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【住宅ローン控除】想定より還付金額が少ないことも 控除を適用する際の誤解や注意点を解説

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【住宅ローン控除】想定より還付金額が少ないことも 控除を適用する際の誤解や注意点を解説

住宅ローンを組んで自宅を購入した場合、住宅借入金等特別控除(通称:住宅ローン控除)を適用することで税金の還付を受けられます。

適用条件を満たせば、納めた所得税が年間で最大40万円還付されますし、最長13年間特例を継続適用できます。

しかし満額の控除額を受けられるケースはごく一部であり、不動産業者などから説明を受けていた金額よりも、還付金額が少ないとの話は、税務署職員時代に相談者からよく聞いていましたので注意してください。

住宅ローン控除の還付金額が少ない気がす

控除額は適用開始年分によって違う

あまり知られていませんが、住宅ローン控除は期間限定の特例制度です。

そのため数年に1度、住宅ローン控除の適用期間を延長するか審議していて、今のところ住宅ローン控除の特例制度は廃止になっていません。

審議する際は特例の適用期間の延長だけでなく、控除額の上限や控除年数についても話し合っています。

そのため住宅ローン控除を適用する年分によって、控除額の上限や住宅ローン控除を受けられる年数は異なり、過去に住宅ローン控除を適用した人と適用した際に還付される金額は違う可能性もあります

控除額は住宅ローンの金額に比例している

住宅ローン控除は、住宅借入金の年末残高に対して一定の割合(基本的には1%)を乗じた金額が控除額です。

たとえば年末残高が4,000万円で乗じる割合が1%だった場合、住宅ローン控除額は40万円です。

適用する年分の年末残高に割合を乗じる計算なので、ローンを返済して年末時点のローン残高が少なくなれば、その分住宅ローン控除の適用金額も少なくなります。

またローンの利息を減らすために繰り上げ返済を行うと、住宅ローン控除の金額も減りますので、金融機関に支払う利息と住宅ローン控除で還付される金額を比べないと損をしてしまうことも考えられます。

なるほど納得

還付される金額は納めた所得税が上限

所得税が還付されるのは、先に納めた所得税がある場合に限られます。

住宅ローン控除は納税する所得税から控除する制度なので、所得税の納税額が0円の場合、還付される所得税は0円です。

会社員の場合、源泉徴収として先に税金を納めているため、確定申告で住宅ローン控除を適用することで税金が還付されます。(所得税が源泉徴収されていない場合は、還付される金額はありません。)

しかし自営業や不動産貸付業など確定申告で所得税を納税する人は、住宅ローン控除の適用により支払う金額は減少しても、先に納めている所得税はないため、還付される金額は発生しません

なお所得税から控除しきれなかった住宅ローン控除額は、住民税から差し引かれます。

所得税の還付金額が0円であっても、確定申告で特例手続きをするメリットはあります

適用1年目は確定申告をしなければいけない

住宅ローン控除は、会社の年末調整で手続きすることができますが、これは適用2年目以降に限られます。

適用する1年目は必ず確定申告が必要であり、申告しなければ住宅ローン控除は受けられません。

確定申告により特例適用の手続きを行うと、申告した年の秋ぐらいに税務署から年末調整で使用する適用2年目以降の計算用紙が届きますので、大切に保管してください

年末調整で住宅ローン控除の手続きが間に合わなかった際は、確定申告により住宅ローン控除を受けることも可能です。

その際は、対象年分の収入が確認できる書類(源泉徴収票など)に加え、税務署から送られてくる計算用紙と住宅ローンの残高証明書をそろえ、手続きしてください。(執筆者:元税務署職員 平井 拓)

《平井 拓》
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平井 拓

執筆者:元税務署職員 平井 拓 平井 拓

12年勤務した税務署を退職し、ライターとして活動してます。税務署時代は資産課税部門に所属しており、相続税・贈与税・所得税が専門でした。 脱税は嫌いですが、節税は好きです。少しでも税金を身近に感じていただける文章をお届けします。 寄稿者にメッセージを送る

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