投資「ここだけの話…」は要注意 リスク、トラブルを回避して「お金を守る」3つの鉄則

金融庁の金融審議会がまとめた報告書の「老後資金2,000万円が不足する」がひとり歩きして大騒ぎになったことで、前回、注意点を書きました。

要旨は、

「老後いくら不足するかは人によって違うので全く気にする必要はないし、自分が生涯受給できる年金がいくらあり、自分のイメージする老後生活費を確保するためには、あとどのくらい貯蓄をしていかなければならないのかをまず知ることが大切だ」

ということです。

しかし、この騒ぎの中、やはりお金のセミナーへの申し込みやマネー相談が急増したそうです。

行動を起こすのは悪いことではありませんが、セミナーやマネー相談も玉石混交であるということは知っておきましょう。

立派な会場で、おみやげやお茶とお菓子、さらに個別相談がつくような至れり尽くせりの無料セミナーほど要注意です。

セミナーを開催する目的は何かをよく考えてみましょう。

さて、今回は、「お金を増やす」こと考える前に、「お金を守る」ことが大切だということをお伝えしたいと思います。

ポイントは、自分の大切なお金を守るためには、「大きく間違えない」ということです。

そんなことはわかっていると思うでしょうが、うまい話に乗って、お金を失ってしまう人は後を絶ちません。

投資でお金を 失う前に 「増やす」より 「お金を守る」 3つの鉄則

まず避けるべきは人のリスク

皆さんも、スマートデイズの女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」のサブリース契約での被害を覚えていらっしゃるでしょう。

スルガ銀行が加担して融資を行ったことで、本来なら借り入れしにくいであろうはずのサラリーマンオーナーが急増しました。

被害者数は700人ほどで、彼らの年収は800万~1,000万円程度だそうです。

結構なニュースになりましたが、驚くことに、今もサブリース契約での不動産投資を勧めるセミナーは盛況のようです。

先日も、「不動産投資をすすめられて検討しているのですがどう思いますか」というご相談がありました。

「かぼちゃの馬車の事件、ご存じですよね」

と伺うと、

「はい。でも、勧めてくれた友人は結構儲かっているみたいなんですよね」

とおっしゃいます。

ちなみに、不動産投資とは、アパートやマンションを購入して家賃収入を得たり、売却時の値上がり益を得たりするものです。

そして、サブリース契約とは、不動産会社などが賃貸物件を一括で借り上げ、入居者の募集や賃貸管理を代行し、オーナーに家賃を保証するというものです。

たとえ空室であろうと、30年間賃料を保証するという契約ですが、約束通りに賃料が払えないケースは多くあります

先のスマートデイズも結局は破綻し、オーナーたちは借金返済不能状態に陥っています。

ご相談に来られる方の多くは、銀行で借り入れて購入し、家賃収入でローンを返済し、完済後は丸もうけという青写真を描かれています。

不動産会社が作成した不動産利回りも、空室などなく、家賃収入は途切れることのない前提で計算されています。

「濡れ手に粟」を期待しているのでしょうが、不動産投資は空室リスクをはじめ、たくさんのリスクがあります

素人が片手間でできるようなものではありません。

「友人は成功しているから」(本当にうまく行っているかどうかはわかりませんが)、「自分も」と思うようですが、不動産投資に限らず、友人や身近な人からもたらされる「耳寄りな情報」には注意が必要です。

冷静に考えれば、「そんなにうまくいくはずがない」と、リスクに思いが至るはずですが、こと顔が思い浮かぶ身近な人からの話となると、警戒心はいとも簡単に解かれ、簡単に成功するように思えるようです。

ここだけのはなし、投資で儲かっちゃってるんだよね

うまい話はない

しかし、この世にうまい話はありません。

特別に儲かる方法などありませんし、あなただけによい儲け話が転がってくることなど絶対にないのです。

「元本保証ですよ」

「必ず儲かりますよ」

「あなただけに特別にご紹介しますよ」

というワードが出たら要注意です。

詐欺の可能性がありますし、合法だとしても、明らかに不利な商品を買わされてしまう可能性があります。

考えてみてください。

儲け話をわざわざ人に教える必要がありますか。

もしかしたら、その人は、あなたが投資をすることで「仲介手数料」を受け取るのかもしれません。

自分が損した分をそれで少しでも取り戻そうとしている場合もあります。

「人からもたらされるうまい話は危ない」と頭に入れておくだけでも、大きな間違いを起こさないですみます

「あなただけに耳寄りな話」の典型的な詐欺は、「未公開株」ですが、他に

・ 太陽光発電などエネルギー関係の権利を買うもの

・ 遺伝子検査など注目されている最先端技術や医療の知的財産権へ投資を勧誘するもの

など、副業・在宅ワーク詐欺、国際ロマンス詐欺などさまざまな詐欺がありますのでお気をつけください。

人からもたらされる うまい話は危ない!!!

金融商品トラブルにも注意

違法な金融詐欺以外にも注意すべきことはたくさんあります。

今問題になっているかんぽ生命保険は、過剰なノルマが不適切販売につながったことを認めていますが、このところ、外貨建て保険など、保険をめぐるトラブルは急増しています。

販売方法に問題があるのは明らかですが、生活者の皆さんにもあらためて注意していただきたいと思います。

私も、購入した金融商品について、また、相談者のご両親等が買わされた保険や投資信託などについてのご相談を受けることが多いのですが、皆さん、どんな商品内容で、どんなリスクがあるのか理解していないで購入されています。

「すごくいいっていうから」

「一生懸命勧めてくれるから」

「とってもいい人なんです」

と、商品とは全く関係ない理由で購入されているケースも少なくありません。

購入のきっかけが「人」ですから、再度セールスを受けやすく、結果的に買い替えや売買を繰り返すことにつながります。

そうなれば、その都度、販売手数料を支払うことになりますら、当然お金を減らします

大切なお金を守る3つの鉄則

自分の大切なお金を守るためには、

(1) 内容やリスクを理解できない商品は買わないこと

(2) すぐに商品を買わないこと(商品を選ぶのはいくつかの過程を経た最後です)

(3) 正しくアドバイザーを選ぶこと

が3つの鉄則です。

(3)については前回お伝えしました通りです。

次回は、正しいお金の人生設計の5つのステップをご紹介します。(執筆者:岩城 みずほ)

この記事を書いた人

岩城 みずほ 岩城 みずほ»筆者の記事一覧 (6) http://www.officebenefit.com/

金融商品の販売によるコミッションを得ず、お客様の利益を最大限に中立的な立場でのコンサルティング他、講演、執筆を行っている。慶応義塾大学卒。NHK松山放送局を経てフリーアナウンサーとして活動後、セミナー会社等を経てFPとして独立。東洋経済オンライン、毎日新聞経済プレミア、マネー現代(講談社)、日本経済新聞社「家計のギモン」などで連載中。貯めると増やすの車座の会「C(貯蓄)リーグ」、「サムライズ勉強会」主宰。
<保有資格>: ファイナンシャルプランナー CFP® 認定者
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