最近の配偶者の様子や行動パターンがおかしいと感じていて「もしかして浮気をしているのかも?」と怪しまざるを得ない…どんな夫婦だって大なり小なり、「浮気を疑う場面」に遭遇するでしょう。とはいえ、いざ配偶者に対し、浮気の真偽を問い詰めるのは、なかなか勇気がいることです。直談判をする前に、できる限りの準備をしておきたいところです。
目次
裁判所も認める「確たる証拠」とは
では、配偶者の何をチェックしたり、どのような証拠を用意したり、証言を集めれば良いのでしょうか?
まず浮気における「確たる証拠」を押さえておきましょう。これは配偶者と浮気相手の2人がホテルや浮気相手の家、旅行先の旅館などに入るところ、出るところ、その瞬間の写真なり動画なりのことです。これを用意しておけば、かなり手堅いです。
なぜなら、裁判所はこの手の証拠があれば、「肉体関係があったと看做す」という見解を示しており、本人が白状しなくても肉体関係を証明することができるからです。部屋のなかで性交渉が行われたかどうかに関係なく証明可能ですが、それはそうでしょう。部屋のなかにカメラを設置し、盗撮すれば、性交渉の瞬間を撮影することも可能ですが、それは現実的には不可能なのだから。出入りの証拠だけで十分なのです。
証拠集めに必要な費用は?
このように探偵や興信所に依頼し、確たる証拠を手に入れることも検討しなければなりません。ところで探偵等に証拠集めを頼んだ場合、どのくらいの費用がかかるのでしょうか?
これはある探偵社の見積ですが、1時間あたり2万円だそうです。例えば、デートから食事、ホテルまで6時間かけて尾行した場合、費用は12万円です。一方、2泊3日の研修(という名の不倫旅行)を72時間、尾行した場合、費用は144万円ですから、かなり高額だと言えるでしょう。なるべく手短に確たる証拠を集めてくれる探偵等に頼んだ方が良さそうです。
裁判所費用の相場
また確たる証拠を手に入れても、それでも相手が浮気を認めなかったり、暴言を吐いたり暴力を振るったりして直接の話し合いが難しかったり、話し合いの予定を毎回キャンセルされ、逃げ回ったりして、自分たちでは解決が難しい場合もあります。そんなときは裁判所を使うのも1つの手でしょう。
裁判所を利用する場合、どのくらいの費用がかかるのでしょうか?
例えば、離婚の場合、調停、審判、訴訟という順で進みますが、調停の場合、裁判所の公式サイトによると、慰謝料等の請求額が200万円までの場合、手数料は7,500円、400万円までの場合、12,500円です。また訴訟の場合、同じく請求額が200万円までの場合は15,000円、400万円までの場合は25,000円です。これ以外には切手代等がかかります。
今まで裁判所は敷居が高いというイメージを持っていたかもしれませんが、案外、利用しやすいことが分かるでしょう。
弁護士費用の相場
とはいえ、調停や訴訟の申立や審理での主張、反論等をすべて自力で行うのは荷が重いと感じる人もいるでしょう。これらの手続を弁護士に任せるという方法もありますが、弁護士に依頼した場合、どのくらいの費用がかかるのでしょうか?
例えば、日本弁護士会連合会が公表している「市民のための弁護士報酬の目安」(2008年)によると、離婚調停の場合、着手金が20万円(45%)報酬金が30万円(39%)というケースが全体のなかで最も多く、また離婚訴訟の場合、着手金が30万円(52%)、報酬金が30万円(37%)というケースが最も多かったようです。
着手金とは弁護士に依頼するときに支払う料金、報酬金とは案件が解決したときに支払う料金のことですが、もちろん、弁護士報酬は自由化されており、報酬体系は各弁護士によって異なるため、前述の料金はあくまで目安です。
このくらいの料金を払ってでも、煩わしい手続を省略したい、一緒に調停や訴訟に臨みたい、より良いアドバイスをもらいながら頑張りたいという人は、弁護士に依頼することを視野に入れても良いでしょう。(執筆者:露木 幸彦)