「非嫡出子」とは、たとえば、愛人の子。つまり、法的な婚姻関係のない男女から生まれた子どものこと。婚外子です。
反対に「嫡出子」とは婚内子。法的な婚姻関係のある男女から生まれた子どものこと。日本の法律では、非嫡出子が相続できる財産は、嫡出子の半分と決められています。
たとえば、、、、、A男とB子の夫婦にC子がいます。ただ、いっぽうでA男には愛人D子がおり、この愛人との間にE子(認知済み)がいるとします。A男が死亡したときの財産が9千万円とすると、配偶者であるB子の法定相続分は2分の1の4,500万円。嫡出子C子は3,000万円。非嫡出子E子は1,500万円ということになります。
ではC子とE子がともに嫡出子だった場合は?たとえば、A男とB子の夫婦にC子が生まれ、その後、妻のB子と離婚してD子と再婚、D子との間にE子が生まれたような場合です。
同じくA男の死亡時の財産が9千万円とすると、配偶者D子は4,500万円。嫡出子のC子とE子はともに、2,250万円ずつということになります。・・・・・これが民法の規定です。
「子どもに責任はないので、非嫡出子を差別せずに、嫡出子と同じ権利にすべきだ」という意見もあり、今度、最高裁がこの問題を審理することになったようです。結婚という法的な手続きの有無のみで、こんなに違いをつけていいものか?ということなんでしょうね。実際、事実婚も増えています。
ただ、いっぽうで、いまの民法の規定は、不倫や不貞などの行為に不利益を与えることで、ちゃんとルールを守っている人たちを保護する役目もあります。法律をただの難解な文言としてではなく、できた背景をみていけば、社会のありかたなどが浮かび上がってきます。