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【株価】日本企業が年内V字回復する「2つの根拠」と売上50%減でも利益が出る「企業ベスト3」

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【株価】日本企業が年内V字回復する「2つの根拠」と売上50%減でも利益が出る「企業ベスト3」

新型コロナ感染拡大が止まらない4月、企業業績悪化も現実的に深刻となってきました。

感染に歯止めがかからず長期戦となった場合を想定すると、今年前半の経済停滞はもちろん、企業の売上はどのくらい減少してしまうのでしょうか。

飲食店やホテルの一部では前年比の10%程度しか月間売上高がないケースも見られ、米国ではあのDEAN&DELUCAが経営破綻しましたよね。

しかし、日本の企業はリーマンショックや東日本大震災を経て、それらの教訓を得て、世界でも有数の財務体質を形成してきました。

ここでは2008年リーマンショック時の景気後退期をベースに、今の「日本企業が年内V字回復できると思う根拠」と「売上が50%減少しても利益が出る企業」を紹介します。

日本企業が年内V字回復する「2つの根拠」と売上50%減でも利益が出る「企業ベスト3」

日本企業が年内V字回復できると思う根拠

日本国内でも感染拡大が止まらない状況ではあるものの、欧米の主要都市のようなロックダウンには至らず、経済活動は維持できています。

今後、

緊急事態宣言が発令されたとしても、経済活動が停滞・停止する期間は数か月であり、その後は経済対策などの後押しで年内回復

がメインシナリオであると考えられます。

そう考えられる2つのポイントを、2008年リーマンショック時と比較しながら紹介しましょう。

根拠1:金融危機が起きていないため「V字回復」の期待あり

2008年のリーマンショックは、正に金融危機が発端となった株式相場の下落でした。

しかし、今回は経済の停滞は著しいものの、金融危機は発生しておらず、金融・財政政策が今のところ機能しています。

それを表す指標に、TEDスプレッドというものがあります。

TEDスプレッドとは、「3か月物米国短期国債(T-bill)」の金利と、「LIBOR(ロンドン銀行間取引金利)」の3か月物ユーロドル(Euro Dollar)金利との金利差を表す指標です。

一般に

金融市場で信用不安が高まると、信用度の高い米国債が買われる一方で、ユーロドル金利は信用コストの高まりが懸念されて上昇

します。

つまり、金融危機が訪れるとTEDスプレッドが拡大するのです。

しかし、今年3月に入って金利差が1.0%を超えたものの、2008年当時に見られた水準には程遠いのが現状です。

FRED(Federal Reserve Economic Data)データより筆者作成

≪FRED(Federal Reserve Economic Data)データより筆者作成≫

今の環境下で

金融危機が発生しなければ、世界経済が平時モードに戻る下地が維持されることとなり「年内V字回復」への期待が持てる

ポイントの1つです。

根拠2:リーマンショック時に比べて日本企業には余力がある

加えて、今の日本企業には余力があります。

ポイントは、損益分岐点比率の低さです。

損益分岐点比率とは、かかる費用と利益がちょうどゼロになる売上高に対して、実際の売上高がどの位置にあるのかを測る指標で、「赤字への抵抗力」がわかります

最低限の費用(固定費・変動費)を賄える売上高があれば、それ以上に売り上げた部分が利益(=黒字)です。

よって、損益分岐点比率が低い方が赤字になりにくいということです。

財務省「法人企業統計調査(四半期報告)」より筆者作成

≪財務省「法人企業統計調査(四半期報告)」より筆者作成(金融業・保険業を除く)≫

このデータから、2008年当時は損益分岐点比率が高いところに超ド級のショックが到来したため、金融市場のみならず企業業績の悪化が止められなかったと考えられています。

損益分岐点比率が92.7%のところに、売上高が-11.6%となれば、-4.3%の赤字ですよね。

その次の四半期では売上高が-20%となったため、さらに赤字が続いたのです。

それに対し、債務比率が低くなり為替変動にも強くなった今の日本企業は、損益分岐点比率を下げることに成功しており、今回のショックにも抵抗力がついているのです。

理論上は、損益分岐点比率が77.1%であれば、売上高が-22.9%に落ち込んでも赤字になりません

つまり、

2008年当時の売上高減少規模(-20%)でも耐えられる

ということです。

もちろん特定の企業・業種によっては極端な売上減少が発生し、業界再編が終わるまで復活に時間がかかることもあるでしょう。

しかし、感染拡大のピークが過ぎれば、日本経済にはV字とまで言わなくても回復する底力があるのです。


損益分岐点比率が低いおすすめ企業ベスト3

まだ新型コロナ感染が拡大しているなかにあり、どこまで経済活動が停滞するかは不明ですが、これまでの売上高が-50%(半減)となっても耐えられる企業とはいったいどこなのでしょう。

株式相場が下落傾向にあるこの時期においても「年内V字回復」を期待して投資をおすすめできる企業を3つ挙げてみます。

なお、各企業の損益分岐点比率は2019.3期連結財務諸表より概算で算出しており、個別財務分析によって更に低くなるものとご理解ください(※)。

※ 損益分岐点比率の算出ルール
・ 売上原価率を変動比率とする
・ 販売費及び一般管理費を固定費とする
・ 支払利息や受取利息、雑収入等は固定費から加除修正する

おすすめ1:【7974】任天堂

日本を代表する世界的なゲームメーカーで、業界内で「価格決定権」を有しています。

巣ごもり需要への期待もあり株価は3月13日を底に、

損益分岐点比率:
44.7%

無借金経営

です。

株価は既に1月初旬の水準まで回復したところを見ても「V字回復」の大本命と言えるでしょう。

おすすめ2:【4733】OBC

オービックビジネスコンサルタントは、「奉行」シリーズを中心とした業務ソフトの大手です。

不況下でもシステムメンテナンス等の安定収入を見込めることで、

損益分岐点比率:
43.3%

無借金経営

です。

株価は、3月13日を底に1月初旬の半値戻しの水準にあります。

おすすめ3:【6861】キーエンス

工場向けセンサー製造の大手、5Gサービス銘柄でもあります。

自社工場を持たず直販体制を組むことで、

損益分岐点比率:
33.8%

無借金経営

です。

株価は、3月17日を底に1月初旬の半値戻しの水準にあります。

有望銘柄の動向は逐一チェック

日本の株式相場はどこが底になるのかまだ判断できない状況にありますが、これら有望な銘柄の動向を逐一チェックしておいて、来るべき投資タイミングを待ちましょう。(執筆者:中野 徹)

《中野 徹》
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中野 徹

中野 徹

1970年生まれ。大学卒業後、銀行・証券・保険と金融3業態全てにおいて勤務経験を持ち、実務経験を踏まえた客観的なアドバイスに強みを持つ。お金にまつわる専門知識を分かりやすく、販売側の都合を排除したポイントを解説していきます。趣味は料理とアメリカンフットボール観戦。 <保有資格>プライベートバンカー(シニア) 寄稿者にメッセージを送る

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