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【分譲マンションの住宅ローン】「段階増額積立方式」の修繕積立金を考慮しないと、10年後の家計破綻を招く! シミュレーションで解説

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【分譲マンションの住宅ローン】「段階増額積立方式」の修繕積立金を考慮しないと、10年後の家計破綻を招く! シミュレーションで解説

結婚して子供も視野にマイホーム購入となると、戸建て住宅か分譲マンションを想定すると思います。

住宅ローン等の資金計画が必要です。

住宅ローン等の資金計画を相談された際には、以前の自分自身の失敗経験から「ボトムアップ型資金計画」を薦めています。

あなたの収入から、借入可能額を算出してローン借入可能額を計算します。

【住宅ローン】「段階増額積立方式」の修繕積立金を考慮しないと、10年後の家計破綻を招く! (1)

分譲マンションの借入可能額の算出

分譲マンションならば、毎月の管理費修繕積立金を払わねばなりません。これは毎月の負担なので、住宅ローンの借入可能額(毎月返済額)から引いておきましょう。

そうなると借入可能額は少なくなります。

実は、修繕積立金は、入居中に値上がりする可能性がかなり高いのです。

したがって、修繕積立金の上昇を見込んで借入可能額をより少なくする必要があります。

購入時に管理費等の値上げを含んだ資金計画をしないと、住宅ローンの返済に行き詰まります。

今回は、分譲マンションを購入する際のシミュレーションを確認し、資金計画の注意点をお知らせします。

なお、シミュレーションでは、

・ 中部圏

・ 15階未満、6,500平方メートル程度の50戸程度のマンション

・ 専有部80平方メートル

を想定しています。

管理費と修繕積立金

管理費と修繕積立金は、分譲マンションの管理規約によって定められています。マンションを所有している限り、支払義務があります。

管理費とは

管理費とは、敷地と共用部分等の、通常の管理に要する費用のことです。

主に管理員、税金、保守維持費、火災保険、清掃費、ごみ処理費等に使われます。

平成30年度マンション総合調査結果によると、管理費の平均は1万862円です。

参照:国土交通省「II. 平成30年度マンション総合調査結果〔概要編〕(pdf)

シミュレーションでは1万1,000円と仮定します。

修繕積立金とは

修繕積立金とは、一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕や大規模修繕、建て替え等に必要となる事項の調査に充てられる特別な費用のことです。

平成30年度マンション総合調査結果によると、修繕積立金の平均は1万1,243円です。

この数値はシミュレーションでは使いません。上記の調査結果では、修繕積立金が計画に比べて不足しているマンションは34.8%で、恐らく上記の修繕積立金では大規模修繕工事時に資金が不足するからです。

積立方式についても、積立方法が

「均等積み立て方式」:41.4%

「段階増額積立方式」:43.4%

となっていて、最近のマンションほど「段階増額積立方式」が多いとされています。

修繕積立金等は新築分譲時に売主が素案を作成し、それが承認されることが多いようです。

つまり、

・ 売主が売り出しをスムーズにするために、修繕積立金を安く設定する

・ 比較的費用の掛からない1回目の大規模修繕工事を見据えて、修繕積立金を安く抑える

傾向にあると言えるのです。

修繕積立金

問題を先送りしている感もありますが、必要時に適宜に積み立てていくという考え方もあるかと思います。

ともかく分譲時に低く抑えられた修繕積立金は、徐々に上げざるを得ません

マンションの修繕積立金に関するガイドライン」というものがあるのですが、これによると、当初の設定額は95.4/平方メートルとのデータがあります。

東京カンテイ社のプレスリリースも参考にして、

シミュレーションでは新築購入時の修繕積立金を8,000円(100/平方メートル)と仮定

します。

次に、ガイドラインから

修繕積立金の目安を中央値から1万6,000円(200/平方メートル)と仮定

します。

修繕積立金は「段階増額積立方式」をとり、5年後に1万2,000円(150/平方メートル)、10年後に立金を1万6,000円(200/平方メートル)となり、固定

とします。

住宅ローンシミュレーション

以前の記事「住宅ローンの資金計画4つの要素 シミュレーションで全体像をしっかりと見ることが大切」の【要素4】で取りあげた「月毎返済額のBさん」の場合に基いてシミュレーションします。


ボトムアップアップ型資金計画による返済計画

月11万円がBさんの適正な返済額としました。

【戸建てを購入する場合】
そのまま住宅ローンの返済に11万円を当てます。

【分譲マンションを購入する場合】
購入時に管理費等を想定しないと、可処分所得に対する返済比率が25%から32%に上がってしまいます

ローン返済額と管理費・修繕積立金

10年後の返済率を適正に保つためには、管理費等を含めてローン返済額を設定する必要があります。

戸建住宅の借入可能額は2,850万円でした。分譲マンションの借入可能額は2,150万円にするということです。

分譲マンションの借入可能額を2,150万にする

10年後に家計にダブルダメージ

分譲マンション購入時には、管理費、修繕積立金の値上げ分を含めて想定しておかないと、知らず知らずのうちに毎月の返済額が増えてしまいます

管理費等は総会で上程承認後、自動引き落としとなるパターンが多々あります。10年後といえば、住宅ローン減税が終わる頃です(現在は時限的に13年)。

想定しておかないと、家計にダブルダメージとなります。今回は駐車場の賃借を想定しておりません。駐車場代も侮れません

コロナ禍等で今後も不安定ですし、将来に何が起こるかも分かりません。少なくとも想定される負担増は想定して資金計画を考えましょう。

それがローン破綻を防ぐ方法です。(執筆者:金 弘碩)

《金 弘碩》
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金 弘碩

執筆者:CFP、1級FP技能士 金 弘碩 金 弘碩

すまいとくらし研究所 すまいとくらしカウンセラー 1975年 岐阜県生まれ。神奈川大学大学院経営学研究科修士課程終了。すまいの3要素。建物,土地,資金計画での実務経験(不動産,工務店勤務12年)と資格を持っています。すまいは一生に一度のお買い物ですが、ライフスタイルに沿って変わっていくものです。家族のイベントに毎に相談を承ります。お客様に寄り添いながら、すまいとくらしを支えます。 ≪保有資格≫ 二級建築士/宅地建物取引士 /公認不動産コンサルティングマスター/マンション管理士/賃貸不動産経営管理士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / CFP 寄稿者にメッセージを送る

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