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「会社員」と「フリーランス」はどちらの方が所得税を節税しやすい?

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「会社員」と「フリーランス」はどちらの方が所得税を節税しやすい?

テレワークの普及したことでフリーランスとして活動する方が増えている一方、フリーランスは会社員より税金負担が大きいとの声を聞いたことがあるかもしれません。

お金を稼ぐ際に関係する税金はいくつもありますが、本記事では所得税に焦点を当て、会社員とフリーランスのどちらが節税しやすい働き方なのかを解説します。

会社員とフリーランスはどちらの方が所得税を節税しやすい?

節税の自由度は自営業に軍配

所得税を節税する選択肢が多いのは、フリーランスです。

フリーランスとして得た収入は、基本的に事業所得の対象になるのが一般的であり、事業所得は収入を得るために必要となった支出を経費として計上することが可能です。

たとえば在宅勤務している人であれば仕事で使用するパソコンや備品を経費計上できますし、通信費等も事業用の割合分は経費になります。

会社員の収入は給与所得に該当するのですが、給与所得は交通費等を経費にすることは原則できません

「特定支出控除」の対象になった支出については、給与所得控除後の所得金額から差し引くことができますが、適用するためには支出の種類や金額に条件があるため、事業用の支出を経費計上できるフリーランスの方が所得税対策を講じやすいです。

会社員は支出ゼロで給与所得控除を適用できる

給与所得控除とは、給与収入に対して適用できる控除をいい、給与収入が多くなるほど控除額も増えるのが特徴です。

年収500万円に対する給与所得控除は144万円であり、フリーランスが同じ収入を得ている場合、144万円を超える経費を使っていれば給与所得よりも所得金額を小さくすることも可能です。

ただフリーランスが経費計上できるのは実際に支出した金額ですので、経費が多くなればその分だけ手元のお金は少なくなります

それに対し、給与所得控除は給与収入があれば自動的に適用できる控除ですので、同収入・同所得で比較すると給与所得の方が手元に多くのお金が残ります。

所得控除・税額控除の要件は両者とも同じ

所得控除や税額控除の適用要件は、会社員・フリーランスなど業種で変わることはありません。

扶養している人数が多ければ扶養控除額は多くなりますし、生命保険料控除や地震保険料控除は、加入している保険の種類や金額で控除額が変わります。

税額控除は算出された税額から直接控除できるので節税効果は高く、代表的な税額控除は「住宅借入金等特別控除(通称:住宅ローン控除)」です。

住宅ローン控除の適用により税金が還付されるのは、事前に所得税を納めていた方に限られます

会社員は源泉徴収により所得税を納めているケースがほとんどですが、フリーランスは仕事内容によって源泉徴収されていないこともあります

源泉徴収税額がなければ住宅ローン控除を適用しても還付金は発生しませんが、税額控除を適用した分だけ納税金額は減少しますので、要件を満たしている場合は適用した方がいいでしょう。

トータルでは会社員の方が節税できる可能性は高い

節税の選択肢の多さではフリーランスに軍配が上がりますが、経費計上できるのは実際に支出した金額だけなので、給与所得により収入を得た方が手元に残るお金は多くなる可能性が高いです。

ただフリーランスは青色申告することで65万円の特別控除を適用できますし、基礎控除額が48万円に引き上げられるなど、税制環境は少しずつ整備されています。

節税するためには働き方を問わず税金知識は不可欠ですので、支払う税金を抑えたい場合には、現状で利用できる節税方法を確認してください。(執筆者:元税務署職員 平井 拓)

《平井 拓》
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平井 拓

執筆者:元税務署職員 平井 拓 平井 拓

12年勤務した税務署を退職し、ライターとして活動してます。税務署時代は資産課税部門に所属しており、相続税・贈与税・所得税が専門でした。 脱税は嫌いですが、節税は好きです。少しでも税金を身近に感じていただける文章をお届けします。 寄稿者にメッセージを送る

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