そもそも看取り介護とは何か?

私達、特別養護老人ホーム等は「老人福祉施設協議会」に所属しています。

そこで

看取り介護とは、近い将来、死が避けられないとされた人に対し、身体的苦痛や精神的苦痛を緩和・軽減するとともに、人生の最期まで尊厳ある生活を支援すること

と定義されています。(参考:全国老人福祉施設協議会

実際、私の働く特別養護老人ホームでは55名のうち、

平成29年度で14名(16名が退所)
平成28年度で15名(18名が退所)

の人数が看取り介護を実施して、最期を迎えました。

看取り介護の実態

看取り介護の実態

看取り介護は、医師が「回復の見込みがない」と診断した時点から開始されます。

この時点で、家族の選択肢は大きく2つに分かれるようになります。

(1) 病院に移って積極的な医療を受ける
(2) 施設に入所したまま看取り介護を受ける

なかには、前々から施設での看取り介護を希望していても、実際に本人の顔を見ると、気持ちが変わり

「病院に入院させて下さい。」

と言われ、そのまま病院で亡くなられるケースもあります。

施設での看取り介護を選択した場合は、施設の各職種と病院の医師との連携を図りながら、本人らしい最期が迎えられるように支援させて頂くことになります。

人間が最期を迎える過程について

ここからは、よりリアルな現場の状態を書かせて頂きます。

人間はやはり口から栄養が入らなくなれば、非常に危険な状態になります。

口から栄養が入らないというのは、主に2つのことが考えられます。

(1) 認知症などによって食事介助をしても嚥下(飲み込み)をしない。

(2) 誤嚥性肺炎などのリスクを持ち、食事をしても食道に入らず気管の方に流れる。

これらの理由によって、食事することができなくなれば、次に排泄物に異常が出ます。

尿量が減少したり、消化不良の便が出たりします。

(勿論便自体が出ない場合もあります。)

この頃になれば、意思の疎通は難しくなりますが、聴力だけは最後まで残る能力だとされています。

少しでも水分が摂取できるようであればいいのですが、そうでなければ一気に状態が悪くなります。

身体中に酸素が十分行き渡らなくなり、手足の先端が紫色になります(チアノーゼ)。

それと同時に、呼吸にも異常が出るようになり、最後には顎を上下させながら必死に息を出したり吐いたりするのです。

このようにして最期を迎えるようになるのです。

看取り介護にかかる費用

看取り介護にかかる費用

看取り介護はできるだけの環境を整えて、それに対して取組むことができるように、看護現場では通常の料金に加えて追加料金が発生します。

この料金は施設が独自で設定しているのではなく、国の基準によって設定されているのです。

今回は私の施設の看取り介護にかかる費用をご紹介します。

上記の表に補足して解説致します。

1割負担の方の場合、医師に「看取り介護です」と言われて30日後に亡くなったとします。

すると合計の6,528円が必要になります。

もし医師に「看取り介護です」と言われて、50日後に亡くなったとしても、なくなった日から逆算して30日分しか算定できませんので、6,528円が発生することになります。

逆に医師から「看取り介護です」と言われて、7日後に亡くなったとすれば、

1,280 円 +(680 円×2日)+(144 円×4日)= 3,216 円

このような金額になります。(執筆者:陽田 裕也)