※本サイトは一部アフィリエイトプログラムを利用しています

注目記事

【大学進学の貸与型奨学金】返済が厳しい時に利用できる「2つの制度」と返済のペースを上げるコツ

ライフ 子育て
【大学進学の貸与型奨学金】返済が厳しい時に利用できる「2つの制度」と返済のペースを上げるコツ

平成29年度に行われた文部科学省の調査によると、大学4年間でかかる学費の平均は、国公立大学で約250万円、私立大学(文系)では約400万円、私立大学(理系)になると約550万円という結果が出ています。

さらに、入学金や教材費、施設管理費などの諸費用が別途かかるため、総額で考えると「大学にかかる費用」はけして安くはありません。

大学進学に際して貸与型奨学金を利用している人は年々増加しており、日本学生支援機構の「2016年度 学生生活調査」によると、大学学部(昼間部)全体の48.9%の学生が奨学金を利用していると発表しています。

貸与奨学金を利用した場合には、大学を卒業すると奨学金の返還が始まります

しかし、さまざまな理由で奨学金返還が難しくなってしまう、負担になってしまうケースは多いです。

貸与型奨学金の返済が厳しい時に利用できる「2つの制度」

収入激減「毎月の奨学金返済が苦しい」時には

いざ返還が始まってみると、「少ない初任給のなかから返還するには、思っていた以上に負担が大きい」と感じている方は多いのではないでしょうか。

特に、新型コロナウイルス感染症の影響で給与やボーナスが激減し、最悪の場合には突然の失業に見舞われてしまうことさえあります。

また、春から就職が決まっていたにも拘らず、待っていたはずの就職先から突然の内定取り消しなども少なくなく、「就職先もなく、返還期日にお金を準備できない!」と頭を抱えている方もいるはずです。

収入や家計の急変で毎月の返済が苦しくなった時にも、返還を延滞することなく奨学金を返還するにはどのような方法があるのかを確認してみましょう。

返済期間の延長・返済猶予で奨学金の返済計画を見直す

独立法人日本学生支援機構(JASSO)では、コロナウイルス感染拡大が始まった時点で「奨学金を返済中、または返済を開始される皆様へ」として2つの対応策を発表しました。

(1) 減額返還

減額返還制度とは、当初約束した毎月の返還金額を一定期間減額する制度です。

この制度の利用対象は、

災害や傷病、その他経済的理由によって奨学金返還が困難となり、毎月の返還額を減額することで返還可能な方

です。

1回の減額返還の願い出につき適用期間は12か月間、最長15年まで延長が可能です。

減額返還適用期間に応じて返済期間は長くなりますが、急変した収入のなかからの返還が確実にできます。

減額返還を申し出るには、一定要件に合致した証明書が必要です。

手続き方法を確認しておきましょう。

(2) 返還期限猶予

返還期限猶予は、災害や傷病、経済困難、失業など返還困難な事情が生じた場合に、一定期間返還期限を延期する制度です。

返還すべき元金や利子が免除されるものではないので、制度を正しく理解しておきましょう。

願い出の申請にはマイナンバーと所定の書類にマイナンバーを提出する必要があり、その書類をもとに承認審査が行われます。

審査には一定の期間がかかるため、「払えなくなってしまったから」と返還を延滞してしまうことがないよう、早急に願い出申請することがポイントです。

承認された期間は返還の必要はありませんが、適用期間後に返還が再開されると猶予期間に応じて返還終了年月が延期されます。

ただし、承認されない場合には返還を継続する必要があるので、審査結果をしっかりと確認しましょう。

また、すでに経済困難や失業などで10年(120か月)の返還期限猶予制度を取得している方でも、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による経済困難などの事情で返還できなくなった場合に限り、緊急的に12か月を限度として願い出ることが可能になっています。

参照:独立行政法人日本学生支援機構

貸与型奨学金は「借金」ではなく、未来への「投資」

未来への投資だと考える

「大学で学びたい意欲」をサポートしてくれる奨学金ですが、返済義務のない給付型奨学金とは異なり、貸与型奨学金は返還する必要があります

そのため、貸与型奨学金を利用するほとんどの人は、「奨学金=借金」と受け止めているかもしれません。

しかし、大学卒の「新卒」採用であれば、高卒の新卒採用よりも初任給を高く設定している企業は多く、生涯年収も高くなることを鑑みれば、貸与型奨学金を「未来の自分への投資」として考えられます。

投資するための資金がない場合には、目的を達成するための資金を調達しなければなりません。

「大学進学した時の自分が、資金を調達して未来への自分に投資した」と考えれば、「貸与型奨学金=借金」という呪縛から解き放たれ、奨学金の本来の価値を見出せるのではないでしょうか。

ただし、今回のコロナ禍を含めて想定外の災害に見舞われると、予定は大きく狂ってしまいます。

その際には、当初の返還計画に固執することなく、現在の自分の経済状況を把握しながら減額返還制度や返還期限猶予制度を利用して、柔軟にそして確実に返還できる方法を探ってみましょう。

資金回収ペースを上げるコツは諦めない

投資をするために資金を借りた場合には、資金回収ペースを上げて早めに返済することが理想です。

資金回収ペースを上げる手段として、大学で修得した知識やスキル、専門技術などを武器に転職に挑戦するのもおすすめです。

新卒で就職した会社で自分の能力や技術がしっかりと評価されて、確実に収入が上がっていけばよいですが、今回のコロナ禍のように大きな経済的な影響があれば、企業の業績悪化に伴って給与やボーナスが激減してしまうこともあります。

せっかく「投資」をして得た知識やスキル、技術なので存分に活かすべく自分が活躍できるステージを変えてみましょう。

転職は経済状況や社会情勢に影響されますが、すべての企業が採用をストップするということは現実的にはあり得ません。

諦めずにチャレンジを続けることが、資金回収ペースアップにつながります。

結果的に、収入が増えれば「投資した以上の価値」を生み出すことになり、貸与型奨学金の価値はおおいに変わるはずです。(執筆者:花見 結衣 監修:社会保険労務士 拝野 洋子

《花見 結衣》
この記事は役に立ちましたか?
+0

関連タグ

花見 結衣

花見 結衣

アメリカ帰りのフリーライター、翻訳家。離婚をきっかけに、それまで関心がなかったお金や節約に向き合うことに。現在は、節約術や貯金術を駆使しながら、「シングルママの、“無理をしない”家計管理」に奮闘中。節約系ライターとして雑誌掲載の実績もあります。趣味は、500円玉貯金。気負わない節約術やマネー術を発信していけたらと思います。 寄稿者にメッセージを送る

今、あなたにおススメの記事

特集