来月4月から税率が5%から8%にアップする消費税、来年10月からは、さらに2%アップの10%に増税が予定されています。「少しくらいのベースアップがあってもこれでは“焼け石に水”」、家計のやり繰りに頭を悩ます日々は、今後さらに増えそうです。
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負担増になるのは消費税だけではない!
家計に直接影響のありそうな増税や制度改定はこれだけではありません。国民年金保険料の引上げやサラリーマンなどが加入している厚生年金保険の本人負担分の料率引上げ、それに昨年2013年1月より、東日本大震災の復興に必要な財源確保のための復興特別所得税が給与所得や銀行預金などの利子所得に上乗せされています。
この他にも、マイカーの場合、エコカー減税拡充の他、購入時の取得税も軽減されるものの、減税幅以上の消費増税があるため、これらを差引きしても実質負担増となります。
さらに軽自動車についても来年4月から購入後にかかる軽自動車税などで負担が増します。
マイホーム購入については、住宅ローンの上限額(4千万円)の拡大や適用期間の延長などの軽減策と、この消費増税分をセットで考えなければなりませんが、この制度はローン金額や給与所得などが多い人にとって有利で、すべての人が享受できるわけではありません。
増税による年収別の家計負担額のシュミレーション
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消費税でも、税金が掛らない項目(非課税項目)もあります。身近なものとしては、居住用アパートやマンションの家賃、保険料、商品券、プリペイドカード、利子、学校の授業料や入学金、土地の譲渡・貸付などです。
ただし、これらは「消費税がゼロなので安心」とは言えません。なぜならば大家さんも消費増税の影響を受けているので、これに便乗して「家賃の値上げ」なんてこともないとは言えません。
また、厚生年金保険料は、本人負担分が2004年から2017年まで毎年0.177%引上げされています。その他、厚生年金や国民基礎年金の受給額引下げなども、表に記載はありませんが家計の負担となっています。
「先ずは節約」と考える前に、「節税」に関心を!
アメリカでは源泉徴収制度はあるものの、年末調整制度がないため自分で確定申告しなければなりません。したがって、米国のサラリーマンなどは税に対する意識や関心は、日本人より高いはずです。
今回の増税は、日本の給与所得者にとって、税に対して関心をもつ絶好の機会です。税制を理解した上で、納め過ぎた税金がある場合は、確定申告をして税金の還付申告を一度トライしてみることです。
勧める理由は二つあります。一つは、還付申告の期限が5年間と長いことです。これは税の知識や少し面倒な申告手続きなどを理解するに十分な時間です。もう一つは、家計の節約にも限界があります。ひょっとしたら、節税額は家計の負担増加分またはそれ以上になるかもしれないからです。(執筆者:小林 仁志)