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保険比較サイトの「落とし穴」と「価値」 賢い利用方法を解説

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保険比較サイトの「落とし穴」と「価値」 賢い利用方法を解説

価格やスペック、口コミなどをチェックできる「比較サイト」を利用している人は多いのではないでしょうか。

生命保険・損害保険を比較できるサイトも多くあり、とても便利なように思えます。

しかし、手軽な一方で大きな弱点があることを知っておかないと、かえって損をしてしまう可能性があります。

今回は、比較サイトの上手な使い方を解説します。

保険比較サイトの 「落とし穴」と「価値」

比較サイトとはどのような位置づけのものなのか

さまざまなジャンルの比較サイトがありますが、ここでは「保険を扱う比較サイト」に限ったお話をします。

「保険」は一般的な商品やサービスとは異なるものだからです。

生命保険・損害保険は「金融商品」です。

金融商品を取り扱うには専門の資格を取得しなければなりません。そして、国の指導やいくつもの法律に則って適正に扱わなければなりません。

また、比較サイトに表示されている保険商品は「提携保険会社」の「提携商品」のみです。

国内で販売されている全ての保険商品を比較しているわけではありません

お気づきの方もいることでしょう。保険比較サイトは形を変えた「保険代理店」です。

来店型保険ショップと同じく「ネット型保険ショップ」ということです。


提携代理店を確認する方法

比較サイトには「取扱保険会社一覧」を明記されています。サイトごとに名称や掲載方法は異なりますが、どこかに必ず表示されています。

日本国内のほとんどの保険会社を網羅しているサイトもあれば、驚くほど少ない数の保険会社としか提携していないところもあります。しっかりと確認しておくべきでしょう。

また、金融庁からの指導である「顧客本位の業務運営方針」を掲げているところも多いので、合わせて見ておくと安心です。

お客様本位の業務運営方針
≪画像元:Kakaku.com insurance

提携保険会社で扱っている商品を全て比較できるわけではない

保険会社は、提携しているからといって扱っている保険商品全てを代理店に提供するわけではありません

特に、日本国内の生命保険会社は、顧客それぞれに合わせた詳細なプランニングをすることを特徴としています。

そのために、1社専業の営業員が日々自社商品の勉強を積み重ねています。

一方で、銀行や証券会社の窓口販売用、あるいは自社のインターネット販売用などに、比較的単純な組み合わせの保険商品も作っています。

代理店が扱える保険は、そういった「簡易商品」です。

価格サイトの価値を理解して賢こく使う

比較サイトが悪いという話ではありません。

・ 保険代理店である

・ 提携保険会社の商品のみである

・ 提携していても全商品取り扱っているわけではない

という3点を知っておけば、比較サイトはとても便利なツールです。強みと弱点を理解して落とし穴を回避しましょう。

特長1. 手軽で気軽

移動中などの空き時間、または夜中など、いつでもどこでもネット環境さえあれば気軽に利用できます。

目の前に販売員もいないため「勧められる」煩わしさもありません。

弱点:保険を説明する専門家がいない

保険内容について説明する人がいないため、「よくわからない」「わかったつもりが誤解していた」という危険性は常につきまといます。

比較サイトでは紹介スペースに限りがあるため、全ての条件が明記されているわけではありません

また、「医療保険」「介護特約」など名称は同じでも保険会社によって支払条件やタイミングなどは異なります

保険会社に勤務している営業員でも「同じ名称で内容が異なる他社商品」には混乱してしまいます。

どのくらい理解できているのかを判断する材料が少なすぎるという不安が残ります。

特長2. 一括見積が便利

複数の保険会社にその都度行かなくても、「年齢・保険内容・金額」などを入力するだけで一括見積を出せるところが便利です。

おおまかな金額や希望する保障を取り扱っているかどうかなどが一目でわかり、検討する保険会社を絞り込むことができます。

弱点1. 独自の特約が反映されない

「がん診断給付金のみで300万円」や「死亡保障のみで1,000万円」といった単品販売の保険はともかく、総合的な生命保険には独自の特約がいくつも用意されています。

どこの保険会社でも扱っているようなメジャーな特約には対応している比較サイトもありますが、独自の特約のほとんどがサイトに反映されません

また、独自の特約は名称しか表示されないことが多く、内容がわかりにくいという弱点もあります。必要な特約を見落としたり、不要な特約をつけてしまうかもしれません。

弱点2. 細かい金額設定ができない

本来は、保険はそれぞれの生活スタイルに合わせて期間や金額などを設計します。

「がん保険が死亡保障を兼ねているから、単独死亡保障額はこのくらい」「末子が成人するまでは死亡保障を大きくして、その後は介護保障に切り替える」など、1年単位1,000円単位で細かくプランニングします。

一括見積では、そこまでの詳細設計をできるものはありません

保障は「自分のケース」で設計しなければ意味がありません。「一般的な」「平均値」では、いざというときに役立たない可能性もあります。

役に立たない保険ほど無駄な買い物はありません。

強みを活かして弱点を補う

強みを活かして弱点を補うためのひと工夫

比較サイトの利用は、「たくさんある保険会社から、数社を絞り込む」ために有効な手段であることがわかりました。

一方で、それだけで加入を検討するには情報が少なすぎるということにも気づかれたことと思います。

数社が3~5件程度に絞り込めたら、最後には個別見積を取って比較しましょう。

各保険会社の公式サイトでは、多くの場合に保険料をシミュレーションできます。

独自の特約などにも対応したシミュレーションをしてから、改めて検討するほうが安心です。

便利なサイトを賢く利用して無駄を省く

比較サイトは、保険商品のラインアップを知るのにも便利です。

「気になる保険の種類」や「興味のある項目」から進んでいくことで、今の自分に必要な保険を見つけることができるかもしれません。

また、さまざまな保障内容や金額を知ることで、お手持ちの保険を見直すきっかけにもなることでしょう。

保険を適切な状態に保つためにも、比較サイトを賢く利用しましょう。(執筆者:仲村 希)

《仲村 希》
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仲村 希

仲村 希

国内大手保険会社にて生命保険募集人と損害保険代理店を兼務、外資大手生命保険会社では顧客相談室クレーム対応係に着任。たくさんのお客様のお話をうかがって、保険に対する誤解が根深いことを痛感しました。退職後は「保険ってわからない。めんどうくさい」を少しでも解消できればと、保険記事の執筆を開始。ファイナンシャルプランニング2級技能士。 寄稿者にメッセージを送る

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