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家計にとっての「良い節税」と「悪い節税」の違いとは 注意すべきポイントを解説

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家計にとっての「良い節税」と「悪い節税」の違いとは 注意すべきポイントを解説

税金を支払う額を抑える方法は多数存在します。

しかし、節税することが必ずしも家計にとってプラスになるとは限りません。

誤った節税術を用いた場合、損をする結果になるケースもあります。

節税する際に注意すべきポイントを解説します。

「良い節税」と「悪い節税」

節税はコスパを考えて実施するのが鉄則

節税を行う目的は、支出となる税金の額を減らし、手元に残る財産を増やすことです。

結果的に納税額が減少するとしても、節税のための労力が大きければ費用対効果は薄くなります。

ですから費用対効果が見込めない場合には、あえて節税の手続きを行わないことも選択肢となります。

節税するために支出を増やすのは「悪い節税」

筆者が考える「悪い節税」とは、節税するために支出を増やす行為です。

会社員や年金受給者は経費を増やすことはできませんので、所得税を節税する際は、主に所得控除と税額控除を用いることになります。

所得控除には、配偶者控除や扶養控除などの所得金額等に応じて利用できる控除と、医療費控除や生命保険料控除などの支出額に応じて利用できる控除の2種類あります。

配偶者控除は、配偶者の所得金額が48万円以下であれば原則適用できますので、適用するために支出が発生することはありません。

一方、医療費控除は、支払った医療費に応じた額を差し引くことができる制度です。

適用するためには医療費を支払っていることが前提条件であり、控除対象となるのは原則10万円を超えた医療費の部分のみです。

所得控除は高額所得者ほど節税効果が高く、課税所得金額が少ない方の節税効果は低くなります

たとえば11万円の医療費が発生した場合、10万円差し引いた1万円が医療控除の対象となりますが、所得税の税率が5%の方であれば、500円の節税効果しか得られません。

したがって支出を増やしてまで医療費控除を適用するメリットは無く、医療費控除を適用するために医療費を増やすのは本末転倒です。

副産物として節税できるのは「良い節税」

配偶者控除など支出ゼロで適用できる節税も「良い節税」ですが、副産物として利用できる控除等も良い節税に該当します。

医療費控除を無理して適用するメリットは乏しいですが、高額な医療費を支払っている場合には控除額が大きくなるため、相応の節税効果が見込めます。

また住宅ローン控除は、10年以上のローンを組んでいる場合に適用できる税額控除です。

多くの方は自宅をローンで購入しますので、無理なく住宅ローン控除を適用することが可能です。

ふるさと納税は、節税効果と返礼品を加味すると、寄附した額以上のリターンが得られますが、所得金額等に応じて限度額がある点には注意してください。

期間限定の特例制度を上手く活用すること

費用対効果の高い節税のやり方としては、期間限定の特例制度を利用する方法もあります。

贈与税の


「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税制度」や

「教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税制度」


などの特例制度は、1,000万円の贈与でも非課税にすることができます

住宅ローン控除は適用する初年度の年分によって控除額の上限が変動しますので、節税の観点で考えた場合、自宅を購入するタイミングも重要です。

どんなに節税効果の高い制度でも、存在を知らなければ活用することができませんので、本サイトなどで最新の節税情報をチェックしていただき、費用対効果の高い「良い節税」を実現してください。(執筆者:元税務署職員 平井 拓)

《平井 拓》
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平井 拓

執筆者:元税務署職員 平井 拓 平井 拓

12年勤務した税務署を退職し、ライターとして活動してます。税務署時代は資産課税部門に所属しており、相続税・贈与税・所得税が専門でした。 脱税は嫌いですが、節税は好きです。少しでも税金を身近に感じていただける文章をお届けします。 寄稿者にメッセージを送る

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