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私が「金融リテラシー」をテーマにこれまでずーと寄稿し続けた理由は、経験を通じて何か私たちに不足しているものがそこにあるのではないかと疑っていたからでした。
皆さんもそういう気持ちをお持ちの方がいらっしゃるかもしれません。
日本の金融環境の中で過ごしていると、つい、今を無条件に肯定して顧みることなく惰性の中に埋没する自分がいませんか?
このことは社会環境の革新を拒む大きな壁として私たちに立ちはだかるのです。
大袈裟ではなく、少なくとも私は『「金融リテラシー」が「資産運用」を革新する!』と思うようになりました。
さあ、これから話を始めたいと思います。
私の寄稿文の中に「金融リテラシー向上に必要なのは統計力をつけること」がありますが、そこに四つの力を挙げています。
今回は「会計力(アカンティング)」を考えます。
皆さんそうなんですが「会計学」、「会計」、「簿記」と連想されるでしょうが退かないでください!
専門家である公認会計士や税理士さんを想定なされないでください。商業高校に進まれた方や簿記を専門に学ばれた方ならば、当たり前として一笑に付されるかもしれない事柄なのです。
しかしながら、そこに「隠された真実」(ピーター・ティールの「ゼロ・トゥ・ワン」)があると私は気づきました。
会社の決算書(企業を「お金」の数字で表した)として何世紀もの間使われ続けている「バランスシート」、「インカムステートメント」は皆さんご存じのことと思います。
会社の経営内容や一年間の業績が表現されたものですよね。
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この「複式簿記」の大発明は世界最初の会社「東インド会社」が設立された(1602年)年よりずーと以前の15世紀のイタリアで文献上では発明されているとのことです。(参考文献:「アメリカの高校生が読んでいる会計の教科書」)
ここに記載される勘定科目(単なるグループ分けした箱)に「資産」、「負債」、「純資産」、「収益」、「費用」という5つの箱があります。
この箱を「家計管理」や「資産運用」に活かしてみませんか? 次回、この続きをさせていただきます。(執筆者:岩永 充)