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住民税の「普通徴収・特別徴収」の違い 納付が遅れた場合の影響とは

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住民税の「普通徴収・特別徴収」の違い 納付が遅れた場合の影響とは

住民税は、所得税以上に多くの人が納めている税金です。

会社員の方は給料から住民税が天引きされていため、支払っている感覚があまりありません。

しかし自営業の方や転職、退職する際は自分で住民税を納付しなければいけないケースもありますのでご注意ください。

普通徴収・特別徴収の違い

住民税とは

住民税は、都道府県や市区町村の行政サービスをまかなうために徴収されている税金であり、その地域に住んでいる人が幅広く税負担をする会費のような性質があるとされています。

課税方法には「均等割」と「所得割」の2種類あり、1月1日時点で住んでいる地方自治体へ納めることになります。

均等割とは、非課税限度額を上回る人へ定額の負担を求める税金で、所得金額の大小に関係なく、納める金額は市町村民税(区市町村民税)と道府県民税(都民税)の合計5,000円(※)と固定です。
(平成26年度から令和5年度分までは、1,000円上乗せされています。)

所得割とは、納税義務者の所得金額に応じた税額の負担を求める税金で、所得割は税額に応じて市町村民税6%、道府県民税4%の計10%を納めることになります。

所得金額が大きい人ほど支払う金額は多くなりますが、所得税とは異なり税率は一律です。

住民税の特別徴収と普通徴収の違い

住民税は前年の所得金額に対して課される税金であり、納める方法は普通徴収と特別徴収があります。

普通徴収とは、市町村から送られてくる納税通知書により年4回に分けて納める方法です。

1回目の期限(6月)までに一括納付する方法も存在しますが、一括納付を行っても住民税の金額が安くなることはありません。

特別徴収とは、会社などの勤務先が給料から住民税を天引きし、集めた住民税を市区町村へ納める方法です。

普通徴収とは違い、給料から差し引かれるので支払漏れがありませんし、毎月住民税を支払うことになるので、1回あたりの負担金額も少ないです。

なお副業の所得に対する住民税を普通徴収で納めたい方は、確定申告書で住民税の支払い方法を普通徴収にすることを選択しなければ、特別徴収の対象となりますので注意してください。

住民税を滞納した際の罰則と徴収方法

住民税を滞納した場合には、本税以外に延滞税を納めることになります。

延滞税は、納期限までに税金が支払われなかった場合に発生するペナルティのような税金で、支払いが遅れるほど延滞税の金額は多くなります。

期限を経過しても納税がしなかった際は、地方自治体から督促状や催告書の通知が行われます。

催告等にも応じない場合、地方自治体は財産差押などの滞納処分を行います。

住民税は法律で納税額が決まっていますので、支払う金額がオマケされることはありません。

そのため万が一納付が遅れてしまった際は、1日でも早く支払いを済ませてください

年の途中で退職した際の注意点

毎月の給料から住民税を特別徴収されていた人が退職した場合、原則その翌月以降の住民税は普通徴収により納めることになります。

収入源が無くなる方については、住民税としてどの程度支払うことになるか、前もって確認しておきましょう

なお次のケースに該当する際は、特別徴収により住民税を支払うことになります。

● 他の会社に就職し、特別徴収されることを申し出た場合

● 6月1日から12月31日までの間に退職した人で、住民税の残税額を退職金などからまとめて特別徴収することを申し出た場合

● 翌年1月1日から4月30日までの間に退職した人で、住民税の残税額を超える退職金などがある場合
(該当者の申し出がなくても、残税額は退職金などから徴収されます。)

転職したりフリーランスとして活動するなど、働き方を切り替える際は、住民税の支払漏れが発生しやすいです。

延滞税を支払うのはもったいないですので、普通徴収となった際は期限までにお支払いください。(執筆者:元税務署職員 平井 拓)

《平井 拓》
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平井 拓

執筆者:元税務署職員 平井 拓 平井 拓

12年勤務した税務署を退職し、ライターとして活動してます。税務署時代は資産課税部門に所属しており、相続税・贈与税・所得税が専門でした。 脱税は嫌いですが、節税は好きです。少しでも税金を身近に感じていただける文章をお届けします。 寄稿者にメッセージを送る

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