※本サイトは一部アフィリエイトプログラムを利用しています

注目記事

【企業型 確定拠出年金】多くの従業員が知らない制約&問題点。損をしないために注視すべき点

税金 年金
【企業型 確定拠出年金】多くの従業員が知らない制約&問題点。損をしないために注視すべき点

企業型確定拠出年金制度(以下、確定拠出年金制度)は、採用する企業が年々増加しており老後の資産形成として普及が進んでいます。

しかし、普及が進んでいるとはいえ、この制度に潜んでいる問題点や制約などの「本当のところ」が語られることは多くありません。

そこで、まずは確定拠出年金の「本当のところ」を皆さんに知ってもらい、問題意識を持って制度を利用していただきたいと思います。

企業型確定拠出年金の加入者が注視すべき点

なかなか進まない投資教育

会社は、加入している従業員が「投資の仕組みを知らなかったがために」不利益を被ることがないよう、一定期間ごとに確定拠出年金に関する教育を実施する責任を負っています。

ところが、実際にはこの教育がおろそかにされているケースが少なくありません。

それはどうしてでしょうか。

ひと言でいえば、確定拠出年金制度に詳しい担当者が不足しているからです。

教育用資料は持っていても活用されていなかったり、入社時に最低限の資料を渡すだけで説明はない…

そのようなことが、上場会社の現場でさえ起きています。

掛け金の運用も手続きも個人で行うものなのに、そのための知識が伝えられていない」のです。

自己防衛の必要性

このような状況ですから、まずは現状、加入者は情報不足にあるので自己防衛が必要だという認識をもつ必要があります。

確定拠出年金は自己防衛が大事

もっとも、基本的な運用アドバイスであればインターネットで容易に調べることができますし、こちらマネーの達人でも紹介されていますので、それらを参考にすることでひとまずは足りるでしょう。

参考記事:【確定拠出年金「iDeCo(個人型)」「DC(企業型)」】 で元本保証型の商品を選んではいけない理由をわかりやすく解説

会社が選んだリストの中からしか投資できない

確定拠出年金は、加入している従業員個人が、毎月の掛け金を、運用管理機関(会社が委託している信託銀行など)が提供している金融商品を購入するという形で投資して、そこから生み出されるリターン(運用益)を老後の資産として積み重ねていくものです。

ところが、「自由な投資はできず、リターンには限界がある」ことはあまり語られません。

会社が確定拠出年金を採用する際に定めるルールブックである「年金規約」に基づき、運用管理機関が取り扱う商品の中から会社が選んだ一定の商品リストが示され、その範囲でしか投資できないからです。

例えば、リターンの大きい金融商品に投資したいと考える従業員がいても、会社が採用した商品リストに存在しなければ投資できません

加入者に不利な商品ラインアップになっていないか

また、

「投資に関する手数料が割高かどうか」

も問題です。


ごく簡単にいえば、毎月の掛け金で金融商品を購入する際に手数料が差し引かれるのですが、これが割高なものしか会社が提示した商品リストに挙げられていない可能性があります。

より低コストで着実にリターンを狙えるような優良な商品が選べないことは、加入者にとって不利といえますが、会社が商品リストの見直しをしてくれないと改善されないので、残念ながら加入者個人で対応できる事柄は多くありません

投資信託手数料から分かる会社の姿勢

しかし、まったく何もできないということでもありません。

2019年からは、運用管理機関のホームページで金融商品の一覧が見られるようになったので、

自社の運用商品より低コストで優良な金融商品が取り扱われているかを、容易に確認できます。

これにより、少なくともご自身がお勤めの会社の取り組み姿勢が分かります。

例えば、自社の運用管理機関である信託銀行のホームページを確認したところ、より低コストで優良な商品が数多く掲載されているにも関わらず、自社の商品リストには全く入っていない場合自社の取り組み姿勢は消極的である可能性があるといえるでしょう。

確定拠出年金の商品リストチェック中

年金規約の見直しを見逃さない

会社には運用商品の選定などに関して、従業員の利益を尊重するべき法的義務が定められています。

最近は確定拠出年金法の改正などもあり、大企業を中心として徐々にではありますが、運用管理機関を再評価し、商品ラインアップを刷新する動きが出てきています。

商品ラインアップの見直しは「年金規約」の改定に伴い行われます

そして規約改定は何らかの形で社内に周知されますので、その情報を見逃さないようにしましょう

確定拠出年金は、会社の人事制度のひとつと位置付けられており、多くの会社が4月に新年度を迎える際に、人事制度の見直しの一環として「年金規約」を改定することが考えられますので、注意しておくとよいでしょう。

普及が進む確定拠出年金ですが、実際の制度運用に関しては、まだまだ過渡期にあるといえます。

そのことを十分に知っていただき、今後の変化に注目していきましょう。(執筆者:今坂 啓)

《今坂 啓》
この記事は役に立ちましたか?
+0

関連タグ

今坂 啓

今坂 啓

社会保険労務士試験に合格後、企業の人事労務担当として、最前線で“実際に活きる知識”を深める傍ら、ライターへ活動を展開中です。専門的な知識も多い分野の中から、日常生活に関わるお金の問題を分かりやすくご紹介していきます。 寄稿者にメッセージを送る

今、あなたにおススメの記事

特集