筆者は、青春18きっぷのシーズンが来ると無性に旅をしたくなります。
しかし、「青春18きっぷって何?」と疑問に思う方もいるでしょう。
簡単に言えば、5回分乗り放題の切符です。
今回は、青春18きっぷのお得な買い方・使い方・売り方を紹介しましょう。
目次
そもそも「青春18きっぷ」って何?

「青春18きっぷ」とは、JRの普通列車・快速列車が乗り放題となる切符です。
青春18きっぷという名前ですが、利用するのに年齢制限は一切ありません。
1万2,050円で販売されており、1日乗り放題を5回分利用が可能です(1回あたり2,410円相当)。
使う際は、駅員さんにハンコを押してもらい、降りる際には駅員さんに切符を見せて有人改札を通ります。
1人で5日間乗り放題でも構いませんし、5人で1日乗り放題でも構いません。
利用期間内であれば、連続5日間でなくても飛び石的に5日間利用してもOKと、使い勝手はかなり良いです。
ただし常に購入・利用が可能なわけではなく、以下のように発売期間・利用期間が決まっていますので、注意しましょう。
発売期間:2月20日~3月31日
利用期間:3月1日~4月10日
【夏季】
発売期間:7月1日~8月31日
利用期間:7月20日~9月10日
【冬季】
発売期間:12月1日~12月31日
利用期間:12月10日~1月10日
以下では青春18きっぷで得をするべく、お得な買い方・使い方・売り方を紹介しましょう。
青春18きっぷをお得に購入する方法

青春18きっぷは、JR各社のみどりの窓口・一部券売機・旅行代理店などで販売されています。
普通に購入する場合は販売価格に違いがありませんので、支払い方法がお得になるカギです。
青春18きっぷの購入には各種クレジットカードが利用可能なため、還元率の高いクレジットカードを選ぶといいでしょう。

おすすめは、SuicaチャージやJR東日本の乗車券などの購入でJREポイントが1.5%還元される「ビューカード」です。

キャンペーンを狙うなら、新規入会で2020年4月10日までのクレジット払いが最大15%還元される「イオンカードセレクト」もいいでしょう。
2020年春季の青春18きっぷに間に合います。
イオン利用者は持っておきたい:イオンカード(WAON一体型)
5回分使い切れない場合は金券ショップ・ネットオークションで買うのもあり
と感じている方は、金券ショップ・ネットオークションも検討してください。
駅前に多く立地していて便利な金券ショップですが、青春18きっぷは人気商品であり、売り切れていることも少なくありません。
また、金券ショップでの販売価格は2,410円/回の定価よりも結構高いので、注意しましょう。
ネットオークションの場合は、金券ショップよりも1回あたりの販売価格が安い傾向があります。
ただし発送も含めた取引に時間がかかるため、すぐに旅行したい人向きではありません。
また、金券ショップ・ネットオークションのいずれにも言えるのが、「レンタル」と「買取」の2種類がある点で、特にレンタルは注意が必要です。
「レンタル」とは必要回数分を指定して購入できるサービスで、回数を余らせるリスクが少ないメリットがあります。
ただし、レンタルは買取と比較して1回あたりの販売価格が高いだけでなく、来店や郵送などで期日内に返却しなければなりません。
青春18きっぷをお得に使う方法は?
次に、青春18きっぷをお得に使う方法を紹介しましょう。
青春18きっぷは1回あたり2,410円ですので、2,410円(往復ならば片道1,205円)以上で得をする計算です。
片道ならば東京~富士(静岡)、往復なら東京~二宮(神奈川)で元が取れます。
中には、普通だと1万3,000円以上かかる東京~小倉(福岡)を普通列車のみで行ったり、東京~大垣(岐阜)間を走る深夜快速に乗車したりする「ツワモノ」もいるようですが、体力に自信がないとできません。
青春18きっぷにはお金だけではないお得があるので、以下では金額以外のお得を中心に紹介しましょう。
交通系ICでは面倒な区間も青春18きっぷならば楽チン

交通系ICでは面倒な区間も青春18きっぷならば楽に通過できます。
例えば、同じ静岡県内の熱海から沼津に行きたいとしても、熱海はJR東日本、沼津はJR東海の管轄と別会社です。
異なる会社の管轄の駅を行きたい場合はそのままICカードで通過できないため、一度降りて清算しなければなりません。
ところが、青春18きっぷはJR各社で共通のため、一度改札を出なくても一気に行けるのです。
また、交通系ICが利用できないJRの路線ではICで下車ができないため、一度精算をする必要がありますが、こちらも青春18きっぷならば、全く問題ありません。
気になった場所へも途中下車し放題

気になった場所があれば気軽に途中下車できるのも、青春18きっぷの醍醐味でしょう。
普通の切符は、途中下車をするとその先の区間が無効になりますが、青春18きっぷは途中下車し放題です。
群馬県にある「モグラ駅」としても名高い土合駅なども、青春18きっぷのシーズンには途中下車する人が多いです。
SLにも乗れる

