【人生100年時代シリーズ】(第4回)最近人気の「トンチン年金」は元が取れるのか?

人生100年時代シリーズ、第4回目です。

今回は「トンチン年金」についてのお話です。

ここ数年、新聞等で話題に上がることもあったので、ご存じの方もいらっしゃるかと思います。

トンチン年金のススメ

トンチンって何…?

「トンチン」とは、17世紀にイタリアのロレンツォ・トンティが考案したとされる「トンチン(トンティの)年金」からきています。

どんなものかというと、

年金保険の加入者がなくなったとき、受け取りきっていない年金を遺族に支払うのではなく、他の生きている加入者の年金原資に回す

というもの。

加入者は長生きするほど多くの年金を受け取れますが、逆に、年金受取り前や、受取開始後間もなく亡くなってしまうと、保険料は掛け捨てのような形になります

遺族への支払いを行う年金保険と比較して、1回あたりの年金金額が多くなります。

日本で注目され始めたのは最近

米国ではかなり前からこのような商品が販売されていますが、日本の場合は家族意識が強い国民性と「損するリスク」に過敏な傾向もあり、「契約者に理解されないのではないか」という懸念から、販売されてきませんでした。

しかし、人生100年時代に備える商品が必要との考えから、国内保険会社でも販売が開始され、発売当初から契約数が伸びている状況です。

取り扱う保険会社も増え、積立(平準払い)タイプ、一時払タイプ、外貨建て等、種類も豊富になってきました

自分の状況に合ったプランを考える

自分の状況に合ったプランを考える

トンチン年金は誰にでも必要な保険とは言い難いのですが、「長生きリスクに備える」という意味では最適です。

すでに100歳まで生きても安心な貯蓄や資産があれば、わざわざ掛け捨てになるリスクを負ってまで加入する必要はありません。

「このままだと80歳で貯蓄が底をつく」とか、「退職金を取り崩して老後資金に回すのは不安」という方には良い仕組みです。

退職金を原資に65歳の人が一時払タイプのトンチン年金に加入し、加入後すぐに年金をもらい始める場合、米ドル建ての商品であれば、2,000万円程度の支払いで毎年の年金がおよそ100万円になります。

終身年金なので、存命の限りずっと年金はもらえます。20年生きれば元を取れる計算です

トンチン性のない、一般的な終身年金の場合、損益分岐年齢が90歳前後になることも多いので、遺族に遺すことを考えず「自分で使う」ことを考えれば、トンチン年金のほうが元を取れる確率は高いですし、損益分岐年齢を超えて長生きすればそれだけ利益が出ていることになります。

ただし、この試算は米ドル建てで契約するタイプの場合。

当然ですが、為替リスクがあります。

米ドルのトンチン年金は、現在積立利率が3%を超えている商品が多く、円建てだとこれが0.05%程度になります。

そうなると、損益分岐年齢はもっと上がってしまうので、個人的には今契約するなら為替リスクがあっても米ドル建てが良いと思います

一時払タイプ以外にも積立タイプのトンチン年金もあります

これから資産形成をしつつ、老後に備えたい場合には月1万円でも2万円でも、少しずつでいいので積立で備えましょう。

外貨を使うのであれば積立でドルコスト平均法によるリスクの時間分散もできます

老後資金対策の一つの選択肢として考えてみるのも良いでしょう。(執筆者:鈴木 みゆき)

この記事を書いた人

鈴木 みゆき 鈴木 みゆき»筆者の記事一覧 (22)

元メガバンク勤務のファイナンシャル・プランナーです。現在は金融商品の販売を行わず、中立的な立場で幅広い顧客層へお金のアドバイスを行っています。また、これまでの経験を活かし、金融関連の記事やコラムを執筆も行っております。
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