新型コロナウィルスの影響による非常事態宣言は解除されました。

しかし、営業の自粛をしていた商業施設や飲食店ではまだまだお客さんの戻りは遅く、個人でも残業代が減少したり、雇い止め、解雇された人も多く、経済的に不安定な状況が続いています。

テナント系のオーナーは賃料の減額交渉などの大きな影響を受けましたが、居住系でも影響を受けたオーナーは多いと思います。

コロナショックの影響で困っているオーナーに対して、政府が用意する返済義務のない支援策を紹介いたします。

コロナショックで減収 「不動産オーナー」が使える「返済義務なし」の4つの支援策

事業者向けに事業資金の支援

コロナショックで影響を受けた事業者を対象に、日本政策金融公庫や商工中金、信用保証協会で運転資金を融資しています。

非常に利用しやすい条件で、

・ 最長5年間は元本の返済をしなくてもよい

・ 利子を補給することで金利負担が実質ゼロになる

・ 担保がなくても借入できる

という内容です。

また、売上高が前年同月比5%以上減少等の場合には、一般枠とは別枠で借入債務の80%を保証する「セーフティネット保証5号を使うことができます。

しかし、あくまで事業資金として融資を受けることになるので、元本の据え置き期間はありますが、将来的には返済義務があり、融資を受けることを躊躇してしまうオーナーも多いと思います。

政府が用意する返済義務のない支援策は3つ

現在、コロナショックで影響を受けたオーナー向けに政府が決定した支援策は、

・ 持続化給付金
・ 固定資産税の減免
・ 国民健康保険料、後期高齢者医療保険料の減免

です。

1. 持続化給付金

持続化給付金

まず利用したいのが持続化給付金です。

持続化給付金は、5月1日から申請の受付が始まりましたが、コロナショックの影響で1か月の売上が前年同月比で50%以上減少している事業者を対象に、法人で200万円、個人事業者100万円が給付されます。

ここで注意が必要なのが、事業収入として計上している売上に対してということなので、個人で不動産収入を計上している場合には利用できないという点です。

また、コロナショックの影響なので、物件を売却して家賃が減った場合には受けることができませんし、複数物件を所有している場合には全体の家賃の収支が対象です。

2. 固定資産税の減免

個人オーナーでも活用できるのが、2021年度分の固定資産税の減免です。

2021年度分の固定資産税について、2020年2月~10月の任意の3か月の売上が

30%以上50%未満なら1/2免除

50%以上なら全額減免

されます。

令和3年1月31日までに、売上が下がったことの認定経営革新等支援機関(税理士など)の認定を受ける必要があります。

令和2年は対象とならない

事業用の土地や自宅は対象外

・ 複数物件ある場合には全体の売上が対象になる

といった点には注意が必要です。

固定資産税の減免
≪画像元:中小企業庁「適用手続きについて(pdf)」≫

3. 国民健康保険料・後期高齢者医療保険料の減免

最後は、国民健康保険料・後期高齢者保険料の減免です。

・ 事業所得

・ 不動産所得

・ 山林所得

・ 給与所得

のある国民健康保険加入者・後期高齢者保険加入者は、いずれかが

前年の収入の30%以上減少が見込まれる場合には、減少した所得に係る保険料の20%~100%免除

されます。

国民健康保険以外のサラリーマンなどは対象外です。

他にも、前年のそれぞれの収入の合計が1,000万円以下、減少の対象となる所得以外の所得の合計が400万円以下などといった要件があります。

支援策を有効に活用して生き残る

まずは、持続化給付金、固定資産税、国民健康保険料・後期高齢者保険料の減免などを活用し、コロナショックの影響で落ちてしまった収益を補うことから始めましょう。

それでも足りない場合には、日本政策金融公庫や商工中金、信用保証協会の融資を活用し、収益が安定するまで繋ぐ必要があります。

今後、新型コロナウィルスの第2波が起こる可能性もあります。

賃貸経営においても、これまで以上に余裕を持った運営が重要です。(執筆者:宅地建物取引士 山口 智也 監修:社会保険労務士 拝野 洋子