現代日本では高齢化が進行していて、日常生活に介護が必要な方も増加しています。

介護はいつまで続くか分からないため、お金をなるべく節約したいと考えるのは皆さん同じです。

介護費用や生活費の節約方法はさまざまです。

介護を受ける原因となる疾病や現在の症状によっては、「介護認定」と併せて「障害者認定」を受けて「障害者手帳」の交付を受けられることを知らず、支払わなくても良いお金を支払い続けている人は意外と多くいるものです。

今回は、「障害者手帳」の交付を受けることによって節約できる可能性があるお金と、併せて「障害者手帳」の交付を受けられる可能性がある病気や症状の説明をしていきます。

ここでは、高齢者に起こりやすい2つの病気を例に挙げて紹介します。

障害者手帳で節約できるお金

「障害者手帳」の交付で節約できるお金とは

「障害者手帳」の交付によって免除されるお金はいろいろとありますが、介護の必要な方にとって関連が高いものとしては「医療費の助成」があります。

医療費の助成制度は都道府県によって助成金額や範囲が異なり一律ではありませんが、1か月の医療費に上限を設けるなどの補助が設けられているため医療費の節約になります。

その他にも

「住民税の控除(障害者控除)」

「公共交通機関運賃の割引」

「携帯電話料金の割引」

など、節約できることは多岐にわたります。

次に、「障害者手帳」の交付を受けられる可能性があっても、見落とされてしまう傾向にある病気や症状について解説していきます。

「脳梗塞」は「身体障害者手帳」交付対象の可能性

脳梗塞は脳の血管が何らかの原因で詰まってしまい、それが原因で脳の機能に障害が起こる病気のことを言います。

脳は体に対してさまざまな指令を出す機能を持っているので、障害の箇所によっては身体を動かしづらくなることもあります。

場合によっては身体の半身に麻痺が残り、指先まで全く動かせなくなるほど重度の後遺症が残ることもあるのです。

その後遺症の度合いによっては「身体障害者手帳」の交付対象となる場合が出てきます。

脳梗塞での交付申請の注意点

脳梗塞による身体機能の低下を要因とした「障害者手帳」の交付申請の際に気を付けなければならないことは、脳梗塞を発症した直後には「身体障害者手帳」の交付を受けられないということです。

脳梗塞という病気は、発症直後には大きな麻痺や言語障害などを生じる可能性の高い病気ですが、治療やリハビリで改善する可能性も少なくはありません。

このように発症直後の状態は変化する可能性が高いので、その時点では障害認定を受けられないのです。

脳梗塞による「障害者認定」は、発症(初診日)から6か月を経過して、症状が固定したとみなされて初めて認定を受けられるのです。

初診日から6か月経過した時点で入院している場合には、その病院の相談員などが、身体状態によって「障害認定」の申請をすすめてくれることがあります。

しかし、通院しかしていない場合には病院から申請をすすめてもらえず、認定の対象であるにもかかわらず認定を受けていないというケースもあるのです。

脳梗塞を発症した場合には、

6か月後の状態によって「障害認定」を受けられる可能性があるということを覚えておく

ことが大切です。

障害者手帳
≪画像元:東松山市役所

該当するかもしれないと考えられる場合には相談してみることをおすすめします。

「認知症」は「精神障害者保健福祉手帳」交付対象の可能性

現代の日本は高齢化の進行が顕著であり、それに伴って認知症を発症している方も増加しています。

認知症を発症すると、日常生活のさまざまな場面で支障を来す場合があり、症状が進行すると他者の支援がなければ生活することが困難になる方もいます。

「精神障害者保健福祉手帳の障害等級の判定基準」では、障害認定の判定基準として

「認知症その他の神経症状があり、身辺の安全保持や危機的状況での適切な対応を援助なしに行えない場合」

と規定しています。

認知症が進行したことによって

日常生活等に支援が必要となっている場合には、「精神障害者保健福祉手帳」の交付を受けられる可能性がある

のです。

認知症を理由として「精神障害者保健福祉手帳」の交付を受けたいと考えた際には、医師の診断書が必要ですが、医師が診断書を作成する条件として、初診日から6か月以上経過していることが挙げられます。

「障害認定」を受けたいと考えた際には、通っている病院に初診日を確認して相談することをおすすめします。

精神障害者保健福祉手帳
≪画像元:厚生労働省≫

自分にあった支援を見つける

介護認定を受けている方でも、障害者の認定を受けることは可能であり、それによって節約できるお金は少なくありません。

申請をする際の診断書を作成してもらうためにはお金もかかるため、主治医に障害認定に当てはまる可能性がある状態であるかどうか、事前に確認しておくと良いでしょう。

「障害者認定」を受けられる可能性があり、診断書の作成料金よりも受けられる恩恵の方が大きいと判断した場合には、認定を受けることをおすすめします。

介護の終わりはいつ来るのかは分からないものです。

活用できる公的制度を積極的に活用していくことは自分の生活を守ることにもつながります。

「介護が必要になってしまった、どうしよう…」と諦めないで、まずは自分にあった支援を見つけていきましょう。(執筆者:現役老人ホーム施設長 佐々木 政子)