今年10月から消費税増税が予定されていますが、これまで3回あった増税後に日本株が上昇していた過去の推移をご存じでしたか。

最近の株式相場は、8月に発生した米国金利の逆イールド、9月に予定されている米中貿易関税の追加措置、10月から導入される日本の消費税増税の影響を受け、低迷気味に推移しています。

しかし、10月から年末年始にかけての数か月間が、株式の「買い」タイミングになる可能性があります。

その「買い」タイミングは何か、「売り」タイミングを含めたその後の株価推移はどんなイメージかを紹介します。

【日本株】 景気後退前の「買い場」 ラストチャンスは年内 「売り」は来年夏場

2021年までの大きな流れを見る

今年2019年は年初から株価が乱高下し、日経平均は2万円台から2万2,000円台をピークに約10%の値動きしかない、正に「固まる」相場で推移しています。

まずは過去の消費増税後には株式相場が上昇していることを確認し、数年先までの株価推移の大きなイメージを予想しましょう。

そのうえで、「買い」タイミングと「売り」タイミングを掴んでいきましょう。

消費増税実施後の株式相場はどうなっていたか

1989年4月に初めて導入された消費税は3%、そこから1997年4月には5%へ、その後2014年4月には8%に引き上げられました。

しかし、過去3回の

増税時には直前まで株価が低迷するものの、導入後に株価が上昇する

ことが知られています。

増税に向けた景気対策や、増税後の消費回復を受けて企業業績も増税の影響を吸収するからです。

(1) 1989年4月

消費税導入後も株価は上昇し続け、数か月後には日経平均3万8,915円を付けるバブル絶頂期。

(2) 1997年4月

1997年1月から株価は低迷したが、増税後の4月以降に上昇へ転換。

年内には日経平均2万円を回復。

(3) 2014年4月

導入時に日経平均は1万4,000円台で半年ほど低迷したが、翌2015年に2万円台を回復する起点となった。

これら過去の推移を見ても、消費増税は導入までに株価に織り込まれ、導入後はそれ以外の要因で変動することが分かります。

今回も既に株価には織り込まれており、目下最大の課題である米中貿易摩擦の影響が、今後の株価を左右すると考えられます。

これから数年間に起きるイベントと株式推移イメージ

過去70年を超える株式相場を干支ごとの格言でまとめると、次のテーマが挙げられます。

今年2019年(亥):「固まる」
来年2020年(子):「繁栄」
再来年2021年(丑):「つまずき」

この格言をこれから数年間に起きるイベントと照らし合わせてみると、格言の重みが分かります。

2019年:
日本は消費増税の影響、世界的には米中貿易摩擦がピークになり「固まる」

2020年:
米国大統領選挙の年は米国株高、東京オリンピック開催もあり「繁栄」

2021年:
いま起きている逆イールドから見ても景気減速期に入り「つまづき」

この株式推移イメージに沿うと、

株式は今年中に、「買い」タイミング

来年中に、「売り」

再来年は、株式投資ではなく債券投資に切り替えておくスタンス

で臨むべきです。

逆イールドから景気後退期までには約1年のタイムラグがある

米国金利に変調

世界景気は、米国中心に回っています。

その米国金利は、長期投資の指標として注目されるのですが、この米国金利に変調が起きました

金利と景気の関係をまとめると、昨年までのように現状よりも将来的に景気が拡大する場合、利上げが実施され、短期金利よりも長期金利が高い状態となります(順イールド)。

しかし今年になって起きた事象は、景気低迷を踏まえ利上げが停止され、長期金利が急低下し短期金利よりも長期金利が低くなる逆イールドという景気後退に陥るシグナルだったのです。

3月には短期金利(3か月物)と長期金利(10年物)との逆転、7月には中期金利(2年物)と長期金利との逆転が起きたのです。

ただこの逆転現象が起きたことですぐに景気後退に陥る訳ではなく、実際の景気後退期に入るまでに約1年のタイムラグがあることが知られています。

つまり2020年4月以降に景気後退期に入る可能性があるのですが、東京オリンピック(8月)や米国大統領選挙(11月)の影響を考慮すると、

来年の夏までは株式投資を継続してもよい

という分析が成り立ちます。

「買い」は年内、「売り」は来年夏場を想定

過去の株価推移と今後数年間の株式推移の捉え方について見てきましたが、いよいよここから具体的な「買い」と「売り」のタイミングについて解説していきます。

「買い」のタイミング

ここまで紹介してきた大きな株式相場の流れを前提とすれば、「買い」タイミングは10月以降の年内が狙い目だと分かります。

もちろん底値は誰にも分かりませんし、後からしか分かりません。

が、しかし、1つの指標として日経平均のPBR1.0倍割れが「買い」のシグナルであることを知っておきましょう。

PBRとは株価純資産倍率のことで、8/23時点では日経平均のPBRは1.02倍となっています。

昨年末の日経平均2万円割れのタイミングでは、PBR1.0倍を切ったところで底入れし株価が上昇しました。

他にも割安を判断する指標がありますが、

PBR1.0倍を割り込んだ水準(日経平均で2万円前後)が年内にあれば、「買い」のシグナル

です。

「売り」のタイミング

次に「売り」タイミングですが、2020年の夏頃をめどに、日経平均2万4,000円付近まで上昇すれば「売り」でしょう。

その時点の企業業績にもよりますが、昨年2018年の高値2万4,000円まで戻れば、それまでマイナスだった投資家による売り注文が殺到します。

その壁を超えるほどの景気回復は、今のところ見込めず、その先に景気後退期が待っていることを考えると、2万4,000円以上の上昇を期待せず利益確定させることをおすすめします。

年内に景気後退前の「買い場」のラストチャンスあり

まずは年内に日経平均2万円辺りで「買い」、来年2万4,000円辺りで「売り」という投資スタンスを考えておきましょう。

まだ景気後退期までには時間があり、消極的にならず年内のラストチャンスに「買い場」が待っていますよ。(執筆者:中野 徹)