台風や地震に備えて缶詰を備蓄している家庭は多いのではないでしょうか。

最近はパンやお総菜の缶詰も登場しています。

災害用に開発された缶詰は長期保存がきいて、おいしい物をその場ですぐに食べられるので便利です。

しかし、災害用の缶詰はひとつの値段が500円程するので家族が多いとかなりのお金がかかります。

今回は「災害用」という名前はついていないものの、安くて災害時に重宝する缶詰を紹介します。

「野菜ジュースの缶詰」は数少ない野菜保存食

野菜ジュースはいい備蓄アイテム

災害時の食料は乾パンやおにぎり、パスタ類の炭水化物がメインです。

災害時には調理が必要な野菜が不足しますが、野菜の缶詰は種類が多くありません

しかし、野菜ジュースには缶入りの商品がたくさんあります。

野菜ジュースには、野菜汁100%と果汁が入っている2種類があります。

栄養と水分を手軽に摂取できるコスパのよい缶詰と言えます。

野菜汁100%であればたくさんの種類の野菜が使われているだけではなく、香辛料で味が調えられているためジュース自体が具材であり、味つけとしても使えます

カゴメのホームページでは、野菜ジュースで作る「ヘルシー炊き込みご飯」のレシピが紹介されています。

災害時にはカセットコンロを使用して料理をする可能性があります。

燃料を節約するためにも短時間で複数の食材を加熱できる炊き込みご飯は災害時にピッタリのレシピです。

野菜の保存食といえば冷凍野菜で、代表的なものにほうれん草や小松菜、ミックスベジタブルがあります。

しかし、災害時には停電になり冷凍保存が難しくなる可能性も考えられます。

冷凍野菜は1袋250円程度ですが、野菜ジュースは1缶100円以下で売っているので災害時に使えるコスパのよい野菜缶詰と言えます。

非常時でも「ホッ」としたい

非常食というと「保存ができてエネルギー源になること」が原則かもしれません。

しかし、実際に被災してみると欲しくなるものは「ホッとできる食べ物」です。

「災害時なんだからぜいたく言えない」と思うかもしれませんが、災害時でも「あれ食べたい」と思うものですし、いつも食べているものを食べたくなります。

フルーツの缶詰は、水分が多く適度な甘みのある「ホッとできる食べ物」です。

筆者は、災害用に「みつまめの缶詰」を備蓄していて心身ともに助かった経験があります。

「みつまめの缶詰」は常温でもおいしく、水分と糖分の両方を十分に補給することができました。

ただし、「みつまめ」や「あんみつ」の缶詰は1缶400円ほどと高額です。

コスパのよい缶詰とはいえないかもしれません。

「みかんの缶詰」は捨てるところのない癒やし食

おすすめは「みかんの缶詰」です。

「みかんの缶詰」は1缶200円以下で量もたくさん入っており、非常食との相性がよく、ちょっと手を加えるだけで立派な料理になります。

非常食の定番である乾パンはそのまま食べれば固く、高齢者や子どもには食べにくいものかもしれません。

そのようなときには「みかんの缶詰」と組み合わせてみましょう。

土井善晴氏のレシピに「キャビネットケーキ」があります。

災害時に心が救われる食べ物

「みかんの缶詰」と食パンを使ったプリンのようなデザートです。

レシピでは食パンを使うのですが、食パンの代わりに乾パンやビスケットを使ってもおいしくいただくことができました。

乾パンをそのまま入れると固さが残りますが、小さく砕いて入れると適度に水分を吸ってやわらかくなります。

災害当初は炭水化物メインの食事でも我慢できます。

ガスや電気が復旧しても「食べたいな」と思うものがすぐに手に入る生活が戻るには時間がかかることでしょう。

そのような時に家に残っていた卵、乾パン、缶詰を汁まで使って簡単に作れる「キャビネットケーキ」は身も心も温めてくれるのではないでしょうか。

「小豆」は食事にもデザートにもなる万能缶詰

「ゆであずき」や「小倉あん」の缶詰は白玉やおしるこを作るときに重宝します。

糖度が高い小豆の缶詰は災害時に頼りになるエネルギー源ですが、甘すぎると感じる人も多いようです。

「ゆであずき」の缶詰の中には「甘さ控えめ」、「甘味はつけていません」という表示の缶詰があります。

災害時には「少ないものを多くの方法で使う」ことが大切です。

あえて「甘さが少ない小豆の缶詰」を備蓄しておくとたくさんのアレンジができます。

甘さ控えめの小豆の缶詰をおかゆに混ぜると小豆がゆになります。

災害用におかゆの缶詰やレトルトパックを備蓄している人は多いのですが、歯ごたえのないおかゆばかりだと物足りなく感じるようになります。

また、災害用商品の中には「小豆」という具が入るだけで値段が上がるものもあります。

甘さ控えめの小豆の缶詰は粒の固さがほどよく残っていることが多く、おかゆに混ぜるとちょうどいいアクセントになります。

また、乾パンとあわせて加熱するとぜんざいになります。

甲板に小豆を混ぜて食べる

災害時には人の目が届きにくくなるため、飲み込む力が弱くなっている高齢者に餅入りのぜんざいは避けたほうがよいかもしれません。

乾パンであれば餅よりも飲み込みやすく、適度な固さも残ります。

いつもの手頃な缶詰を使ったレシピが災害時に役立つ

多くの缶詰は白いご飯とあうように肉や魚を濃い目の味で仕上げていますが、災害時には不安な気持ちで食欲がなくなり、水分の多い薄味のものが欲しくなるものです。

災害用に作られた「ちょっと贅沢な缶詰」だけでなく、いつものスーパーで売っている手頃な缶詰を使ったレシピを覚えておくといざというときに役立ちます。(執筆者:式部 順子)