児童手当法の改正により、令和4年10月支給分から一定以上の所得がある人は児童手当の特例給付の対象外になります。

ただし、児童手当には2種類存在し、本改正で所得制限が追加されたのは「特例給付」の受給要件です。

したがって、児童手当法が改正されたとしても影響を受けない方も多くいますので、本記事では児童手当の概要と法改正によって特例給付を受けられなくなる方について解説します。

なお、令和3年5月24日時点の情報を元に執筆しております。

児童手当制度の概要

児童手当とは、中学校卒業までの子どもを養育している方に対して支給される手当のことです。

支給金額は、子どもの年齢によって異なります。

支給金額は、子どもの年齢によって異なります

※「第3子以降」とは、高校卒業までの養育している児童のうちの3番目以降の子のことを言います。

所得制限限度額を超える所得がある方は受給対象者から除かれます

所得制限の限度額は扶養親族等の数によって変わり、扶養人数が増えると限度額の上限は上がるため一律ではありません。

【児童手当の所得制限限度額】

児童手当の所得制限限度額

扶養親族等の数は、

所得税法上の同一生計の配偶者および扶養親族、扶養親族等でない児童で前年の12月31日において生計を維持した人の合計

です。

扶養親族等の人数が増えることによって所得制限の限度額は1人につき38万円増え、扶養親族等が同一生計配偶者(70歳以上に限る)または、老人扶養親族であるときには44万円が加算されます。

なお、所得制限限度額以上の所得を有する方でも現行法では特例給付として月5,000円の手当を受け取れますが、今回の児童手当法改正によって特例給付を受けられる人についても所得の上限が追加されました。

法律改正で支給対象外となるのは年収1,200万円以上の人

法律改正で支給対象外となるのは年収1,200万円以上の人

特例給付を受けられなくなる人の所得制限の具体的な金額は執筆時点では判明していませんが、報道によると受給上限は年収1,200万円になるとのことです(今後、児童手当法施行令が改正され、所得上限が設定される見込みです)。

年収とは年間で得た収入金額のことを指し、所得は収入から経費を差し引いた金額のことです。

たとえば、通常の児童手当の所得制限限度額(扶養親族等が1人)は662万円ですが、収入金額で考えると875.6万円が目安となる金額です。

そのため、年収900万円の場合には所得制限限度額を超えてしまう一方で、特例給付の対象外となる上限は年収1,200万円ですので、法改正後も特例給付は受給できるのです。

一時的に所得が増えた年には要注意

児童手当の所得制限限度額は、前年の所得(1月から5月までの児童手当は前々年の所得)によって判断します。

所得制限限度額を超えてしまうと児童手当をもらえなくなったり、法案改正後には特例給付も受けられなくなる可能性もあります。

また、判定対象となる所得金額は年間で得た所得の合計ですので、会社からの給料以外に不動産所得や仮想通貨の売却利益などを得ている人は注意してください。(執筆者:元税務署職員 平井 拓)