お小遣いについて悩む親は多いでしょう。子どものお金の教育に影響するため、お小遣い導入時はもちろんのこと、成長に応じて悩みは尽きません。解決の手がかりとなれば幸いです。

目次
5つの疑問にお答えします!
1. そもそも、毎月定額のお小遣いは必要なの?
自立の一助に必要であると考えます。小学生になると、お金を使う喜びや貯める喜びを感じたいものです。
「必要な物は親が買い与えるため、お小遣いの必要性を感じない」という意見もあります。その必要な物の一部、例えば文房具代などをお小遣いで賄うよう子どもに任せてみる方法をお勧めします。文房具は子どもにとって身近ですから、「欲しい物」と「必要な物」を判断し易いですね。予算内で優先順位を決め、我慢することも覚えるでしょう。物を大切にする心も育ちます。
「お祝い、お年玉などの臨時収入があるため、お小遣いは必要ない」という意見もあります。臨時収入の場合、その一部は子どもの采配で自由に使わせてあげましょう。お金をくれた方に対して、子どもから使い道を報告するように促しましょう。感謝の意を表することは大切です。残金は親が管理して貯金します。趣味性のある品物を購入したり、テーマパークや旅行先でのお土産品を購入したり、特別な支出は親が管理している貯金を取り崩します。
2. 毎月のお小遣いはいくらがいいの?
子どもが扱える金額に設定しましょう。小学生に文房具代を任せるのであれば、一ヵ月あたり500円前後が妥当性のある必要十分な金額です。金銭感覚は実践で身につくため、やりくりしないと意味がありません。少なすぎて使えないのであれば意味がないのです。また、多すぎて無駄遣いをするようであれば困ります。
何をお小遣いで賄うかについて話し合い、それに見合う金額を渡すようにしましょう。親が使い道を把握するためにも、使う前に報告するように約束しておきましょう。ただし、口出しは自立を妨げます。見守る姿勢で関わりたいものです。
3. お手伝いの報酬制やポイント制ってどうなの?
お手伝いは、身の回りのことができるようになる力を付けるための躾であると考えます。家事労働をプロに依頼すれば対価を支払います。しかし、家族内では家事労働に対して対価の授受はありません。子どもにも家族の一員として家事を分担するように教えたいものです。労働の対価としてお金を稼ぐ感覚は、雇用関係の中で、学生アルバイトの頃から身につけると良いでしょう。
お手伝いを報酬制やポイント制にした場合、常に金額やポイントを設定して要求するようになり、もらえなければ動かないケースに悩む親が多いのです。役に立つ喜びを感じなくなってしまうのかもしれませんね。
4. テストの成果報酬ってどうなの?
モチベーションを上げるのに手っ取り早い方法でしょう。しかし、親が子どもの点数をあおった結果、子どものカンニング行為を助長する危険性があります。成果だけが評価の対象になれば、なんとか点数を取り繕うために子どもは追いつめられる可能性があります。
また、勉強の目的がお金になり、徐々に高額な報酬を要求してくる可能性があります。それに応えて与え続ける覚悟が親には必要です。アイスクリームのグレードを上げる程度の小さなご褒美で良いのではありませんか。勉強それ自体から得る達成感・充足感・楽しさを子に感じて欲しいと願うのであれば成果報酬制はお勧めしません。
5. お小遣い帳は必要なの?
毎月のお小遣いを記帳する必要はないと考えます。収支を分析して反省するほどの金額ではないのに記帳を強いるのは酷です。親が管理している貯金について、臨時の収支を記帳するだけで良いでしょう。
毎月のお小遣いが妥当な金額であれば、やりくりの中で必然的に節約を心掛けるようになります。子どもなりの気付きがあり、工夫をするようになります。例えば文房具の購入を任されているとします。ノートは表紙の絵柄より中紙の枚数を重視するようになるでしょう。消しゴムは安さより質・メーカーを重視するようになるでしょう。(執筆者:長沼 満美愛)