※本サイトは一部アフィリエイトプログラムを利用しています

注目記事

マイナンバーカードの隠れたメリット 年金と雇用保険に便利な活用法を解説

税金 年金
マイナンバーカードの隠れたメリット 年金と雇用保険に便利な活用法を解説

マイナンバーカードの新規取得、健康保険証として利用するための申込み、公金受取口座の登録を行った方に、最大で2万円分のマイナポイントを付与するキャンペーンを、政府が実施しております。

キャンペーンは2022年6月30日から本格的に始まり、同年9月30日までにマイナンバーカードの交付申請をした方が、マイナポイントを受け取れるようです。

これを機にマイナンバーカードを取得する方は、さまざまな用途で有効活用したいところです。

ただマイナンバーカードのICチップに格納された電子証明書を読み取るための、カードリーダーを設置している病院などは、2022年5月時点で2割くらいに止まっているようです。

そのためマイナンバーカードを健康保険証の代わりとして、近所の病院などで利用するのは、当面は難しいのではないかと思います。

マイナンバーカードのその他の用途としては、コンビニでの住民票の写しや、印鑑登録証明書などの取得になりますが、これらが必要になる機会は、それほど多くはないと思います。

またマイナンバーカードを利用すると、e-Taxから確定申告ができるのですが、会社員であれば一部の方を除いて、確定申告の必要がないので、あまりメリットに感じないかもしれません。

そこで年金(国民年金、厚生年金保険)と雇用保険という、会社員の方にとっても身近な制度を便利にするために、マイナンバーカードを活用することをおススメします。

便利な活用方法

ハガキのねんきん定期便だと一部の年金記録しかわからない

毎年1回、誕生月(1日生まれの方は誕生月の前月)になると、ねんきん定期便が送付されますが、これには2つの欠点があると思います。

節目年齢(35歳、45歳、59歳)には、全期間の年金記録が記載されたものが、A4判の封書に入って送付されます。

節目年齢以外になると、直近1年間の年金記録だけが記載されたものがハガキで送付される点は、1つ目の欠点だと思うのです。

例えば過去に免除を受けていた国民年金の保険料を、追納したいと思った場合、節目年齢に送付されるA4判のねんきん定期便であれば、どの年に何か月の免除期間があるのかが、すぐにわかります。

しかしハガキのねんきん定期便には、直近1年間の年金記録だけしか記載されていないため、過去の分を捨ててしまった場合には、こういった免除期間の情報がよくわからないのです。

また追納を実施すると、その期間に関しては免除期間から、納付済期間に変わります。

ただ40歳の時に一部の期間だけ追納を実施した方が、ねんきん定期便で変わったのを確認できるのは、次の節目年齢の45歳になります。

そのため例えば42歳の時に、残りの期間の追納を実施する場合、追納した期間のメモを取っていないと、どこが免除期間のままになっているのかが、よくわからないのです。

こういった理由などから、節目年齢以外はハガキで送付される点は、ねんきん定期便の1つ目の欠点だと思います。

50歳未満は老齢年金の見込額が記載されていない

50歳以上60歳未満の方に送付される、ねんきん定期便を見てみると、現在の加入条件が60歳まで継続すると仮定した場合の、老齢年金(老齢基礎年金、老齢厚生年金など)の見込額が記載してあります。

厚生年金保険から支給される老齢厚生年金の金額は、勤務先から支払われた給与(月給、賞与)の平均額と、厚生年金保険に加入した月数で決まります。

こういった仕組みのため、60歳までの給与の変動が少なかった場合には、老齢年金の見込額と実際の受給額は、かなり近くなるのです。

一方で50歳未満の方に送付される、ねんきん定期便を見てみると、これまでの加入実績に応じた、老齢年金の金額が記載してあります。

そのため加入実績が短い20~30代の方は特に、老齢年金の金額が少なく記載されているので、この部分を見ても老後の生活を、イメージできない場合が多いのです。

公的年金の不足を補うために、老後資金として準備する金額もイメージできない場合が多いため、50歳未満だと老齢年金の見込額が記載されていない点は、ねんきん定期便の2つ目の欠点だと思います。

