー 2万円くらい

2種のベビーカーだけでもう平均値を超えてしまった…。私たちゼイタクしていますね。

そして第1子が1歳になると「子ども乗せ自転車」を15万円くらいで購入しました。

平均値が低いのは、バザーなどで手に入れている人がいるからなんじゃないでしょうか。

第2子のときは、ほどんど購入しない

これらの出費は第2子のときにはゼロなのです。おもちゃだって、ウチの2人目の子どものためには、ほとんど購入しておりません。

だんだんと買い足していった1人目よりも、はじめからそろっているからか楽しそうです。

この「生活用品費」でも、第1子と第2子以降では30万円以上の開きが、生後1年余りだけでも生じるのです。

倍、倍…ではない


くどいようですが、子育て費用は単純にかけ算してはいけないのです。

マネーの話からはずれますが、子育て労力も第2子以降は半減します。

子どもは子どもが好きなので、上の子が下の子と遊んでくれます。

夫婦の息も合ってきて、1人目がいるから子育ての見通しも立っています。

手の抜きどころをつかんだ

というのもあります。

「服飾費」のきょうだい間の差は、思ったほどではない

最実際に2人目を育てている私の、意外な実感を添えておきます。

それは第2子の「服飾費」はあんまり節約できないということ。同性なんですけどね。

理由は主に2つ。

・ 0歳児は、生まれる季節がズレるとサイズが合わない。赤ちゃんは信じられないスピードで成長します。

・ インナーは全滅、アウターもかなりの割合で第1子が着つぶしてしまう。

子どもはとんでもなく衣服を酷使しますから。汗やよだれはもちろん、食事をすればこぼすし公園へ行けば砂まみれになります。

でもそれこそが子どもなんですから、

汚してもらわなきゃあならない!

ということで、第2子のためにもけっこう衣服は買っています

第2子に着まわせるものも、そのまま第3子にというのは難しいだろうな…。

金融機関の広告に、勝手に騙されない


いかがでしょうか。金融機関だって、騙そうとして騙しているわけではない部分もあると思うのです。

子育ての形はさまざま。子育て観や所得の差を抜きにした平均値は、あくまでも参考だと思っておきましょう。

そして、1人目にかかる費用を単純にかけ算してはいけません。

2人目3人目は、ずっと費用を抑えて育てることが可能なのです。

子育てだって、「まとめ買い」がお得だと言って良いのかもしれませんね。(執筆者:徳田 仁美)

関連記事:教育費は高等学校まで1人500万円超って本当? 文部科学省のデータを読みこんだら、半分ほど減らせました。

《徳田 仁美》
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徳田 仁美

関西地方都市在住の30歳代主婦。某私立大学文学部卒。「良いものを長く使う」「不健康が最大の損失」「家族円満は無料で最大の幸福」を心がけて、主婦業を営む。夫の収入で家計を管理する、現在は2児の母。子だくさんでも成立する家計を模索。家計とは別に、結婚前の貯金を株式投資やFXなどで運用する。投資歴は8年程度。最近は新しい時代を作ってくれそうな企業に注目している。 寄稿者にメッセージを送る

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