みなさんはFXってご存知でしょうか?
FXとは「外国為替証拠金取引」のことで少額からできる投資として人気の金融商品です。でも、このFXまったく金融の知識がない状態ではじめると痛い目見ます。
そこで今回現役為替ディーラーが「これだけは覚えておいてほしい」初心者がやりがちな間違い3つをご紹介します。
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目次
初心者がやりがちな3つの間違い
1. 下がってくれば「買い」だと思い込む
例えばドル円、現在124円あたりなのですがこのプライスは刻々と変化します。このレートがある日急に120円になったとします(4円のドル安)。そこで「安い」といって飛びつくのが初心者です。
FXのプライス(ドル円とかのレート)は需給関係で変化します。4円下がったということはそれなりの理由があること。もっともっと下がることも考えられます。
下がったときに買うことを「逆張り」というのですが、とかく初心者は逆張りしかしないです。下がったらもっと下がる要因があると思って警戒すること。
一般に逆張りよりも流れに沿ったトレードのほうが利益を出しやすいといわれています。これを「順張り」といいます。この場合だと「下がったからさらに下がるだろう」という考えをもつこと。ちなみにFXは「売り」からも取引を開始することができます。
2. 「プロスペクト理論」を知らないで本能のままにやる
皆さんは、プロスペクト理論をご存知でしょうか?
プロスペクト理論とは、不確実性下における意思決定モデルの一つ。ダニエル・カーネマンを中心に展開されたモデルです。ちなみにカーネマンは2002年にノーベル経済学賞を受賞しています。
100万円拾うのと、100万円落とすのどちらが印象に残るか?
どちらも100万円と同額ですが、「損失」の方が強く印象に残ります。つまり100万拾ったうれしさと、100万落とした悲しさの度合いは後者の方が強いということです。
この人間特有の「損をするのがいやだ」という感情が働き、初心者は利益をすぐ確定し、損の状態をいつまでも引っ張ります。そのため損が膨らみ身動きが取れなくなってしまうのです(これを塩漬けといいます。)
そして、損失額が膨らめば膨らむほど、その感覚が鈍ってくることも実証されています(これを感応度逓減性)といいます。(これは利益の場合にもあてはまります。)つまり、「100万円まで損したら、もう110万も150万も変わらないよ!」と。
3. 経済指標をチェックしない
最後は、経済指標です。FXの場合、レートの変化の要因は需給関係と述べましたが、その需給関係が一瞬で一変するのが経済指標の発表です。世界では毎日様々な経済指標の発表があります。
例えば、アメリカの雇用統計。原則毎月第1金曜日に発表されるこの指標では発表の瞬間、レートが1円以上飛ぶこともあります。こういった経済指標をチェックせず、トレードをしている初心者が結構います。そうすると、ある日突然大きくレートが動き、不測の損失を被るおそれもあります。
経済指標はいわば台風です。上級者のサーファーにとっては絶好のチャンスですが、初心者にとっては溺れることもある危険な時間帯です。はじめのうちはこういった経済指標の時間帯は避け、トレードするのがいいでしょう。
以上3つのポイントをお伝えしましたが、FXは「知っているか知っていないか」で差がつく部分もあります。みなさんの大切な資産を少しでも減らさないよう一緒に勉強していきましょう。(執筆者:国府 勇太)