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「時間を切り売り」「作業」の人はAIが代替する 生き残るのは「自分のために働く人」

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「時間を切り売り」「作業」の人はAIが代替する 生き残るのは「自分のために働く人」

働き方改革

働き方改革

首相官邸HPには「働き方改革の実現」として下記のように書かれています。

働き方改革は、一億総活躍社会実現に向けた最大のチャレンジ。多様な働き方を可能とするとともに、中間層の厚みを増しつつ、格差の固定化を回避し、成長と分配の好循環を実現するため、働く人の立場・視点で取り組んでいきます。
(首相官邸HP)

一億総活躍社会とは、安倍総理の言葉を借りると

「若者も高齢者も、女性も男性も、障害や難病のある方々も、一度失敗を経験した人も、みんなが包摂され活躍できる社会」

のことで、つまりは子育てしやすい経済的環境を作り出すことで少子化を止めようということが背景にあるようです。

この一億総活躍社会実現の一環としてある「働き方改革」は、労働者人口を増やすことが目的となっていて、そのために解決が求められる課題として

1. 長時間労働
2. 非正規と正社員の格差
3. 労働人口不足

を挙げて、これらの改善に向けた政策づくりを行います。

上記、(1)、(2) を改善することで女性の社会進出を促し、経済的理由からの少子化を改善しようとしています。

「裁量労働制の導入」

「働き方改革」において政府が求めているのは「裁量労働制の導入」です。

裁量労働制導入の旗は降ろしましたが、高度プロフェッショナルな職業に関しては、裁量労働制を導入しようとしています

残業代込みで給料を支払う「みなし労働」を合法化しようということです。

どちらかといえば、労働者のための改革というよりも、経営者側の雇用負担軽減という印象があります

もっとも日本の雇用形態は、外資系企業による日本参入の大きな障壁となっています

その代表的なものが「解雇規制」で、これが緩和されなければ、業績次第では、雇用は大きなコスト負担となりかねません。

解雇規制とは

解雇をお金で解決

一旦雇用した従業員を雇用者都合で簡単に解雇してはいけないというものです。

解雇規制の緩和は、金銭解決で解雇できるようにしようというものです。

この流れは、日本の未来社会においては、もうとまらない状況かと思われます。

労働基準法を改正する動き

以前の記事で「裁量労働制」について取り上げましたが、おそらく労働基準法を改正する動きが見られてくると思われます。

会社(雇用側)と労働者(非雇用側)との関係が、大きく変わってくることになると思われます。

その流れに雇用者側が早く気付いて対応すべきなのかもしれません。

政治はとめられない、大きな流れは決まってきているような気がしますね。

 関連記事:「裁量労働制」は誰のため? 本当に「労働時間短縮」につながるのか

そもそも「過労死」問題が発端でした

日本語がそのまま海外で言語として使われているものがあります。

「カラオケ」がまさにそうで、日本で発生したものが海外文化に受け入れられ、そのまま言葉として海外に根付きました。

不名誉な例は「過労死」

海外では死ぬまで会社に尽くすことがなく、「過労死」に相当する英語が存在しないため、海外ではそのまま「karoshi」と英語辞書に載ることになりました。

英語にもなる過労死

社会問題「ブラック企業」

長時間労働に残業代不払い、いわゆる「ブラック企業」が社会問題となっています。

ただ上司命令には逆らえないという企業内の空気感は見過ごせず、人事や給与査定を握る者には逆らえないという、法整備だけでは解決しえない現実があることも忘れてはなりません。

日本の社会的構造問題

この風潮は企業だけに限らず、日大アメフト部における上下関係や、昨今の官邸と官僚の関係にも見られるように、政界やスポーツ界などどの世界にも見られることから、日本の社会的構造問題とも言えそうな気がします。

雇用する側のモラル改善が求められますが、これらは法整備により是正することとなるのでしょうが、一方で、労働者側(働く側)の労働に対する意識改革も必要になってくると思われます。