追加料金を支払えば、青春18きっぷでSLにも乗車可能です。
群馬県を走る「SLぐんまみなかみ」は、520円の指定席料金を支払って高崎~水上間を運行しています。
ノスタルジックな雰囲気に浸れお子さんにも人気ですが、運行日が限られているので注意が必要です。
電車以外の乗物に乗ろう
基本的には列車にしか乗れない青春18きっぷですが、例外的に列車以外の乗物に乗れます。

広島県の本土側にある宮島口と厳島神社のある宮島を結ぶ「JR西日本宮島フェリー」は、青春18きっぷで乗ることができます。
片道180円と安いですが、切符を買う手間がないのがいいです。

宮城県の気仙沼線は、東日本大震災からの復旧途上であり、仮復旧という形でバスによる高速輸送システム(BRT)を運行しています。
こちらも青春18きっぷで乗車できますので、被災地を応援する意味でも乗ってみてはいかがでしょうか。
JRホテルグループで割引を受けられる

意外に知られていませんが、JRホテルグループに宿泊の際に青春18きっぷを提示すると、割引料金(基本室料の10%オフ程度)で宿泊できます。
JRホテルグループは、何といっても駅直結または最寄りにありますので、利便性は抜群です。
青春18きっぷをお得に売る方法
青春18きっぷを買ったものの使いきれない場合は、賢く売りましょう。
ここでは、青春18きっぷをお得に売る方法を紹介します。
残り回数が少ないほど高単価
「残り回数が多いほど高く売れる」と一般的には考えてしまいますが、青春18きっぷに関しては逆です。
例えば、残り回数が4回のきっぷより、残り回数が1回のきっぷの方が単価は高くなります。
利用者は1~2回分だけ使いたいという人がほとんどですので、残り回数が少ないきっぷはまさにそのニーズに合致します。
買う際と同様、ネットオークションや金券ショップでも青春18きっぷを売れますが、残り回数が3回以上の場合、買取すらしてくれない金券ショップも多いので注意しましょう。
一般的に、ネットオークションで売る方が金券ショップより高単価です。
ネットオークションならば「レンタル」も視野に
ネットオークションで青春18きっぷを出品者として売る際は、買う際と同様に「レンタル」と「買取」の2種類を選択できます。
より高単価が狙えるのは「レンタル」のほうで、金券ショップでは買取してくれない残り回数の多いきっぷも、1回ずつレンタルしていけば売り切り可能です。
ただし、ネットオークションでレンタルを希望する際には、きっぷそのものやメッセージのやり取りに細心の注意を払いましょう。
レンタルの場合は
・ いつまでに使いたいか
・ いつまでにきっぷを返却してくれるか
・ 往復の送料はどちらの負担か
をしっかりと決めておかないと、後々トラブルになるからです。
郵送でのやり取りは時間がかかる傾向にありますので、郵送に要する期間も考慮に入れて期間設定をしてください。
青春18きっぷの注意点
最後に、青春18きっぷの注意点をいくつか紹介しましょう。

乗れるのは基本的にJRの普通列車・快速列車のみ
青春18きっぷで乗れるのは、JRの普通列車・快速列車で、他社の列車には基本的に乗れません。
また、JRの列車でも特急・新幹線には基本的に乗れませんので、注意しましょう。
自動改札を利用できない
青春18きっぷは自動改札機に対応していないので、青春18きっぷは有人改札を通る必要があります。
シーズンには有人改札が混雑しますので、余裕を持って行動しましょう。
グループ利用の場合は同一行程が原則
1枚の青春18きっぷを複数人で使用する場合、グループは同一行程を利用する必要があります。
例えば、3人のうち2人が改札外に出て、1人が改札内にとどまるということはできず、3人は必ず同じ工程をとらなければなりません。
途中から合流するという場合も同様です。
小学生が利用する場合も同額
小学生が列車を利用する場合は大人の半額で利用できますが、青春18きっぷは小学生でも同額です。
「小学生2人だから青春18きっぷは大人1人分」ということはありません。
1回あたり2,410円の青春18きっぷを小学生が利用する際は、4,820円以上利用しないと損になりますので、普通に子供料金で乗車することも検討してください。
どうお得になるかは利用者次第
青春18きっぷは、1万2,050円で対象期間中に5回分乗り放題という夢のようなきっぷです。
コスト面では非常に優れているきっぷなだけに、新幹線に乗れない、自動改札を使えないなどの制限はありますが、それを差し引いてもお得になります。
ただし、何を「お得」とするかは人によって異なり、
・ 列車以外にも乗りたい
・ 気の向くままに旅をしたい
などさまざまです。
青春18きっぷをお得に買って、使って、使いきれなかったら売って、有意義な旅をしてください。(執筆者:角野 達仁)