国家戦略フロンティア分科会の報告書の中で「最速で40歳定年制を認める」という言葉があることから「40歳定年制」がという言葉だけ独り歩きしており、不安に思っている方もいるのではないでしょうか。
実際どんな内容が書いてあるのでしょうか。以下にポイントをまとめてみました。
【1】有期を基本とした雇用や金銭解雇ルール明確化
経済活動を活性化させ、外的環境変化により柔軟に対応していくためには雇用ルールをより柔軟にし、企業活動の新陳代謝をより促進していく必要がある。
これからは期限の定めのない雇用を正規とするのではなく、有期雇用を基本とした雇用契約にすべきである、
また、制度は転職など就労選択にできるだけ中立的になるようにすべきであるから、長期勤続者を優遇する退職金への税制優遇といった制度等の見直しが進められるべきである。
【2】皆が75歳まで働くための「40歳定年制」
全ての国民が75歳まで働ける社会を形成するためには定年制の概念も見直す必要がある。
現在、企業の定年年齢の引上げが進んでいるが、こうした制度改正は企業内に人材を固定化し、企業内の新陳代謝を阻害し、企業の競争力を低下させることで、かえって雇用の減少に繋がる恐れがある。
人生で2~3回程度転職することが普通になる社会を目指すためには、入社から20年目以降であれば労使が自由に定年年齢を設定できるようにすべきである(最速で40歳定年制を認める)。
ただし、早期定年制を選択した場合、定年後1~2年は所得補償を義務づけ、社員の再教育の機会を保障することで労働者の労働移転を円滑化すべきである。
40歳で初めて社外に出ることは難しい可能性があるので、入社10年目程度の労働者に「所得保障付サバティカル休暇」を取得することを権利として認め若い段階から社外との交流を拡大することを促進すべきである。
日本企業の競争力のひとつは、長期雇用に支えられたスキル蓄積や団結力といわれいるが、現在でも、入社20年目以降は社員の特性に応じたキャリアパスが複線化しているので、20年目を基準とすることは、現在の企業経営とも整合している。
※サバティカル休暇とは長期間勤務者に与えられる長期休暇のこと。
以上
皆さんは、どう思われたでしょうか。