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1000万円を遺失物として取得した場合、税金はかかってしまうのか

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1000万円を遺失物として取得した場合、税金はかかってしまうのか

北海道札幌市で資源ゴミの中から1,000万円が発見され、持ち主と名乗る人が何名も申し出ていることが話題となりました。

落とし物を届け出た人は、持ち主が不在のまま一定期間経過すると遺失物を取得することができますが、取得する際に気になるのが税金の扱いです。

そこで今回は、遺失物を取得した際に課される税金について解説します。

持ち主と名乗る人が 何名も

遺失物の取得は一時所得の対象

遺失物を取得した場合、一時所得の対象となります。

一時所得とは、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の所得で、労務や役務の対価としての性質、資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時の所得をいいます。

たとえば、競馬の馬券の払戻金や競輪の車券の払戻金、生命保険の満期返戻金などは一時所得の対象です。

遺失物の取得についても一時所得の対象になりますので、1,000万円を落とし物として届出を行い、所有者不在で1,000万円を受け取った際は確定申告が必要です。

遺失物拾得者への報奨金も一時所得の対象

落とし物の所有者が見つかった場合、落とし物を拾った方(遺失物拾得者)は、落とし物の価格の5%から20%(駅やデパートなどの施設内で拾った場合は2.5%から10%)に相当する額を、報奨金として受け取ることができます。

路上で現金1,000万円を拾ったケースであれば、落とし物を届け出た人は報奨金として50万円から200万円をもらえます。

ただし、報奨金についても遺失物と同様、一時所得の対象となりますのでご注意ください。

一時所得は50万円以下なら非課税

一時所得には特別控除額があり、一時所得の対象金額が特別控除額以内であれば、非課税となります。

一時所得の計算式

総収入金額 - 収入を得るための支出額-特別控除額(最高50万円) = 一時所得の金額
遺失物や報奨金の額が50万円以下であれば、特別控除額以内に収まるため、所得税はかかりません

また、一時所得の金額が算出される場合でも、所得税の対象になる額は2分の1に相当する額です。

報奨金として200万円を受け取った際は、75万円が一時所得の所得金額となりますので、他の所得と合算して所得税の税額計算を行います。

遺失物を取得した事実は税務署にバレるのか

落とし物を届け出た人が所有者不在により、遺失物を取得する場合には警察で手続きすることになります。

税務署は警察に照会することで、誰が遺失物を取得したのか確認できるため、ニュースになるような高額の落とし物を取得しても無申告のままでいると、税務署からお尋ねがあるかもしれません

税金は知らなかったは通用しませんので、一時所得の特別控除額を超えるような遺失物や報奨金を受け取った際は、忘れずに申告手続きを行ってください。(執筆者:元税務署職員 平井 拓)

《平井 拓》
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執筆者:元税務署職員 平井 拓 平井 拓

12年勤務した税務署を退職し、ライターとして活動してます。税務署時代は資産課税部門に所属しており、相続税・贈与税・所得税が専門でした。 脱税は嫌いですが、節税は好きです。少しでも税金を身近に感じていただける文章をお届けします。 寄稿者にメッセージを送る

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