テレビやSNSなどを通じて「もうかっている」と発言した会社・個人事業主が、税務署から税務調査を受け、脱税が発覚するケースはしばしば話題にのぼります。

「SNSでもうかっていると税務署が来るので、収入については公表しない方がいい」なんてうわさもネット上では流れたりしますので、その真偽について元税務署職員が解説します。

税務調査

SNSの発言だけで税務調査は実施しない

結論

テレビ番組やSNSなどでもうかっていると発言しただけで税務調査が実施されるケースは考えにくい

税務調査は、虚偽の申告や申告内容を確認するために行います。

本人が公開した情報は、税務調査を実施する上で参考とします

ただ収入や売上を公表しても、公表内容に基づき申告していれば税務上問題ないです。

税務調査は入念に下調べをする

税務署は多くの税金を取り扱っていて、法人税の申告書は292万件(※1)、所得税の申告書を提出している人は2,204万人(※2)です。

国税組織の職員数は約5万5,000人なので、現実的にすべての申告書に対して税務調査はできません。

そのため申告漏れや、脱税の疑いの高い申告書を優先的に税務調査をしています。

また税務調査をする事案は事前に下調べを行い、SNSで発信される情報の真偽を確かめるためだけに税務調査を実施することはありません

※1 「平成30事務年度 法人税等の申告(課税)事績の概要」(pdf)

※2 「令和元年分の所得税等、消費税及び贈与税の確定申告状況等について」

もうかっていても適正に申告していれば問題なし

きちんと申告していれば問題ない

法人や個人事業主がどんなにもうかっていても、適切に申告・納税していていれば、税務署はそこから税金をさらに回収することはありません。

税務調査は、申告すべき税金を納めていなかったり、申告誤りの疑いがある場合に行います。

したがってSNSで「売上〇〇円」と発言したとしても、実際にその金額で申告・納税していれば、税務署を恐れる必要がありません。

一方でもうかっていることを装っている人や、納税をごまかしている人は、自らの発言と申告内容に相違点がありますので、税務調査を受ける可能性はあります

正しく申告していれば税務調査を受ける可能性はかなり低い

税務署は時として、過少に申告している疑いの段階で税務調査を実施することもあります。

正直な話、私が税務調査を受ける立場になったら、税務署をかなり面倒な存在だと思うはずです。

ただ正しく申告していれば、税務調査を受ける可能性はかなり低いですし、税務署に目を付けられないために、SNSなどで情報を発信しない方法もあります。

税務署は申告した内容がうそであれば税務調査を実施しますので、誤解を招く行動や発言は控えた方がいいかもしれません。(執筆者:元税務署職員 平井 拓)