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株価暴落時に仕込むべき「高信用倍率銘柄」 タイミングは「理論株価からの乖離値」で判断、注意点も解説

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株価暴落時に仕込むべき「高信用倍率銘柄」 タイミングは「理論株価からの乖離値」で判断、注意点も解説

今回は、株式市場が暴落した際に注目すべき銘柄について、信用倍率の高い銘柄に着目して解説していきたいと思います。

株価暴落時に仕込むべき「高信用倍率銘柄」

NYダウは過去最大の下げ幅を記録

コロナウイルスの世界的拡大を受けて、NYダウは2月13日に2万9,586ドルの高値を更新した後に2月28日に一時2万4,690ドルまで暴落しました。

WHOが、コロナウイルスが世界規模で大流行する危険度を最高レベルの「非常に高い」に引き上げたため、世界経済の大幅な減速が懸念されているのです。

もう1つの下落要因が、現在行われている米大統領選に向けた民主党候補指名争いにおいて、左派のサンダース氏が最有力候補となったためです。

同氏は、学生ローンの全額免除、富裕層や企業への増税策を打ち出しているため、市場はネガティブに反応したのです。
 

株価急落時に下げ幅が拡大する銘柄

前述の要因によって株式市場は数日で大幅に下落しました。

機関投資家による売り仕掛け、ネットの高速取引による日中値幅の拡大などさまざまな要因が絡み合った結果ですが、注目すべきは信用取引による追証回避のための投げ売りです。

個別銘柄ごとの株価騰落率を見ても信用倍率が高い水準にある銘柄ほど、その下落率は大きくなっており、信用倍率はこの数日で大幅に低下しています。

このように、

急落時にまず注意しなければならないのが、高信用倍率銘柄の値動きであり、真っ先に売却を検討しなければならない

のです

高信用倍率銘柄の需給回復に注目

前述の通り、高信用倍率銘柄の下落率は非常に高く、企業業績から考えられる理論株価から大幅に乖離し始めています。

株式投資では、

叩き売られている銘柄を安い水準で買い、株価が上昇したタイミングで売却することが基本戦略

です。

2018年末の相場環境を見ても、その当時市場全体の信用倍率は過去最高水準にまで膨らんでいたため、ハイテク株を中心に年末年始の損益通算最終日に向けて「追証回避のための売りが売りを呼ぶ負のスパイラル」が形成されました。

しかし、その後は、信用取引の需給の改善、企業業績の底打ち観測からハイテク株中心に株価は急上昇しています。

そのため、

追証回避のため仕方なく売却されている銘柄を選別し、投資することが暴落時の有効戦略の1つとなり得る

のです。

ハイテク株を中心に株価は急上昇

高信用倍率銘柄に投資する際の注意点

では、高信用倍率銘柄に投資する際に注意すべきこととは何でしょうか。

注意点1:需給回復時期をヒストリカルから読み解く

通常時において、信用倍率の高い銘柄は株価が少し上昇に転じるとすぐに売られてしまうため、期待した運用成果を想定した期間で得ることができないというデメリットがあるのですが、株価急落時にはそのデメリットがメリットに一転するのです。

しかし、このような銘柄への投資は、一歩間違えれば目先の損失に繋がる可能性があるために投資タイミングが非常にシビアになります。

そこで重要となってくるのが、

需給の回復時期がいつ来るのかを予想することであり、ヒストリカルからある程度予想できる

のです。

特に注目すべきは、

「制度信用(半年期日)の信用倍率」であり、いつの時期から信用倍率が上昇し始めているのかを読み解き、そこから半年後の期日を狙って投資する

ことが重要です。

注意点2:分散投資を心掛ける

急落相場で手元資金を一気に消費すると目先の損失に繋がる可能性が非常に高いので、投資判断をくだす際には十分に注意する必要があります。

そこで重要なのが、時間分散で対象銘柄を買い下がっていくことです。

私の場合には、

買い付けた時から5%以上下落する毎に買い増し、これを3回に分けて分散

しています。

この範囲は投資家ごとに異なり、銘柄によっては分散回数を増減する必要がありますので慎重に検討するようにしましょう。

理論株価からどれだけ乖離しているか見極める

投資対象の銘柄がどれだけ理論値から乖離しているのかを導き出すのも高信用倍率銘柄に投資するうえで重要です。

この計算には、「PER(株価収益率)」と「PBR(株価純資産倍率)」を用いた手法の2種類が存在します。

(1) PERを用いた理論値計算法

PERを用い理論値を導き出すには次の式を用います。

ここで重要なのが、現在のPERを用いるのではなく、過去数年間の平均PERを用いる点です。

これもヒストリカルから導き出すことができるので、理論価格はあくまでも平均値から求めることを押さえておきましょう。

理論価値 = 平均PER × EPS(1株当たり利益)

(2) PBRを用いた理論価値計算法

PBRから理論値を計算する手法は、現在の株価をPBRで割ることで求められます

これによりPBRが1倍の時の理論値を求めることができ、底値予測に用いることができるのです。

BPS(1株当たり純資産)= 株価 ÷ PBR


買付タイミングを慎重に判断

株式投資のタイミングは対象銘柄が叩き売られた時であり、株式市場が暴落した時ほど信用倍率が異常に高い銘柄に注目することで勝率を高めることができるのです。 

しかし、一般的に高信用倍率銘柄への投資はリスクを伴うため、その買付タイミングは前述のポイントを踏まえたうえで慎重に判断するようにしましょう。(執筆者:白鳥 翔一)

《白鳥 翔一》
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白鳥 翔一

大学院にて化学を専攻し、現在某証券会社にて働いている現役の証券マンです。周りに流されない独自の投資理論で営業活動をしており、そこで得た経験を生かしてライターとしても活動しています。 寄稿者にメッセージを送る

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