ここのところの株価上昇は、日本や米国を中心とした景気回復期待が理由だと説明されています。
今月に入って急速に円安が進み、輸出企業の収益アップ期待、震災の復興需要の膨らみなどから株価が上昇。ホワイトデーの日には終値で7ヶ月ぶりに日経平均が1万円を回復しました。
これまでリスク回避のため、安全資産に閉じこもっていたお金がリスク資産の代表格、株式に向かい始めたようです。
ところで、閉じこもり先の安全資産の代表格は「国債」。
「国債」が換金され(売られ)ると、国債の利回りは上がります。
国債の利回りは、さまざまな金融商品の金利の基準となっていますから、国債利回りが上昇すると、それらの金利も上昇します。
預金や保険などの利率が高まるのは、至極結構なことですが、借金の金利が上昇するといたって迷惑。
個人の借金の代表額は「住宅ローン」です。
ただ、国債の利回りの影響を受ける住宅ローンの金利タイプは、「変動金利タイプ」ではなく、「固定金利タイプ」。
「フラット35」は、全期固定金利タイプの住宅ローンの筆頭ですから、まず、影響を避けることはできません。
他の民間金融機関の住宅ローンも、固定金利タイプであれば同じことです。
金融機関は、月の後半の国債の利回りを睨んで、翌月1ヶ月の適用金利を決定、公表するキライがありますから、来月の固定金利タイプの金利が上昇するのではないかと私は見ています。
しかし、変動金利タイプは、変わりません。
なぜなら、日本銀行が今月の金融政策決定会合で利上げをしていませんから。
変動金利タイプの金利水準がそのまま変わらず、固定金利タイプの金利が上昇すると、両者の金利差はますます開ます。そして、相対的に金利の低い変動金利タイプを選択する人が増えるのではないか??
・・・少し、危惧しています。
変動金利タイプは、いまは低くても、将来の金利情勢を敏感に反映、金利が上昇して、返済額のアップに直結しますから・・・。
住宅ローンの金利タイプを決めるときには、足下の適用金利だけで判断するのではなく、長い長い返済期間中の返済額への影響にも配慮することを忘れないでくださいね。