高利回り債券には要注意 避けるべき債券投資のポイント

10月の消費増税以降も、年初来高値を更新する日本株式市場ですが、「不景気の株高」とも言えるこの株高環境は、長くても来年2020年までとの見方が多くなってきました

そこで先読みして債券へ投資することを検討される方へ、債券にも質の違いがあることを理解いただき、利回りの高さだけに惑わされない投資のポイントをご紹介します。

債券投資で失敗しないポイントとは

高利回り債券には要注意 避けるべき債券投資のポイント

株式投資から債券投資にシフトすることが、景気後退を見据えた投資手法の1つです。

ただし債券にも違いがあり、景気サイクルに合わせた商品選びが大切になってきます。

資産防衛のためにも、失敗しない債券投資のポイントを考えてみましょう。

債券のおさらい

債券とは満期までの利金を付けて償還日に元本が戻ってくることを、発行国・企業が保証する金融商品です。

日本国債であれば、0.05%の利金を付けて10年後に元本が戻ってくることを、日本国が保証する金融商品です。

ここで投資のポイントになるのが、

・ 償還日までの期間

・ 発行企業の財務健全性


です。

償還日まで保有すれば元本が戻ってくるとは言え、期間が5年超となる場合は途中解約も視野に入れて投資する必要もあることから、途中解約時の価格変動にも注意が必要です。

景気後退がささやかれる今の投資環境では、発行国・企業の財務健全性を現す「発行体の格付」が投資の最重要ポイントとなります。

格付の違いによる債券2つの分類

債券には格付により、2つの分類があります。

1. 高格付の国・企業が発行する「投資適格債」

2. 格付が低い国・企業が発行する「ハイイールド債、またはジャンク債」

同じ投資期間であれば投資適格債は金利が低く、ジャンク債が高くなります

発行国・企業の財務健全性=格付により、信用度が低いと金利が高くなる仕組みです。

景気が不況から景気回復期に入る時は、格付が低い国・企業でも財務健全性が改善するのでハイイールド債・ジャンク債へ投資することが推奨されます。

しかし現在のように景気後退が見込まれる環境では、健全性の高い投資適格債への投資が推奨されます。

また既にハイイールド債・ジャンク債への投資をしている方は、売り時を検討するタイミングでしょう。

2019年に起きた景気後退前に現れる現象(米国)

景気後退前に現れる現象

既に景気後退が意識され、世界各国が金利を引下げ、景気後退に陥らないような対策を取っています。

世界経済の中心である米国も、2回に渡る金利引下げを実施しました。

その米国では、リーマンショックによる不景気に陥った際にも見られた景気後退前に現れる現象が、今年に入って既に起こっているのです。

2月:短期と長期の金利が逆転する逆イールド

9月:銀行間のレポ金利が10%を越え急上昇

10月:ISM製造業指数が50を切る

10月:We Workが上場撤回、IPO企業の株価が上場価格を下回る

世界中の金利低下による低格付金融商品の危険度アップ

景気後退のシグナルが発生しているにもかかわらず、株高となっているのは世界的な金利低下が影響しています。

信用度の低い国・企業にも、金利低下による余剰資金が流れ込み、延命治療されている国・企業が存在し、それらに投資する投資信託や債券、金融商品が高金利をうたい文句に販売されています。

特に債券発行の裏付けとして、何かしらの担保がない場合は要注意です。

住宅ローンや自動車ローンの貸付金を裏付けにしたMBS、CLOと呼ばれる担保ローンであっても、景気後退となれば不良債権が増え敬遠される環境となります。

ましてや私企業の無担保社債でその発行企業の格付けが低いとなれば、

保有期間中の価値は低下し、満期償還で元本が戻って来る確率さえも低下することは過去も経験してきた流れ

です。

これからの債券投資で考えるポイント

リーマンショックから約10年が経過し、景気サイクルで考えると現在は景気低迷期であると思われます。

・ 来年2020年には本格的な景気後退が始まることを前提とした場合、これから債券投資を始めるには「投資適格債」がお勧めです。

・ 国内の国・企業の債券(またはそれらに投資する投資信託)が先ず挙げられ、預金金利より高い利回りを求める方にはお勧めです。

・ マイナス金利の影響で投資魅力が低いと思われる方は、投資適格債の外国債券に円ヘッジを付けた投資信託がお勧めです。

この投資手法は、日本の年金運用を担っている年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が投資割合を増やす手法と同じです。

利回りだけを注目した投資には注意

個人投資家として、儲かる金融商品に投資したい気持ちは理解できますが、「リスクとリターンは表裏一体」であることを思い出し、景気後退を見据えて慎重姿勢で資産防衛を進めましょう

特に銀行やゆうちょ銀行から勧められる投資信託は、現在の配当利回りが高いものの、将来の元本下落が心配される商品もあります。

生活資金の一部を賄うために配当金を目当てにしている方は少ないと思いますが、利回りだけを注目した投資には注意が必要です。(執筆者:中野 徹)

この記事を書いた人

中野 徹 中野 徹(なかの とおる)»筆者の記事一覧 (55)

1970年生まれ。大学卒業後、銀行・証券・保険と金融3業態全てにおいて勤務経験を持ち、実務経験を踏まえた客観的なアドバイスに強みを持つ。お金にまつわる専門知識を分かりやすく、販売側の都合を排除したポイントを解説していきます。趣味は料理とアメリカンフットボール観戦。
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