大学生にとって夏休みは稼ぎ時ですね。生活費のため、交際費のため、来年以降の就活費用のため、奨学金の繰り上げ返済準備のため等、何かとお金がかかります。「稼ぎすぎて扶養から外れないでね!」と、親から念を押されたという学生さんの声を耳にするのもこの季節です。
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目次
扶養を外れると、親に迷惑がかかるの?
まず知っておきたいことは、「19歳以上23歳未満の子を扶養している親」には税的な優遇が手厚いことです。
しかし、子の収入が年間103万円を超えると、税法上、子は親の扶養から外れます。子を扶養する場合に適用された扶養控除は対象外となり、親の所得税および住民税が高くなります。
親がサラリーマンの場合、どれぐらい税負担が増えるのかについて概算しました。あくまでも目安として参考にしてください。
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扶養を外れた場合、健康保険はどうなるの?
広く知られている通り、サラリーマンの親に扶養されている子は、保険料負担ゼロで健康保険に加入しています。
しかし、子の収入が年間130万円を超えると、社会保険上、子は親の扶養から外れます。
学生本人が国民健康保険(※)に加入し、保険料を支払う義務が生じます。国民健康保険料は市区町村によってバラツキがあります。(※アルバイト先で健康保険に加入できることもあります。)
(例)東京都新宿区の場合【年収別の国民健康保険料】
目安として参考にしてください
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自営業のご家庭の場合は、そもそも扶養という概念がありません。世帯ごとの合計所得金額などを基に保険料が計算されます。学生のアルバイト収入も合算されるため、世帯主の保険料負担が増えることになります。
学生本人の税金は?
学生アルバイト収入が年間130万円以下の場合、税的に手厚く優遇されています。勤労学生控除の適用により、学生本人の所得税はゼロになり、住民税も優遇されます。
手続きは、給与所得者の扶養控除等(異動)申告書をバイト先に提出する際、勤労学生に〇を付けて、学校名・入学年月日などを記入してください。
しかし、学生アルバイト収入が年間130万円を超えると勤労学生控除の対象から外れます。学生特有の税的な優遇は一切適用されず、年間103万円を超えると所得税かかり、年間100万円を超えると住民税がかかります。
税金を概算しました。あくまでも目安として参考にしてください。
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まとめ
(※ただし、住民税の均等割額5,000円はかかります。)
年間150万円以上稼ぐのであれば、103万円や130万円を意識して収入調整をすることもないでしょう。学生アルバイトは将来のキャリア形成に繋がる貴重な経験になると考えます。仕事を通して自己実現に向かって成長する第一段階です。細かい数字にとらわれず優先度を決めて、学業に支障をきたさない範囲でアルバイトに精を出すと良いですね。(執筆者:長沼 満美愛)