平成25年度税制改正により、相続時精算課税の適用を受けることができる者に贈与を受けた年の1月1日現在に20歳以上である孫が含まれました(新設・措置法第70条の2の5)。
これは平成27年1月1日以後の贈与から適用され、贈与者の年齢もその年1月1日において60歳(現行65歳)以上となります(相続税法第21条の9第4号他)。
ただし、このブログ
平成25年度相続時精算課税制度の改正予定項目とその注意点
でも指摘しましたが、相続税法第18条の相続税額の2割加算の問題があります。
(以下、上記記事より引用)
贈与者の孫が相続時精算課税の適用を受けた場合のその後の相続税です。相続時精算課税の適用を受けた贈与財産は、その贈与者である被相続人に係る相続税の課税価格に全額含めて相続税を計算することになります(相続税法第21条の15,16)。このとき、被相続人の孫の相続税の計算上は相続税法第18条の相続税額の2割加算の適用を受けてしまい、通常は税負担が重くなります。
(引用終わり)
さて、この相続税法第18条の相続税額の2割加算(以下、「2割加算」とします)ですが、この適用のない者は被相続人の
1.一親等の血族とその代襲相続人
2.配偶者
です。上記以外の者(兄弟姉妹など)は、その適用を受けることになります(相続税法第18条第1項)。
さらに上記1の被相続人の一親等の血族に該当する場合でも被相続人の直系卑属である養子(典型例として孫養子)も2割加算の適用を受けることになります(相続税法第18条第2項)。
ただし、この場合においてその養子が代襲相続人にも該当する場合には適用がありません(相続税法第18条第2項ただし書き)→ いわゆる2重身分(資格)者 詳しくは次の記事を参照
二つの身分を持つ相続人
質問を頂いたケースですが、20歳以上の孫を養子にした上で相続時精算課税の適用を受けた場合(この場合には改正前から相続時精算課税の適用があります)でも、その後の相続税においてその孫は2割加算の適用を受けることになります。