前回のコラムで、年齢差が開いている夫婦の場合は加給年金の受給期間が長くなり、年齢差が開いていない場合は受給期間が短くなってしまうことがお分かりいただいたと思いますが、大半が年齢差のない夫婦がほとんどだと思います。
ということは、加給年金の受給期間が短くなります。加給年金は基本的に、配偶者が65歳になると打ち切られます。
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加給年金の代わりとなる年金を受給する方法
しかし、ある一定の要件を満たしますと、この加給年金の代わりとなる年金を受給することができるのです。加給年金を実際受給している人がこの文章だけ見ると、顔がニヤけてくると思いますが、その期待する気持ちを今から打ち砕きます。笑
それは・・・・加給年金を今まで受給していた人にそのまま継続して支給されることはありません!配偶者が65歳になった時点で加給年金は確かに打ち切られます。実は、加給年金は打ち切られた後に新たな持ち主の所に引越しをするのです。
では、いったい誰の元へ引越ししたのでしょうか?
兄弟の元?親の元?子供の元?どれも違います。答えはなんと配偶者です。加給年金の受給権者は自分自身の年金をもらう時に、65歳未満の配偶者がいた場合にその配偶者が65歳になるまで加給年金を受給できます。その配偶者は65歳になると、たいていの場合は自分自身の年金を受給することになります。
そしてさらに、打ち切られた加給年金の変わりに振り換わった新たな年金を受給することができます。これを「振替加算」と言います。
分かりやすい例を出しますと、夫が65歳で妻が63歳だとして夫が加給年金の受給権者であった場合、妻が65歳になるまでの2年間は夫に加給年金が支給され、妻が65歳になったら、夫の加給年金は打ち切られて、妻に対して「振替加算」の年金が支給されるということになります。では、この「振替加算」の年金はいつまで支給されるのでしょうか?
それは一生涯もらえます!つまり、天使のリングが頭上に現れるまでもらえます。これはかなりお得な年金ですね。
振替加算の年金をもらう為の条件
では、気になる振替加算の年金をもらう為の条件ですが、簡単にいいますと
2・・ 振替加算を受け取る者(先ほどの例で行くと妻)が20年以上厚生年金保険や共済組合等に加入していないこと(生年月日が昭和26年4月2日より前の場合は35歳以降の加入期間が15年~19年)
になります。この条件を見て、昭和41年4月2日以降に生まれた人は、振替加算の年金がもらえないのかと、思われた方もいると思います。残念ながらそのとおりなのですが、これには理由があるので簡単に説明します。
現在では20歳になると国民年金の保険料を払わないといけませんよね。つまりは強制加入ということです。しかし、昔は強制加入ではなかったのです。又、夫婦のどちらかが厚生年金に加入していた場合には、配偶者の一方は国民年金に加入しなくてもよいという制度でした。
国民年金の強制加入が始まったのは昭和61年の4月からなのですが、それまでは強制加入ではなかったために当然、保険料を支払っていない方がたくさんいて年金をもらえない人や年金がかなり少なくなる人がでてきました。その差を埋める為にできたのが、この振替加算という制度なのです。なので、生年月日による条件があるのです。
振替加算のちょっとした裏技
最後に振替加算のちょっとした裏技をお教えしたいと思います。しかし、この裏技は多少問題がありまして、幸せな夫婦関係を築かれている方々や昭和41年4月1日以前生まれでかつこれから結婚しようする方々にはお勧めしませんので、これに該当する方はここでコラムを読むことをお止めになられた方がいいと思います。
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では、お教えます。この振替加算の年金をもらう条件の一つなのですが、振替加算の年金をもらう時に夫婦関係が成立していることが必要になります。ということは、振替加算の年金を受給する前に、夫婦関係が消滅した場合、つまり離婚が成立した場合には振替加算は行われません。
しかし、振替加算が行われた後に離婚した場合にはどうなるのでしょうか?この場合普通に考えると、離婚した時点で振替加算の年金が打ち切られるイメージが出てくると思いますが、実はいうと支給された後に離婚した場合は、打切りにならず一生涯受給することができるのです。
ということは、離婚する時期によって一生涯年金が支給されるか、0になるかが決まるわけです。
熟年離婚を考えられていて、もし振替加算をもらっていなければ、振替加算の年金をもらえる時期まで離婚を待ち、振替加算の年金が支給された後に離婚をするという手段があります。・・・・という、多少問題ありの裏技です。
紹介した私が言うのもあれですが、やはり幸せな夫婦関係を築くことを心がけていただけたらと幸いで御座います・・。笑
ではこれにて今回のコラムを終わらせていただけます。