「高額療養費制度の申請」って、ややこしく感じます。

漢字が多い公的制度は、名前を聞くだけでなんとなくややこしそう。

「実は、高額療養費制度の申請は5ステップで完了します。」

「え! それだけでいいの?」

私がFPとしてお客様とずっと交わしてきた会話です。

高額療養費制度についてはわかったけど、「いざという時どうするのか」がよくわからない。

という声を、よくお客様から聞いていました。

いざという時に役に立たないと意味がない」です。

そこで、今回は

・ 高額療養費制度の基本の申請方法とは
・ 高額療養費制度の申請の「超具体的申請手順5ステップ」
・ 申請についてよくある質問

について、FPとして18年間お客様の保険見直し相談を受けてきた私がお届けします。

高額療養費制度を申請する方、保険見直しを検討されている方は、参考にしてください

「高額療養費でいくら戻るのかを知りたい方」は下記の記事をごらんください。

※本文中の公的医療保険とは、加入している健康保険組合・全国健康保険協会・市町村(国民健康保険・後期高齢者医療制度)・国保組合・共済組合のことを指しています。健康保険証の表面に記載してありますので、ご確認ください。

この記事の内容は2020年1月現在の情報です。

「高額療養費制度」の 申請方法

高額療養費の基本の申請方法 5ステップ

高額療養費の基本の申請方法は、「いったんは払って後から返してもらう方法」です。

つまり、医療機関の窓口で「自己負担分の全額」を支払い、あとから「高額療養費の支給額を口座に振り込んでもらう」申請方法です。

事後申請と呼ぶこともあります。

高額療養費制度の申請は5ステップで完了します。

手順は5ステップ

(1) 高額療養費の支給対象かどうかを見極める(判定3パターン)
(2) 公的医療保険に申請方法を問い合わせる
(3) 書類が送られてくる(またはPCからのダウンロードを指示される)
(4) 書類を記入する・領収書を求められた場合はコピーを作成し添付 → 郵送する
(5) 口座に振り込まれたことを確認する

それぞれ具体的にお話します。

1. 高額療養費の支給対象かどうかを見極める

高額療養費は世帯(同じ公的医療保険に加入している家族)ごとに


ひと月(月の初めから終わりまで)の間に

適用区分ごとに決まった上限額を超えて自己負担を支払った場合にその超えた部分について公的医療保険から支給される制度です。

【支給イメージ】


≪画像元:厚生労働省(pdf)≫

高額療養費の支給対象に該当するかどうかの見極めには3パターンがあります

パターン(1)

1回の大きな入院・手術などで上限額を超えるパターンです。

パターン(1)はとてもわかりやすいです。

その入院で支払った金額をそのまま当てはめれば該当かどうかを判定できます。

パターン(2)

1人で複数の医療機関にかかり、合算すると超えるパターンです。

パターン(2)は「短期の入院と通院治療費を足したら超えていた」などの場合で月末近くになってわかるケースもあります。

パターン(3)

同じ公的医療保険に加入している家族の医療費を合算すると超えるパターンです。

パターン(3)は、「世帯合算」をした場合です。

各世帯によって「世帯合算」の金額や条件が違います

「今月我が家は医療費が高いな」と感じた方は、加入している公的医療保険に問い合わせることをオススメします。

3つの内どれかのパターンで、「高額療養費の支給対象になる」と見極めがついたら、実際の手続きに移ります。

高額療養費の支給対象になるか確認

2. 公的医療保険に申請方法を問い合わせる

加入している公的医療保険に電話で問い合わせます。

電話番号は、加入している公的医療保険ごとに異なります。


≪画像元:厚生労働省

インターネットで申請について調べられる公的医療保険もあります

問い合わせるときに必要なもの

手元に、健康保険証、病院の領収書、聞きたいことをまとめたメモ、聞いた内容を書くメモを用意しておくとスムーズです。

連絡して何を聞くのか

自己負担の上限額を超えているかの確認と申請方法について問い合わせます。

問い合わせは時間によって電話がつながりにくいときもあるので、1回の電話で疑問点が解消できるようにいろいろ聞いてみるのがオススメです。

加入している公的医療保険から連絡をくれることがある

公的医療保険によっては

・ 「自己負担の上限額を超えていますよ。支給されますよ。」と連絡をくれる場合

・ 自動的に給与口座に高額療養費を振り込んでくれる場合

などもあります。

筆者が帝王切開に入院した際には、加入している健康保険組合から自動的に入金されました。

自動入金の場合は電話で問い合わせたときに、「自動で入金されます」と流れを説明してもらえるので、3以降の手続きは不要です。

3. 書類が送られてくる

公的医療保険に連絡をすると次の指示をくれます。

PCからのダウンロードを指示されても、家にプリンターがないと伝えれば用紙を送ってくれます

4. 書類が送られてきてからの流れ

書類を記入し、領収書を求められた場合はコピーを作成し添付してから郵送します。

・書類の記入 → 見本や指示を見ながら記入します。押印が必要な場合もあります。

・「領収書」 → 添付を求められたら、コピーして写しを送ります。

うっかり原本を送ってしまうと、後から必要になって困ることがあるので注意が必要です。

「領収書」は必ずコピーを送ること。

もし原本の提出を求められたら、返してもらえるかを確認することが大切です。

5. 口座に振り込まれたことを確認する

手続きの後3か月ほどで(公的医療保険による)振り込まれますので、確認します。

ここで金額などに不明点があれば、再度問い合わせます。

高額療養費制度申請のよくある質問

疑問にお答えします

高額療養費制度の申請について、よくある質問です。

申請してからどれくらい待てば振り込まれるのか

申請に期限はあるか

それぞれお答えします。

申請後、どれくらい待てば振り込まれるか

振り込まれるまで3か月以上はかかります

本当なら、すぐにでも振り込んで欲しいところですが最低3か月はかかります。

なぜなら、医療機関から各公的医療保険に個人の医療費データが届いて整理されるのに、時間がかかるためです。

例えば、公的医療保険から自動で振り込まれる場合でも、筆者が6月に入院した分の支給が振り込まれたのは12月でした

大きな病院ではクレジットカードで医療費を支払う場合もありますが、引き落とし日には間に合わないので注意が必要です。

申請期限

申請期限は2年です。

2年前までなら、さかのぼって申請ができます

2年とは、厳密にいうと「診療を受けた月の翌月1日から数えて2年」です。

例えば、2019年6月分に払った医療費について申請する場合、2019年7月1日から数えて2年なので、2021年6月末日までという数え方になります。

2年と長めの期限がありますが、できるだけ早めに申請を済ませておくと安心です。

また、過去に高額な医療費を払った記憶があるという場合は、加入している公的医療保険に問い合わせることをオススメします。

高額療養費の申請方法を知っておくと安心

「高額療養費制度」は高額な医療費負担を助けてくれます。

いざという時のために、申請の流れを知っておくと安心です。

次回は、高額療養費制度の注意点について、お話します。(執筆者:安藤 環)