子育て世代を中心に話題となっている幼稚園・保育所の無償化は、実は「全ての人に教育の光を」をスローガンとした「3つの教育無償化」の1つに過ぎません。

2019年10月から始まった幼児教育無償化に続き、2020年には私立高校の無償化と大学等への高等教育の無償化が始まります

今回の記事では3つめの大学等への高等教育の無償化の詳細について解説します。

「大学無償化」

「大学無償化」の内容

大学無償化」は正しくは「高等教育無償化」と呼ばれ、大学、短大、専門学校、高等専門学校で学びたいが経済的に困難な学生に対し教育費を支援する政策です。

2020年4月より開始され、全学生の約2割もの人が対象となる見込みです。

これまで経済的に高等教育の学費工面が難しい学生は日本学生支援機構などの奨学金制度を利用することが多く、卒業後に長期間返済が続いてしまい就職後の負担が大きい事が問題となっていました

一方、今回の高等教育無償化では返済義務のない給付型奨学金と授業料減免制度による支援になるので、制度を利用することによる本人の負担は一切ありません

このうち給付型奨学金(返済の義務はない)は、自宅からの通学かどうかと通学先が私立か国公立かによって金額が異なり、最高で年間91万円の給付を受ける事ができます

もう1つの授業料減免は入学金と授業料をそれぞれ免除されるもので、入学金は最大28万円、授業料は最大で年間70万円もの額が免除されます

この制度により国公立は入学金と授業料がほぼ全額免除となります。

私立の場合は学校によりもともとの授業料が異なるので一概には言えませんが、大方7割程度は免除となる見込みです。

通学先の学校によって細かく規定されているので文部科学省のホームページで確認してみてください。

対象になる学生

大学無償化の対象となる世帯は幼児教育や高校無償化よりも厳しい基準が設けられており、年収380万円未満の世帯に限られます。

さらに資産についても基準があり、生計維持者が1人の場合は1,250万円未満、2人の場合は2,000万円未満と定められています。

また、年収380万円未満の世帯の中でも年収270万円以上の世帯ではそれぞれ所得額に応じて支援が減額されます

学生自身の学業成績や学習意欲に関する規定もありますが、高校在学時の成績で否定的な判断をしないと記載されています

実際に評定平均値が足りていなくてもレポートや面談などにより学習意欲が認められれば良いとされており、門戸は広いと考えられます。

それよりも大学等への進学後の成績や出席状況について厳しい要件が定められており、次のいずれかの場合に受ける「警告」を連続で受けた場合には支援を打ち切られてしまいます

1. 修得単位数が標準の6割以下の場合

2. GPA(平均成績)等が下位4分の1の場合

3. 出席率が8割以下など学習意欲が低いと大学等が判断した場合

大学無償化は消費税率引き上げによる財源で賄われることもあってか、進学後の勤勉さが重要な審査基準とされているようです

対象になる学生や学校はどこ

対象になる学校

対象となる大学、短大、専門学校、高等専門学校にも細かい要件が定められており、経営に問題がなく十分な教育体制が整っている学校に限られています。

現段階で対象とされている学校のリストが公開されているので、行きたい学校が含まれているかどうかは文部科学省の公式資料より確認してみてください。

手続きの時期

大学無償化の対象は新入生だけではなくすでに進学している在学生も対象となります

在学生の場合は自らインターネット上でのJASSOへの申込と通学中の大学等による学習状況の申告等が必要になりますので、詳細な手続きは各大学等の学生課に相談してみてください。

新入生、つまり今後進学する学生については高校在学中に申込が必要になります

7月頃にインターネット上でJASSOへの申込を行いますが、評定や状況に応じてレポート、面談等が必要となりますので進路相談の先生に事前に相談しておくとスムーズかもしれません。

審査結果の通知は12月頃に高校へ届く予定となっており、進学後には無事進学した旨をJASSOへ届け出る必要があります。

授業料等の減免については進学後に進学先の学校で手続きが必要となるので注意が必要です。

制度を取り入れ、教育費を試算

日本経済の停滞や少子化の流れを受けて、生涯出費の大きなウエイトを占める「教育費」の軽減に向けた対策が始まってきました。

大学無償化は幼児教育や高校の無償化と比べると対象範囲が限られており、進学後の学習状況についても厳しい要件が課せられています

それでも学習意欲があるにも関わらず経済的な事情で進学を諦めていた学生や、教育費の負担を理由に子供を持つ事を悩んでいた家庭にとっては希望の光となるかもしれません。

3つの教育無償化によってキャッシュフローが大きく変わる家庭もあると思いますので、ぜひそれぞれの制度を取り入れて教育費を試算し直してみてください。(執筆者:島村 妃奈)

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