「かかりつけ医」や「医療機関」を選ぶ10個のポイントと、医療費節約のコツ3つ »マネーの達人

「かかりつけ医」や「医療機関」を選ぶ10個のポイントと、医療費節約のコツ3つ 

団塊の世代が全員75歳以上となる2025年に向けて、医療・介護における地域包括ケアシステム実現は着々と進められています

そして、今年4月には、6年に一度の医療報酬・介護報酬・薬剤報酬の改定があり、全体的には0.55%の報酬アップとなりました。

物価の上昇とともに、じわじわと医療や介護の負担を重く感じるようになってきました。


「紹介状なし」大病院受診時の定額負担の義務化

紹介状が必要


平成4年の医療法改正から、他の医療機関からの紹介状無しに200床以上の病院に初診、再診する場合は、選定療養費の対象とされていました。

平成28年4月からは、

・ 紹介状無しに特定機能病院

・ 500床以上の大病院

初診、再診する場合には、選定療養費の負担が義務化されました。

また、平成30年4月からは病院と診療所(かかりつけ医)などのさらなる機能の分担および連携の推進を図るため、
他の医療機関からの紹介状無しに、特定機能病院や400床以上の地域医療支援病院を受診する場合には、初診時5,000円以上、再診時2,500円以上の選定療養費を負担する
ことが義務化されました。

図のように、かかりつけ医や病院で受診し、紹介状をもらってから、大病院の受診をするということが重要になってきます。

外来医療の機能分化のイメージ

≪クリックして拡大≫



大病院で診てもらった結果、病状が重篤でない場合は、大病院から地域の病院を紹介されます。

それを受け入れずに再診を受けると、選定療養費がかかってきます

大病院は、高度な医療器具があり専門医がたくさんいるので安心ではありますが、重篤でないという診断を受け入れて、地域の病院に通うことも大切です。



診療所や一般病院でも初診料がアップ?

さて、最近「かかりつけ医」という名称をよく耳にしますが、4月から「かかりつけ医機能」のある医療機関で診察をうけると初診料に800円(3割負担240円)が加算されるようになりました。
「それって、いつも風邪で熱が出たときに行く診療所の初診料が、アップするってこと?」
と不安をもたれる方もいらっしゃるかもしれません。

確認するには、診療所の掲示板やホームページなどで調べるか、電話で直接問い合わせるかすれば、「かかりつけ医機能」強化加算されるかどうかがわかります。

「かかりつけ医機能」強化加算の算定要件


・ 地域包括診療加算

・ 地域包括診療料

・ 小児かかりつけ診療料

などいずれかの届け出をしている、診療所

・ または200床未満の病院において初診を行った場合

となっています。

厚生労働省の調査によりますと、基準が厳しいという理由で、7割もの診療所が地域包括診療加算や地域包括診療料の届け出をしていないという結果でした。

地域包括診療加算や地域包括診療料の届け出は「かかりつけ医機能」強化加算される要件でもあります。

「かかりつけ医機能」にかかわる診療報酬を届け出ている医療機関は、今のところ、そんなに多くないと思ってもいいのではないでしょうか?


「かかりつけ医」とは?

かかりつけ医とは


私自身、「身近なお医者さん」が「かかりつけ医」と思っていましたが、国の目指す「かかりつけ医」とはどんな医師なのでしょうか?

「かかりつけ医」とは、
・ なんでも相談できる

・ 最新の医療情報を熟知

・ 必要なときには専門医、専門医療機関を紹介できる
身近で頼りになる地域医療、保健、福祉を担う総合的な能力を有する医師であると定義づけられています。

また「かかりつけ医」は「かかりつけ医機能」として以下の向上に努めることとされています。

・かかりつけ医は、日常行う診療においては、患者の生活背景を把握し、適切な診療及び保健指導を行い、自己の専門性を超えて診療や指導を行えない場合には、地域の医師、医療機関等と協力して解決策を提供する。

・かかりつけ医は、自己の診療時間外も患者にとって最善の医療が継続されるよう、地域の医師、医療機関等と必要な情報を共有し、お互いに協力して休日や夜間も患者に対応できる体制を構築する。

・かかりつけ医は、日常行う診療のほかに、地域住民との信頼関係を構築し、健康相談、健診・がん検診、母子保健、学校保健、産業保健、地域保健等の地域における医療を取り巻く社会的活動、行政活動に積極的に参加するとともに保健・介護・福祉関係者との連携を行う。また、地域の高齢者が少しでも長く地域で生活できるよう在宅医療を推進する。
・患者や家族に対して、医療に関する適切かつわかりやすい情報の提供を行う。
(「医療提供体制のあり方」日本医師会より抜粋)



