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分譲マンションの適切な管理でインセンティブが得られる「管理計画認定制度」 基準や区分所有者のメリットとは

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分譲マンションの適切な管理でインセンティブが得られる「管理計画認定制度」 基準や区分所有者のメリットとは

マイホームを売却するとして、購入時より高く売れたら、うれしいですよね。

マイホームを高く売るには、以下のことが大切です。

  • 人気の立地
  • 保存状態の良さ

立地は替えられませんが、マイホームにメンテナンスをすれば、状態を保つことができます。

マイホームの約13%を占める分譲マンションは、建物の躯体部分、建物の設備、敷地を共有しています

参照:東京カンテイ「全国の分譲マンション普及率を都道府県・市区町村別に調査(pdf)

戸建住宅であれば自身で行える建物や敷地の管理は、マンションの区分所有者全員が所属する管理組合で行うことになります。

近年、空き家問題やゴミ屋敷など、放置された不動産が取り上げられています。

分譲マンションの多くは、区分所有者の高齢化や工事費の急激な上昇により、大規模修繕工事等に必要な積立金が不足しています。

大規模修繕工事や長寿命化工事が適切に行われないと、外壁剥落、廃墟化の恐れがあります。

分譲マンションは戸建住宅より敷地も建物も大規模で、放置されると居住者だけでなく近隣住民や地方自治体にも影響が及びます。

放置された分譲マンションが「危険な状況」になり、地方自治体が管理組合に代わって解体(代執行)した事例もあります。

危機感を持つ国や地方自治体は、分譲マンションの老朽化を防ぎ適正な維持管理を促進するため、分譲マンションの管理計画認定制度をスタートさせました。

マンション管理組合の管理計画が一定の水準に達していれば、都道府県等が認定し、インセンティブも与えるものです。

今回はマンション管理認定制度と、認定制度を導入した際のインセンティブについてお知らせします。

しっかり管理しているマンションに 国のお墨付き

管理計画認定制度とは

「マンションの管理の適正化の推進に関する法律及びマンションの建替え等の円滑化に関する法律の一部を改正する法律」が、令和2年6月24日に公布。

マンションの管理の適正化を推進するため、地方公共団体によるマンション管理適正化推進計画制度や管理計画認定制度などが創設されました。

国はマンションの管理の適正化に関する基本的な指針を作り、都道府県等は国の基本方針に基づき、マンション管理適正化推進計画を定めました。

マンションの管理組合は自らのマンションの管理計画を、推進計画を作成した都道府県等の長に提出できます。

一定の基準を満たす場合、計画作成都道府県知事等が認定します。

認定審査の費用

分譲マンション

1. 都道府県等への手数料 (それぞれ異なる)

自治体手数料は、自治体によって異なります。

2022年度は無料とする自治体もあります。

2. 追加費用が必要となる場合

(公財)マンション管理センターの管理計画認定手続支援サービス(事前確認適合証)を利用する場合は、1. に追加して、以下の費用が必要です。

  • マンション管理センターシステム利用料 1万円/1申請
  • 事前確認審査料

※(一社)日本マンション管理士会連合会、(公財)マンション管理センター経由の場合、1万円(2022年度の申請に関しては無料)。

マンション管理士へ直接依頼の場合は任意額。

認定基準

  1. 管理組合の運営
  2. 管理規約
  3. 管理組合の経理
  4. 長期修繕計画の作成及び見直し等
  5. その他(名簿、都道府県等独自の指針)

参照:国土交通省「管理計画認定制度の認定基準(pdf)

認定制度導入のインセンティブ

都道府県の管理認定を受けたマンションに対しては、次のインセンティブが与えられます。

インセンティブは、

  • 管理組合が受益できるものと、
  • 区分所有者が受益できるもの

があります。

管理組合

管理組合が受益できるインセンティブは、以下の2点です。

1. マンションすまい・る債(管理組合の積立債券)の利率優遇

利率については、本年4月に発表されます。

参照:住宅金融支援機構「管理計画認定マンション向け マンションすまい・る債のご案内(pdf)

2. マンション共用部分リフォーム融資(大規模修繕工事の際の借入融資)の金利優遇

0.2%が優遇されます。

参照:住宅金融支援機構「マンション共有部分リフォーム融資(pdf)

区分所有者

区分所有者が受益できるインセンティブは、以下の2点です。

1. フラット35(固定金利の個人向け住宅ローン)の金利優遇

5年間、0.25%が優遇されます。フラット35Sと併用できます。

参照:住宅金融支援機構「2022年4月以降、【フラット35】が変わります(pdf)

2. 固定資産税減免

適用要件は以下のとおりです。

  • 築後20年以上が経過している10戸以上のマンション
  • 長寿命化工事を過去に1回以上適切に実施
  • 長寿命化工事の実施に必要な積立金を確保
  • 積立金を一定以上に引き上げ、「管理計画の認定」を受けていること等(※)

(※)地方公共団体の助言・指導を受けて適切に長期修繕計画の見直し等をした場合も対象

減免額は、管理計画の認定を受けたマンション等において、長寿命化工事が実施後、その翌年度に課される建物部分の固定資産税額が減額されます。

減額割合は、1/6~1/2の範囲内(参酌基準:1/3)で市町村の条例で定めることとなります。

参照:国土交通省 マンション長寿命化促進税制が創設されます!

固定資産税の減免が受けられるとメリット大

認定制度を使って、購入・居住・売却時も得するマンションライフを

「分譲マンションは管理を買え」

と言いますが、マンション管理の状態を客観的に判断するための基準はありませんでした。

このたび、基準を国と都道府県等が定めることになりました。

管理計画認定制度が運用されることと、インセンティブがあることで、マンションの管理状況に関心が向けられると思います。

  • 管理計画認定(一定レベル管理状態)
  • 市場評価が上がる
  • 管理意識の向上
  • 管理の適正化
  • 管理計画再認定(5年ごと)

管理計画認定による好循環が期待できます

認定制度を使って、購入時、居住時、売却時も得する「WINWIN」なマンションライフを目指しましょう。(執筆者:CFP、1級FP技能士 金 弘碩)

《金 弘碩》
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執筆者:CFP、1級FP技能士 金 弘碩 金 弘碩

すまいとくらし研究所 すまいとくらしカウンセラー 1975年 岐阜県生まれ。神奈川大学大学院経営学研究科修士課程終了。すまいの3要素。建物,土地,資金計画での実務経験(不動産,工務店勤務12年)と資格を持っています。すまいは一生に一度のお買い物ですが、ライフスタイルに沿って変わっていくものです。家族のイベントに毎に相談を承ります。お客様に寄り添いながら、すまいとくらしを支えます。 ≪保有資格≫ 二級建築士/宅地建物取引士 /公認不動産コンサルティングマスター/マンション管理士/賃貸不動産経営管理士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / CFP 寄稿者にメッセージを送る

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