新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大に対し、2020年4月現在、日本全国を対象とした緊急事態宣言が発出されています。

この感染症は、症状の悪化が急速に進むと言われており、熱が続く場合には医療関係者が健康状態を把握しやすい入院などの措置が望ましいと言われています。

また、特に高齢者・基礎疾患のある方・妊娠されている方などは重症化しやすいとも言われているので注意が必要です。

万が一新型コロナウイルスに罹患してしまった場合に安心して療養できるように医療費への備えは欠かせません。

今回は、療養時の医療費に関わる制度である「医療費控除」と「医療保険の保険金」の関係について解説させていただきます。

「医療保険の保険金」と「医療費控除」の関係・注意点

「保険金の給付」と「医療費控除」の関係とは

新型コロナウイルスによる療養や入院は他の病気と同じように医療保険の通院や入院保障の対象となるので、これに対して保険金が給付されます

しかし、感染者が多く発生した場合に備え、自治体によっては無症状者や軽症者の場合には、自宅やホテルなどでの療養を指示されることもあります。

今回は特例措置として、

医師の指示により病院以外の場所で療養を行った場合、一定の要件のもと医療保険の保険金の給付を受けられる

ようになっています。

また、ケガなどを補償する「傷害保険」でも感染症被害の特約があれば保険金の給付を受けられる可能性がありますので、「傷害保険」の補償内容も確認しておくとよいと言えます。

医療費控除」は、所得控除の1つです。

納税者本人と生計を同一にする配偶者・親族の医療費を支払った場合には、その金額が一定額を超えた分について所得税の控除を受けられる制度です。

「医療費控除」の控除額は次の式によって算出されます。

当年中に支払った医療費の金額 – 健康保険や医療保険などの給付額 – 10万円(課税標準が200万円以下の場合は、課税標準の合計額の5%)= 医療費控除の金額

上の式にあるように、

民間の医療保険からの給付額も差し引かれる対象ですので、保険金の給付を受けた場合には医療費控除の金額が減額される

ことになります。

医療費控除の申請時には還付額等に注意

現在、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために人との接触機会を8割削減することが求められており、さまざまな業種への休業要請が行われています。

一方で、経済停滞による収入低下の家計への影響を緩和するため、さまざまな支援策や特別対応が採られています。

医療保険についても「保険金の給付対象に入院以外の療養を含む」などといった給付対象を広げる措置が採られていますが、保険金の給付により医療費控除が押し下げられるデメリットもありますので、医療費控除の申請時には還付額等について錯誤が生じないように注意しましょう。(執筆者:菊原 浩司)