公務員や専業主婦(会社員の妻)に確定拠出年金の門戸が開かれるかもしれないという話の前に、すでに決まっている拡充策についてお話しましょう。
企業が掛金(従業員の退職金原資)を支払う「企業型確定拠出年金」では、今年の1月から、従業員も自分のお金を拠出することができるようになりました。このことを「マッチング拠出」といいます。企業の掛金に個人の掛金を追加し、合わせて運用原資にできるといものです。
実際には、会社の労使が協議をして、「マッチング拠出」の導入を決めることになりますが、これができるようになったら、独自に行なっている資産運用よりも、確定拠出年金で行ったほうが、よっぽどトクになります。
昨日触れたように、この仕組みには大きな税制優遇がありますからね。
60歳まで換金しなくてもいいお金であれば、断然有利。
そして今回、政府が検討しているのは、公務員や専業主婦(会社員の妻)が確定拠出年金に加入することができるようにすること。
公務員が現在、確定拠出年金に加入できない理由は、この仕組みが公的年金ではないからです。
あくまで、企業や個人が自助努力で老後の準備をする「私的年金」の仕組み。
それなのに、報酬が税金(公的な資金)である公務員の加入を許したら、「私的年金」というコンセプトに矛盾をしてしまいます。
掛金が税金の年金制度を「私的年金」と表現することはできません。
専業主婦(会社員の妻)に加入が許されていない理由は、もともとこの方たちは、公的年金の保険料を支払っていないのに、国民年金を受け取ることができる身分だから。
国民年金の保険料を払わなくていいのに、確定拠出年金の掛金を自ら支払って、大きな税制優遇のある確定拠出年金で資産運用ができるのは不公平、という声があるのです。
「それならまずさきに、国民年金の保険料を払いなさいよ」となるのです。
両者とも、越えなければならないハードルはなかなか高いですが、これらの問題がクリアされて、加入できるようになった場合には、ゼッタイトク。
確定拠出年金に加入してください。