「AI社会」も見越して労働者意識を変えなければ…

これからのAI社会においての働き方を考える上でも重要なことだと考えます。

具体的には、労働を「時間の切り売り」という発想を変えなければならないということです。

労働に携わる時間を評価する、会社にいる時間を価値とする考えでは何も生まれてきません。

さらに「働く」という言葉と「使われる(雇用)」という言葉を同義語として認識することから脱却しなければ、労働者の意識改革はなされないと思います。

AI導入で働き方はどうなる

AIの目的は「効率化」です

業務の効率化、処理の効率化、事務の効率化などなど、人間が行うよりもはるかに時間短縮ができ、正確さも比べものになりません。

AI導入により人件費削減にもつながり、会社としてはコストカットの面からもAI化は進めてくると思われます。

それは消費者のニーズにもあっていて、製造過程におけるコストカットは販売価格を下げることにもつながります

仕事が「作業」であるなら、作業従事者は全てAIに取って代わられるということを認識しなければなりません。

ゆるブラック企業

「ゆるブラック企業」というものが存在するそうです。

「ゆるブラック企業」とは、基本給をおさえ不透明な手当てが多くサービス残業も多いが、職場雰囲気がゆるく妙に居心地が良い企業と定義づけているようです。

表現の仕方はさまざまですが、

会社を辞めたいわけではない、年収は高くもないが社内でも評価されていて、なんとなく過ごしていれば生活できてしまうのですが、自身のスキル向上は求められないでいる

ことから「ブラック」と言う表現を用いているようです。

その生活ぶりは

「給与も上がらず、そして新たなスキルも身につかず、そもそもそんな精神的余裕も時間もない。

目の前の仕事をただたださばき続け、家に帰って酒を飲んで寝る、という単調な生活に陥ってしまう」

だそうです。

時間さえ経過すれば給与はもらえるとう考えが労働者側にある限り、「ゆるブラック企業」がなくなることはありません

つまり「ゆるブラック企業」は、雇用者側と雇われ側とが微妙に利害一致していることにより存在していると言えそうです。

「時間の切り売り」からの脱却

時間の切り売りが対価

一定の時間を拘束され、その間、与えられたことをこなしていく

時間切り売りが対価であるなら、この考えはイメージしやすいと思います。

時給アルバイトの感覚ですかね。

そして、仕事の内容が作業的であればあるほど、また、自分の考えや工夫などといったものが反映されないほど、「やらされ感」が強まり、仕事がつまらないものとなります。

今までの会社への要求は、時間給アップと時短です。

ゆとりある生活は、

・ 時間単価が高い

・ 1日の労働時間が短い

・ ある程度の収入を確保する

ことから生まれるという発想になるようです。

まさに「時間の切り売り」という意識が強まっていくように思います。

「このような好条件を労使交渉で手にできるのか」

この手の労働は、これからはAIが担うことになっていくことをどれだけの人が理解しているのでしょうか。

受動的な要素を能動的に取り組めるようにできれば、「やらされ感」は少なくなるとは言いますが、この労働へのモチベーションを高めるのは大変です。

未来ビジョンを描いて考えを変えるには相当のエネルギーが必要になってきます。

サラリーパーソンの副業促進

サラリーマンの副業

今後、サラリーパーソンの働く環境の変化として、副業促進の方向に向かっています。

会社ごとに就業規則は異なり、副業の仕方も変わってきますが、新たな労働環境を手にすることはできやすくなるでしょう。

自分をステップアップするための副業、単に実収入を増やすための副業、考え方はいろいろでしょう。

働き方、労働のあり方はさまざまですが、言えることは、

今まで長い間常識と思われていた労働のあり方が大きく変わる

ということです。

やはり労働基準法改正が視野にあるのではと思われます。

サラリーパーソンの副業緩和は、国が提供する社会保障を縮小する代わりに収入を増やす手段を開放するというメッセージがこめられているのではないでしょうか。

さらに、

「会社としても定期昇給などの給与アップの代わりに、収入確保の門戸を開くという思惑があるのではないか」

と思ってしまいます。

今までの会社との関係、会社への帰属意識もおおきく変わってくると思われます。

この変化についていけるかどうか、この変化を大いに利用できるかどうかが、これからの生き方にとって重要になってくるような気がしますね

自分のための労働

女性が働きやすい環境

労働環境の改善という観点からの働きかた改革とは、「時間のゆとり」と「女性の社会進出促進」がテーマだったかと思います。

働く時間をうまく調整して、プライベート時間を確保し、家族と過ごす時間を確保しよう

というものです。

また、

・ 女性が労働と子育てを両立しやすいように時間に自由度を持たせること

・ 「同一労働同一賃金」のもと、正規・非正規など多様な働き方での賃金格差をなくすこと

・ 経済的理由から子育てをあきらめること

をなくそうとする狙いがあったはずです。

労働のあり方を自分でコントロールできれる働きかた、一部の職種に限られますが、在宅勤務を取り入れるなどの出勤強制の緩和も取り入れられるでしょう。

とにかく労働は自分のため、受動ではなく能動的に労働のあり方を模索することが、これから求められる労働スタイルなのかもしれません。

さらにAI社会に求められるのは、付加価値を提供できる人材になることです。

業務上の問題点を自分で見つけ出し、その答えも自分で用意できる人材が求められます。

働く環境も働く意欲の持ち方も、働くということの考え方も自分で考えられることが必要になってくるのでしょう。(執筆者:原 彰宏)




《原 彰宏》
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原 彰宏

株式会社アイウイッシュ 代表取締役 関西学院大学卒業。大阪府生。吉富製薬株式会社(現田辺三菱製薬株式会社)、JTB日本交通公社(現(株)ジェイティービー)を経て独立。独学でCFP取得。現在独立系FPと して活動。異業種経験から、総合的に経済、企業をウォッチ、金融出身でないことを武器に「平易で」「わかりやすい」言葉で解説、をモットーにラジオ出演、 セミナーや相談業務、企業労組の顧問としての年金制度相談、組合員個別相談、個人の年金運用アドバイスなどを実施。個人投資家として、株式投資やFX投資を行っている。 <保有資格>:一級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP 寄稿者にメッセージを送る

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