ねんきんネットは条件ごとの老齢年金の見込額を試算できる

マイナンバーカードを利用して、マイナポータルにログインすると、ねんきんネットとの連携手続きができます。

この手続きが完了すると、ねんきんネットのユーザIDを持っていなくても、マイナポータルにログインした後に、ねんきんネットを使えるのです。

実際にねんきんネットを使ってみると、節目年齢のねんきん定期便と同じように、全期間の年金記録がわかります

そのうえ追納が可能な期間がどこにあるのかを、ねんきんネットが教えてくれるだけでなく、追納を実施すれば免除期間が納付済期間に変わるため、追納を検討している方にとっては、かなり便利だと思います。

またねんきんネットであれば、50歳未満の方であっても、現在の加入条件が60歳まで継続すると仮定した場合の老齢年金の見込額を、試算することができます。

もちろん加入条件に変化があれば、老齢年金の見込額が変わるため、次のような加入条件の変化があった時には、改めて試算してみるのが良いと思います。

  • 厚生年金保険から国民年金に切り替わった(国民年金から厚生年金保険に切り替わった)
  • 役職に就いたため、給与が以前より上がった(役職定年を迎えたため、給与が以前より下がった)

なお60歳以降も厚生年金保険に加入しながら働く場合、給与と老齢厚生年金の合計が一定の基準額を超えると、老齢厚生年金の全部または一部が支給停止になるのです。

ねんきんネットに対して、60歳以降に受け取れそうな給与の金額を入力してみると、支給停止になるか否かだけでなく、支給停止になる老齢厚生年金の目安もわかります

また繰上げ受給(老齢年金の受給開始を早める)した時の減額の目安や、繰下げ受給(老齢年金の受給開始を遅くする)した時の増額の目安もわかるため、とても便利だと思います。

マイナポータルは雇用保険の加入記録などがわかる

雇用保険の失業手当(65歳未満の基本手当、65歳以上の高年齢求職者給付金)や、育児休業給付などを受給するには、雇用保険の加入期間が一定以上は必要になるため、加入漏れがあると受給できない場合があります。

そのため雇用保険の加入記録などが間違っていないのかを、定期的に調べた方が良いのです。

しかし今のところ雇用保険には、ねんきん定期便のような制度がないため、これを調べるためにはハローワークまで、足を運ぶ必要があります。

こういった欠点を解消し、雇用保険を便利してくれるのが、マイナンバーカードではないかと思います。

その理由としてマイナンバーカードを利用し、マイナポータルにログインすると、雇用保険の加入記録などがわかるからです。

これを調べてみた時に、雇用保険の加入漏れがあった場合、遡って加入する手続きを、勤務先にお願いしてみるのです。

また例えば基本手当を受給するには、雇用保険の加入期間があと少し足りないことがわかった場合、退職日を遅らせるなどの対策を、検討してみるのが良いと思います。(執筆者:社会保険労務士 木村 公司)

【関連記事】:【目次から探せる】マイナンバーカード・マイナポイント 申請お助けガイド

《木村 公司》
この記事は役に立ちましたか?
+149

関連タグ

木村 公司

執筆者:社会保険労務士 木村 公司 木村 公司

1975年生まれ。大学卒業後地元のドラッグストアーのチェーン店に就職。その時に薬剤師や社会福祉士の同僚から、資格を活用して働くことの意義を学び、一念発起して社会保険労務士の資格を取得。その後は社会保険労務士事務所や一般企業の人事総務部に転職して、給与計算や社会保険事務の実務を学ぶ。現在は自分年金評論家の「FPきむ」として、年金や保険などをテーマした執筆活動を行なう。 【保有資格】社会保険労務士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、DCプランナー2級、年金アドバイザー2級、証券外務員二種、ビジネス実務法務検定2級、メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種 寄稿者にメッセージを送る

今、あなたにおススメの記事

特集