「かかりつけ医」と契約書や同意書のようなものを取り交わす必要はありません。

病院の医師か、診療所の医師か、あるいはどの診療科かを問いませんので、医療機関は、診療所か200床未満の病院から選べます

「かかりつけ医」は、行きつけの診療所や病院の医師などの中から、家族で決めておくとちょっとした風邪などの病気の際に便利だと思います。


メリット1:診療所と一般病院を使い分けて医療費節約

身近なお医者さん=かかりつけ医となると診療所というイメージが大きいのですが、「かかりつけ医」の医療機関は、医療費の節約と医療の質から考えると、診療所より一般病院の方にメリットがあります。

例)生活習慣病等の慢性疾患をかかえている人の場合


治療を行うと加算されるのが「特定疾患療養管理料」です。

月2回行われるようになっていて、

・ 診療所… 2,250円/回(3割負担675円/回)

・ 100床未満の病院… 1,470円/回(3割負担441円/回)

・ 200床未満の病院… 870円/回(3割負担261円/回)

慢性的な病気なので、年間の負担額を計算してみると、

診療所… 1万6,200円

100床未満の病院… 1万584円

200床未満の病院… 6,264円

診療所と200床未満の病院では、1万円の差額です。

特定疾患には

・ 結核
・ 悪性新生物
・ 甲状腺障害
・ 糖尿病
・ 高血圧性疾患
・ 脳血管疾患
・ 胃潰瘍
・ 十二指腸潰瘍
・ 胃炎及び十二指腸炎
・ 慢性ウィルス肝炎
などがあります。


メリット2:同日2つの科にかかると診療科で半額

一日で二つの科にかかると節約


一般病院に限りませんが複数の診療科がある医療機関で、同じ日に2つの科にかかると初診料や再診料が2つ目の診療科で半額になります。

整形外科と内科など同じ日にかかれば

・ 医療費

・ 時間

・ 交通費

などの節約になります。

ひとつのカルテで診察を受けるので、医療情報の共有もしてもらうことができ、医療の質も上がると思います。

医療費節約のコツ


1. ちょっとした風邪やけがなどは近くの診療所で治療をする。

2. 検査などが必要になったり、複数の診療科で診察を受ける。

3. 生活習慣病で治療を受けるなどの時には、一般病院で治療する。


かかりつけ医や医療機関を選ぶポイント10

1. 住まいか職場に近いところ(通いやすい、何かあったらすぐに行ける)

2. 近所の評判が良いところ(経験と実績を知っておくと安心)

3. 予防的な指導も行ってくれる(食べ物や生活習慣、運動など)

4. 患者の話をしっかり聞いてくれて、気軽に相談しやすい

5. 病気、治療、薬などについてわかりやすく説明してくれる

6. 質問に素早くきちんと答えてくれる

7. 相性がよく共感できるタイプである

8. 診療科・診療時間(長期通院になったときも安心)

9. 病院の概要:ベッド数・施設基準届出状況(医療費がかわる)

10. 連携先の地域医療支援病院・特定機能病院はどこか?


注意点

ほかの医療機関も考える


どんな素晴らしく評判のいい医師でも、同じ人間です。

医師は高い倫理観や使命感そして自信をもって仕事をしているので、自ら診断の訂正は簡単にはされないが、「見立て違いはある」ということを理解しておいてください。
ある程度の期間を医師の指示に従って治療したが良い方向に行かない場合は、ほかの医療機関もあたってみましょう。
当たり前のことですが、「自分の身は自分で守る」ことが大切です。(執筆者:京極 佐和野)

この記事を書いた人

京極 佐和野 京極 佐和野»筆者の記事一覧 http://fp-milabo.com/

FPオフィス ミラボ 代表
大阪生まれの大阪育ち、福岡在住です。老後が考えられなかった40代から一変、50代に入ったとたん、あと何年元気でいられるだろうかと考え始め、いつまでという人生のタイムリミットを感じるようになりました。竹内まりやさんの「人生の扉」歌詞のそのものです。後回しにしてきた自宅購入、FPオフィスを起業しました。『お金の知恵』を得ることで50歳からでも始めることもやり直すこともできるということを皆さんにお伝えしたいと思っております。巷の情報に流されず、貴方らしいセカンドライフを実現して下さい。
<保有資格>:CFP/1級FP技能士/住宅ローンアドバイザー/シニアコンシェルジュ/シニアライフコンサルタント・損害保険募集人資格・小額短期保険募集人資格
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