金利には変動金利と固定金利があります。住宅の購入を検討される方などは、住宅ローンの金利を変動金利にしたほうが良いか、固定金利にしたほうが良いか迷うと思います。比較時点で変動金利のほうが固定金利より金利が低いからです。
でも、金利上昇局面では固定金利よりも高くなる可能性がありますので迷うわけです。低い変動金利で借りておいて金利が上がったら固定金利に変えることができれば、うまくいきそうです。でも実際は、固定金利のほうが変動金利よりも先に上昇する傾向にありますので、うまくいきません。
では、なぜ固定金利のほうが変動金利よりも先に上昇するのでしょうか。固定金利の基準になるのが長期金利、変動金利の基準になるのが短期金利です。短期金利はその時点での金融政策に影響されます。
短期金利の代表は「無担保コールレート(オーバーナイト物)」です。これは、銀行間でお金を融通するときの金利ですが、日銀がお金の量を調整することによりコントロールします。たとえば、お金を増やせば金利が低くなります。
これに対して長期金利は、長期資金(設備投資資金など)の需要・供給の市場メカニズムの中で決まるという色合いが強いという特徴があります。決定する際、将来の物価変動や将来の短期金利の推移などについての予想が大切な要因になります。
このように長期金利は予想で動くので、短期金利より先に動く傾向があると言われています。ですから、変動で借りて固定に変更というのはうまくいかない可能性がありますのでご留意ください。
ちなみに、長期金利と短期金利の決まり方について詳しく学びたい方は財務省のホームページが便利です。
http://www.boj.or.jp/mopo/outline/expchokinri.htm/