意外に注目されていませんが、平成27年1月から高額療養制度が変わります。
現在、0歳から69歳までの方の医療費の自己負担分は3割ですが、高額の医療費が生活を圧迫するのを、防ぐ目的のため、1カ月当たりの医療費の自己負担額は、収入によって3つの区分に分かれています。
150,000円+(総医療費-500,000円)×1%
B 一般所得者 標準報酬月額 53万円未満の方
80,100円+(総医療費-267,000円)×1%
C 市町村民税非課税者 35,400円
であったものが、平成27年1月からは、
252,600円+(総医療費-842,000円)×1%
イ 標準報酬月額 53万円~79万円の方(39歳までの方 26,420円~39,381円、40歳以降の方 30,978円~46,175円の方)
167,400円+(総医療費-558,000円)×1%
ウ 標準報酬月額 28万円~50万円の方(39歳までの方 13,958円~24,925円、40歳以降の方 16,366円~29,225円)
80,100+(総医療費-267,000円)×1%
エ 標準報酬月額 26万円以下の方 (39歳までの方 12,961円、40歳以降 15,197円)
オ 市町村民税非課税者 35,400円
となります。
今までは、3区分だったのが、5つの区分に分かれます。
実際に1カ月の総医療費(保険適用前の医療費)が100万円と仮定した場合、平成26年12月までは、
150,000円+(1,000,000-500,000)×1%=155,000円
B 一般所得者 53万円未満の方
80,100円+(1,000,000-267,000)×1%=87,430円
が、負担の上限であったものが、
252,600円+(1,000,000-842,000)×1%=254,100円
→99,100円負担増
イ 53万円~79万円の方
167,400円+(1,000,000-558,000)×1%=171,820円
→16,820円負担増
ウ 28万円~50万円の方
80,100円+(1,000,000-267,000)×1%=87,430円
→変わらず
エ 28万円以下の方
57,600円
(29,830円負担減)
となります。
標準報酬月額53万円以上の方の医療費の自己負担額は引き上げられ、標準報酬月額28万円以下の方の医療費の自己負担額は、引き下げられる結果となります。
税制のことは、大きくニュ-スとなりますが、意外に社会保険制度も毎年変更されるケ-スが多くなってきました。今後も、社会保険制度では、自己負担額が引き上げられる状況は続くと予想されます。(執筆者:渡邉 誠)