来年度から日本学生支援機構(旧日本育英会)の第一種奨学金の中に「所得連動返還型無利子奨学金」が創設されました。
現在、奨学金を借りて大学を卒業しても、就職が厳しい時代です。就職できなければ、借りた奨学金を返すことができません。(親が肩代わりしてくれれば別ですが・・・・・)4年間5万円を借りた場合、卒業後の返済額は月額1万7千円(金利3%の場合)です(15年間)。
大卒の初任給が20万円ですので、一人暮らしの方にとっては決して楽な金額とは言えないでしょう。就職できない場合や派遣で収入が少ない人にとってはかなりきつい金額です。もし、返済が滞ってしまうと現在は個人情報信用登録機関に登録されてしまい将来、クレジットカードを作ったり、住宅ローンを組めない可能性があります。
3月の朝日新聞の記事によると、ブラックリスト化した人が1万人を超えたそうです。私自身は勉学の意欲や能力があれば奨学金を借りて大学に進学することは反対ではありません。
勉学の意欲も能力もある学生が経済的な理由で進学を断念してしまうのは、大きな社会的損失です。でも、現在の就職状況を考えれば奨学金を借りることを躊躇する気持ちも理解できます。
そこで、日本学生支援機構は、第一種奨学金(学力基準が厳しい)の中に「所得連動返還型無利子奨学金」を創設し、卒業後、一定の所得がなければ奨学金の返済を猶予するしくみをつくりました。
現在でも返済猶予の制度はありますが、猶予されるのは5年間という制限があります。「所得連動返還型無利子奨学金」には猶予される期間の制限がないのが特徴です。
この奨学金を希望する場合には特別の手続きはありません。第一種の奨学金を申込んだ人の中で、本制度の基準に合致した人を日本学生支援機構が選考し、その可否が本人に通知されます。通知を受けた人は卒業後返済の猶予を希望する場合は手続きが必要です。自動的に返済期限の猶予を受けられるわけではありません。
詳細は、日本学生支援機構のホームページでご確認ください。