民主党、自民党、公明党による圧倒的多数で、衆議院で消費増税法案が可決されました。民主党は当初のマニュフェストを変更して、現実路線に転換せざるを得なかったわけですが、私個人的には「どじょう首相殿、よくやってくれました」と言いたい気持ちでいっぱいです。
法案に反対・棄権した民主党議員は速やかに離党して、次回の国政選挙で国民の信を問うべきです。信義の異なる議員が、寄り合い所帯で何かをしようとしても、国民の理解を得ることはできないでしょう。
さて、今回の消費増税法案に対するネット上の反応は、「消費増税反対、増税の前にやるべきことがいくらでもある」という意見が多数を占めるようにも思いますが、私の個人的見解としては、民主党の事業仕分けによって、やるべきことは既にやってしまった感があります。事業仕分けによって、全ての国家予算をゼロベースで見直し、無駄を省こうとしたのですが、効果は限定的なものでした。
ゼロベースと言っても、そこで働いている人達が沢山いる以上、いきなりその人達をクビにするわけにもいきませんし、国家戦略的に重要な事業も沢山ありました。我が大学の蓮舫先輩が「一番じゃなきゃ、駄目なんですか?」と言って注目されたスーパーコンピューターも、やはり2番手に甘んじるよりも、1番でいた方が、海外での商談がすんなり決まることが多いので、国家戦略的に重要な事業にはやはり国が予算をつけてあげることも大切なのでしょう。日本はやはりモノ作りの国なのですから、それを放棄してしまっては、国がますます衰退することにもなりかねません。
それでも増税の前にやるべきことがあると言うのなら、既存の社会保障制度を大幅に削減すること以外に、もはや選択肢はありません。年金支給開始年齢はいますぐ70歳以上に引き上げ、国民健康保険の自己負担額は5割以上に、生活保護は廃止、そこまでしなければ、日本の国家予算は立ち行かないところまで来ています。
既存の社会保障制度の存続を望むのなら、消費税は最終的に20%以上まで引き上げられることになるでしょう。日本政府は親方日の丸の「大きな政府」のままでいたいのか、抜本的なコスト削減で「小さな政府」を目指すのか、このことを二者択一で次回の国政選挙の争点にしていくべきです。