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売却資産によって適用税率や課税区分が異なる「譲渡所得」 税金の計算方法を解説

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売却資産によって適用税率や課税区分が異なる「譲渡所得」 税金の計算方法を解説

譲渡所得は、「金地金」や「不動産」、「株」を売却した際に発生する所得です。

譲渡所得は売却資産によって適用される税率や課税区分が異なるため、申告する際には注意が必要です。

そこで今回は、売却資産ごとに課税区分と税金の計算方法を解説します。

「譲渡所得」 税金の計算方法

「金地金」や「車」の売却は総合課税の譲渡所得の対象

「金地金」や「車」、「ゴルフ会員権」を売却した際に発生する利益は、総合課税の譲渡所得に該当します。

総合課税の譲渡所得には50万円の特別控除があるため、売却利益が50万円以内なら譲渡所得税は発生しません

売却した資産を所有していた期間が5年以内の場合には短期譲渡所得、5年を超えた場合には長期譲渡所得の対象です。

長期譲渡所得は、算出された譲渡所得を1/2にした金額が課税所得金額になるため、所有期間が長い方が支払う所得税は少ないと言えます。

総合譲渡所得に対する所得税は、給与所得など他の所得と合算して税額を算出します。

課税所得金額が大きいほど税率が高くなるため、同じ譲渡所得の金額でも人によって支払う所得税は変わります。

総合課税の譲渡所得の計算式

短期譲渡所得と長期譲渡所得のそれぞれの計算式は次の通りです。

【短期譲渡所得】
譲渡価額 -(取得費 + 譲渡費用)- 50万円 = 短期譲渡所得の金額
【長期譲渡所得】
譲渡価額 -(取得費 + 譲渡費用)- 50万円 = 譲渡所得

譲渡所得 × 1/2 = 長期譲渡所得の金額

「不動産」の売却は分離課税の譲渡所得

「不動産」の売却益は分離課税の譲渡所得の対象で、他の譲渡所得とは別で計算します。

また、不動産の譲渡所得の税率は所有期間によって税率が異なります。

不動産を譲渡した年の1月1日時点の所有期間が5年以内の場合は短期譲渡所得、5年を超えた場合は長期譲渡所得の対象です。

なお、不動産譲渡所得の税率は固定なので、所得金額が1万円でも1,000万円でも適用される税率は同じです。

不動産の譲渡所得の計算式

譲渡価額 -(取得費 + 譲渡費用) – 特別控除額 = 譲渡所得金額

【短期譲渡所得の税率】
所得税:30.63%
住民税:9%

【長期譲渡所得の税率】
所得税:15.315%
住民税:5%

※所得税には復興特別所得税が含まれます。

「株」の売却は分離課税の譲渡所得

「株」の売却は分離課税の譲渡所得
「株」の売却利益は不動産の譲渡と同じ分離課税の対象ですが、譲渡所得の計算は「株」の譲渡所得のみで行います。

また、株の譲渡内でも、上場株式等の譲渡と一般株式等(非上場株式等)の譲渡に分かれているので、別々で計算しなければなりません。

そのため、上場株式等の損益と一般株式等の損益を合算することはできないため、ご注意ください。

なお、株の譲渡所得の税率は、所有期間や売却した株の種類にかかわらず一律です。

株の譲渡所得の計算式

総収入金額 – 必要経費(取得費 + 委託手数料等) = 譲渡所得の金額

【株の譲渡所得の税率】
所得税:15.315%
住民税:5%

※所得税には復興特別所得税が含まれます。

売却損失に所得税は課税されない

譲渡所得は売却利益に対して課税する税金なので、売却損失が発生した際には所得税は課されません

また、譲渡損失の申告は基本的には不要ですが、損益通算する場合や株の繰越損失の制度を利用する際には申告手続きが必要になりますので、特例を適用する場合は忘れずに申告してください。(執筆者:元税務署職員 平井 拓)

《平井 拓》
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平井 拓

執筆者:元税務署職員 平井 拓 平井 拓

12年勤務した税務署を退職し、ライターとして活動してます。税務署時代は資産課税部門に所属しており、相続税・贈与税・所得税が専門でした。 脱税は嫌いですが、節税は好きです。少しでも税金を身近に感じていただける文章をお届けします。 寄稿者にメッセージを送る

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