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株式投資と言えば、売却益、配当金、株主優待が主流の投資法ですが、第4の方法として「貸株サービス」があります。簡単におさらいすると、保有中の株を証券会社に貸出すことで、レンタル料として貸株金利を受取れるサービス、それが貸株サービスでした。
長期間保有するつもりで株を持っているなら、貸株金利という+αの利益を狙った方が断然お得なわけですが、あまり知られていない意外なデメリットもあるんです。そのデメリットを鑑みた上で貸株サービス利用の可否を検討するのが賢明でしょう。
では、貸株サービスにはどんなデメリットがあるのでしょうか?
目次
デメリット1:長期保有特典の優待はもらえない
大きなポイントとなるのが、貸株サービス利用期間中の株主名義は自分ではなく証券会社になるという点。配当・優待権利獲得日前に株を返してもらうことができますから、権利獲得は可能ですし、指定分の配当金と優待商品を受取ることができます。
しかし、一部の企業が設定している、1年以上、または2年以上の株式保有者だけに付与する長期保有特典は受けられません。前述したように、株を貸出している間は自分名義ではないので株を保有していることにならないのです。
長期保有特典を設定するイオンやJAL(日本航空)は、株主優待銘柄の中でも超人気の銘柄となっています。JALは3年連続で300株以上の保有者に株主割引券(航空運賃50%OFF)を1枚追加でサービスしてくれますが、そうした長期保有特典は受けられないということです。長期保有目的という観点から見ると、多少なりともデメリットになると言わざるを得ません。
対策法
長期保有特典が狙いの株は貸株サービスを利用しないのがベターでしょう。長期保有特典のない株を貸株サービスで貸出し、長期保有特典付の株は現物で常に保有。これで十分な対策となります。
デメリット2:万が一証券会社が破綻した場合は保護対象外
証券会社を通して株を買うのは当然ですが、株を購入した際の自己資産、口座に入金された資産はすべて分別管理されています。つまり、証券会社の自己資産と投資家の自己資産は別々に管理されており、万が一証券会社が破綻した場合でも投資家の自己資産は保護対象となります。
しかし、貸株サービスを利用した際、利用中の株式の名義はあくまでも証券会社であって自分名義ではありません。つまり貸株中は証券会社の株となるわけです。
ですから、もし貸株中に証券会社が破綻しても、あなたの貸した分の株式は証券会社の株として管理されていますから保護対象とはなりません。貸株分の資産は戻ってこないと思って下さい。
証券会社が破綻することはまれですが、過去に山一證券が破綻(自主廃業)した例もありますから、破綻することは100%ないとは言い切れません。そうした証券会社破綻リスク(信用リスクともいう)がともなう貸株サービスであるのは確かです。
対策法
財務基盤が健全で強固であると自信をもって言える証券会社を利用することが最善です。ただし、今の5大ネット証券(カブドットコム証券、マネックス証券、SBI証券、楽天証券、松井証券)はすべて、2008年のリーマンショック発端とした金融危機を乗り越えた証券会社。信用度は高いのは間違いありません。
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しかし、株式投資は自己責任であり、利用する証券会社選別も自己責任。何となく…では選べません。利用前に対象となる証券会社の財務状況をチェックすることをおすすめします。(執筆者:堀 聖人)