今回の米国の金融緩和(QE3)策の特長は、雇用が回復するまで市場に資金を供給し続ける点にあります。具体的には、銀行から住宅ローン債権を買い取ります。国債より住宅ローン債権を購入している点がポイントです。その結果、銀行は消費者に更に住宅ローンを販売することが可能になり、消費者の住宅購入を通じて景気が刺激されます。住宅関連の雇用の増大が期待できます。
このように、米国の金融緩和政策には明確な目標があります。ところが、日本の場合、9月に日銀が金融緩和を行いましたが、明確な目標があったとは思えません。実際、市場の資金量はほとんど増えていません。日本の場合、銀行は日銀に国債を売ったのですが。そのお金は、日銀の当座預金に預けられています。
融資先がないため、だいぶついたお金を遊ばせておくわけにはいけないからです(日銀の当座預金には利息が付きます)。 つまり、資金が日銀→銀行→日銀と循環しているだけです。したがって、為替も米ドルに対して、円高のままです。
この状況は当分続くでしょう。