前回は資産運用の出口戦略について記載いたしました。

この点、特に今は確定拠出年金やつみたてNISAにて資産運用を行っている方も多いと思います。

そこで今回は、特にこれら非課税制度を利用した資産運用をしている場合に絞って、投資の出口戦略について書いてみたいと思います。

非課税制度を利用した資産運用の出口戦略

確定拠出年金とつみたてNISAとの相違点

確定拠出年金もつみたてNISAも長期間の資産運用を非課税にて行うことが可能であり、資産づくりをサポートする制度である点は同じです。

しかし、確定拠出年金はさまざまなライフイベントの中でも老後生活の備えた資産づくりを想定した制度であり、つみたてNISAの場合にはそうではありません。

確定拠出年金の方がより長期の利用になる性質があり、つみたてNISAはより短期間の利用も可能です。

こういった違いから資産運用の出口戦略も変わってきます。

確定拠出年金(iDeCoや401K)での資産運用の場合

個人もしくは勤務先で利用している確定拠出年金(iDeCoや401K)にて資産運用を行っている場合は、少なくとも60歳まで資金の引き出せないので、少なくとも60歳までは何らかの金融商品を利用して運用を継続しなければなりません

つまり、資産運用の終了時期はある程度固定されています

目標金額に早めに到達していてその後の価格下落が嫌な場合は、価格の変動があまりしない金融商品にスイッチするのも1つの方法です。

資金の引き出しの時期が迫ってきたときに、コロナショックのように資産価格が急落するのがこわいと感じる方も同様です。

運用の終わりでコロナショックのようなことがあったらこわい

つみたてNISAを利用している場合

つみたてNISAは現行制度で最大20年間の利用が可能です。

その後は確定拠出年金と異なり、資産が売却されるわけではなく課税口座に移管されます。

つまり、資産運用の終了時期はある程度柔軟に変更することが可能なので、目標金額に早めに到達したら売却できると同時に、もともと予定していた時期までに目標金額に到達しなかった場合は、資産運用を継続も可能です。

課税口座に移管されたら移管時の価格が取得価格になりますので、移管後の値上がり益に対しては課税がされる点は注意が必要です。

確定拠出年金は利用しない方がいいのか

資産づくりの自由度や資金の出し入れに関しては、つみたてNISAの方が優れています

その一方で確定拠出年金の方が優れている場面もあります。

それは非課税の部分です。

つみたてNISAも確定拠出年金も運用益の非課税は共通していますが、掛金の所得控除や受取時の税制優遇に関しては確定拠出年金にしかありません

確定拠出年金は自由度や資金の出し入れがしにくい反面で、節税機能の面においてはより優れています

出口戦略を意識して考えよう

自営業の方や会社員の方で勤務先にて企業型の確定拠出年金(401K)の制度がない方は、より始めやすいつみたてNISAをまず利用してみましょう

本格的に老後生活資金を準備したいタイミングで個人型の確定拠出年金を利用してみるのも検討の余地があるでしょう。

出口戦略も意識すると、双方の非課税制度の利用方針がよりクリアに見えてきます

少々制度が複雑ですが、ぜひ非課税制度を利用した資産づくりを考える際は、出口戦略も合わせて考えてみてください。(執筆者:AFP  佐藤 彰)